講談社学術文庫 - 新刊(1ヶ月以内)の検索結果
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-バビロン第1王朝第6代の王ハンムラビ(在位前1792-前1750年)は、内政に力を注いだあと、治世29年頃から近隣諸国の征服に乗り出し、小さな都市国家の中心にすぎなかった王国を拡大して、治世37年頃までにはバビロニアを統一し、メソポタミアの北部の一部を含む大王国を築き上げた。ハンムラビ法典は、この大事業が完成したあと、ハンムラビ王の命令で編纂されたものである。 ハンムラビ法典は、長らく「世界最古の法典」とされていたが、ウル第3王朝の創設者ウルナンマ(在位前2112-前2095年)が作らせたウルナンマ法典やイシン王国のリピト・イシュタル法典、ハンムラビ法典よりやや古いエシュヌンナ法典などの断片が発見され、現在ではこれらの法典の伝統を受け継いでできあがったものだと考えられている。 ハンムラビ法典碑は、1901年から02年にフランスの発掘調査隊によってエラムの旧都スーサ(現在のイランの南西部)で発見され、現在はパリのルーヴル美術館に収蔵されている。法典碑のオリジナルがほぼ完全な形で残っているのはハンムラビ法典だけである。さらに数多くの写本が残っており、当時の書記(学者)たちが盛んに書写したことが想像される。そこでは裁判、犯罪、被害者の救済、兵士、社会構成、農業、商業、結婚、家族、遺産相続など、さまざまな事例が扱われており、ハンムラビ法典は当時の社会を反映する重要な史料として、揺るがぬ価値を持ち続けている。 本書は、「目には目を、歯には歯を」という同害報復の規定でも知られるこの貴重な記録を全訳するとともに、読解を助ける訳注はもちろんのこと、各条文についての詳細な「注解」、時代背景の説明を含む懇切な「訳者解説」をも併載した、碩学による偉大な訳業である。単行本として刊行された旧版を全面的に改訂し、初めての文庫版として生まれ変わった本訳書は、不滅の輝きを放ち続けるだろう。 [本書の内容] ハンムラビ法典 注 解 訳者解説 1 ハンムラビのカタカナ表記について 2 ハンムラビとその時代 3 ハンムラビ法典とは何か 4 王碑文としてのハンムラビ法典 5 判決集の配列 6 ハンムラビ法典碑と諸写本 7 ハンムラビ法典以前の諸法典 8 古代メソポタミアの法形式 付 論 1 「私の彫像」か「私のレリーフ」か 2 ハンムラビ法典の写本一覧 3 ハンムラビ法典と日本の現行の法律 参考文献
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4.0ヒンドゥー教や仏教と並ぶインドの伝統宗教、ジャイナ教。 古代インドで仏教とほぼ同じ時代・地域に誕生したこの宗教は、やがて世界宗教としてインドから世界に広がっていった仏教とは異なり、いまもインドの地に深く根を下ろし、約2500年にわたりインドの文化や経済に大きな影響を与え続けている。 「ジナ(輪廻から“勝利した者”)の教え」を意味するジャイナ教は、紀元前6ー5世紀ごろ、24人目のジナとされるマハーヴィーラという祖のもとで、反バラモン主義運動として興った。輪廻と業(カルマン)を前提とし、厳しい苦行によってそこからの解放を目指す宗教である。 ジャイナ教の世界観では、宇宙は永遠に興亡を繰り返し、衰退の時代には救済者が現れて教えを説くとされる。人間はその世界での行為によって業が霊魂に付着し、果報を生むため、輪廻から逃れることができない。輪廻を断つためには、行為そのものをできる限り停止し、すでに付着した業を苦行によって落とさなければならないと考える。 本書では、不殺生・非暴力の徹底と無所有を中心的な教義とし、あらゆる存在に生命を認め、その生命を何より尊重するという希有な宗教、ジャイナ教について、その知られざる歴史、教義、戒律、白衣派と空衣派という二大分派の違い、そして出家者と在家信者の実践をわかりやすくまとめた。 [本書の内容] 第1章 序言 第2章 ジャイナ教の興起した背景 第3章 六人の自由思想家の教説 第4章 マッカリ・ゴーサーラ 第5章 祖師マハーヴィーラの生涯 第6章 白衣派の聖典 愛7章 空衣派の聖典 第8章 ジャイナ教の教義 第9章 ジャイナ教の生活 第10章 ジャイナ教の戒律 第11章 ジャイナ教の在家信者 第12章 不殺生の教えと霊魂の種類 第13章 現在のジャイナ教教団 第14章 ジャイナ教と仏教の比較 ジャイナ教を知るための文献案内 あとがき 解説 河﨑豊 *本書の原本は、2006年に現代図書から刊行されました。
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-浅草十二階・大阪城天守閣・東京タワー・通天閣・太陽の塔・六本木ヒルズ森タワー・東京スカイツリー…… 塔(タワー)には進歩と郷愁の物語がある―― 多数の貴重図版とともに辿る、日本人の心の建築史! 人類は塔(タワー)によって天地の境界をデザインし、都市の象徴を上書きするとともに、塔からの眺めを欲望し、また塔に進歩の夢やノスタルジーを仮託してきた。日本の近現代に屹立する「七塔」と人々の物語を通して文明の本質に迫る、唯一無二の都市建築史。 [目次] はじめに 大地から 1塔 物見の塔――浅草十二階ほか 2塔 公共の塔――大阪城天守閣ほか 3塔 電波の塔――東京タワーほか 4塔 大衆の塔――通天閣ほか 5塔 ひとがたの塔――太陽の塔ほか 6塔 都市の塔――六本木ヒルズ森タワーほか 7塔 塔の塔――東京スカイツリーほか あとがき 天空へ 学術文庫版へのあとがき [本書の原本は『ニッポンの塔――タワーの都市建築史』(河出ブックス、2012年)です]
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-同じ月でも、万葉の空には暖かく明朗に輝いていたけれども、平安王朝の人びとにとっては孤独な悲哀感を伴う冷たく澄明な光を降りそそぐものだった。 「梅」と「桜」はともに春を代表する花ではあるが、それが表象するものごとには、微妙だが決定的な相違がある。 古典的景物の代表が「雪・月・花」であって、風や雲、雨、もみじや菊などではないのはなぜか。 日本の作品だけを見ていては、日本語のことばが担うイメージにどのような構造的な秩序があるのか、知ることはできない。 なぜなら、古典日本語は、中国大陸からもたらされた多くの文物、とりわけ漢詩文を基盤にして創られたものだったからだ。 奈良・平安びとは、膨大な漢文を書写・訓読・翻訳し、さらに模倣的創作を盛んに行った。 そうして形づくられた「王朝漢文世界」を基盤として、 「和と漢の相互干渉」という平安文学のダイナミズムが生まれ、 古典日本語固有のイメージが形成されたのである。 和歌と漢詩を丹念に見比べ、豊かな古典詩歌の深い森に分け入って、「イメージの文法」を見出す。 日本古典と漢文学の双方を比較「和漢比較研究」に取り組んできた著者がおくる、 古典の世界を深く味わうための、イメージやシンボル、比喩に注目する「読む辞典」。