国内ミステリー - シティブックス作品一覧

  • 札幌薄野殺人事件
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    1巻671円 (税込)
    自分の研究テーマである国際政治学より、巷で起きる難事件のほうをこよなく愛してしまうのが、山手女学院大学の美人助教授・弓丘弥生。 テレビキャスターもこなす才媛で、彼女はこれまでに何度も難事件を鋭い推理と行動力で解決してきたことで、警察関係者にも知られる存在になっていた。 学会や講演で出かけた先で、事件に遭遇し、推理を巡らす、連作短編7編。 難事件に挑む弓丘弥生の颯爽とした姿に加え、女として、助教授として、老舗料亭の跡取り娘としての悩みが描かれ、魅力をさらに深めている。
  • 札幌時計台殺人事件
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    1巻693円 (税込)
    全国880店舗を展開する宝飾チェーンのジュエリー伽羅は、安価な宝飾を中心にしたことで若者の心を掴んで急成長を遂げた。 そのジュエリー伽羅にとって一大イベントとされる、販売目標達成記念表彰式の札幌開催が迫っていた。 そのイベントの最重要人物の水野社長が、開催ホテルの一室で惨殺された。 同行していた社長秘書・塚本珠代が真っ先に疑われてしまう。自分では解決は無理と察した珠代は、宮之原警部に協力を依頼したのだった。 札幌を舞台に事件解決に挑む宮之原警部をあざ嗤うかのように、惨劇がつづいていく――。 宮之原警部は、存在意義を問われてしまう!
  • 殺意の海図
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    1巻693円 (税込)
    千葉県の外房に位置するリゾートホテルを経営する浦辺智弘は、20歳も下の美穂と再婚を果たした。心身ともに、美貌の若き妻との結婚生活に満足していたが、ある日、妻の内股にキスマークのような痕を見つけた。打ち身などによる青アザなのか、本当にキスマークなのか。妻への信頼がぐらつきながらも、信じたいと思い、ついに真実を見極めるべく、探偵まがいのことをはじめるのだった。男は何歳になっても無垢な想いに突き動かされる!
  • 殺意の雪宴
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    1巻682円 (税込)
    悲劇ともいえる高校生の冬山遭難。この遭難は、なぜ、起きたのか――。 山岳部の女子生徒が、先生に色目を使ったことが原因なのか。 部員の父親に愛人がいたからか。 それとも、顧問の先生が絶対に明かすことのなかった秘密によるものなのか。 はたして、遭難は事故か、事件か。 冬の北アルプス山中、過酷な吹雪の中、生徒と先生が生きのびるために生命を賭ける。
  • 殺人鉱脈
    3.0
    1巻682円 (税込)
    長野県豊科駅の近くでおきた、立てこもり事件が無事解決した。 ほっとしたのも束の間、あろうことか事件解決にあたっていた機動捜査隊の隊員が、コンビニのトイレに、拳銃を入れていたウエストポーチを置き忘れてしまう。 大失態だ。 長野県警はこの失態を挽回すべく、拳銃発見に総力をあげるが、遠く離れた石見銀山の見学坑道内で、その拳銃を使った事件が発生した。 急きょ、道原伝吉刑事は、事件となった島根の地に出向くことになるが、第二の発砲事件が、今度は長野県の白鳥湖でおきてしまう。 一見、ふたつの事件に関連はないように思われたが、道原伝吉の執念の捜査によって、遠い過去から複雑に絡み合う宿怨、悔恨がふたつの事件の元になっていたことを突き止める……。 人の善意と欲得が織りなす協調と背反を、見事に描ききっている。読み応え十分。
  • 殺人者は二度唄う
    -
    1巻682円 (税込)
    美しい依頼者の弟は失踪した。銀行預金を解約し、全額、依頼者の口座に振り込んだ。そして電話をかけてきて、アリスの「帰らざる日々」を唄ったという。失踪したからこそ浮かび上がった意味深な行動だった。 失踪には理由があったのか? 本当に自らの意志によるものか? 誰かの意図がそこに働いていないか? 私立探偵・秋津慎平は、彼が原発作業員として働いていた敦賀に向かった――。
  • 殺人氷河
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    1巻671円 (税込)
    日本人に馴染みのあるニュージーランドのクック山の麓で、観光バスが転落した。同じ頃、登山家の大前透が、ニュージーランドのタスマン氷河で惨殺されていた。 大前の死に疑問を抱いた警視庁の白鳥完市は、白バイ隊員の月村修をともなって、ニュージーランドに飛んだ。捜査を重ねるうちに、大前が日本アルプスで山岳事故に関わっていることがわかった。大前の死と日本の山岳事故との関連は? なぜ、海外の名山で殺されたのか? バス転落事故にもつながるのか? 数々の謎を、白鳥たちの大胆な捜査が真実を暴き出す! 海外の名山と日本の連峰を舞台にした山岳推理長編。
  • 薩摩いにしえ殺人事件
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    1巻671円 (税込)
    銀座ホステス「キリコ」のホステスがお店を休み、故郷の鹿児島に帰郷した。そこで待ち受けていたのは、誰ともわからぬ憎悪であった。大切な人気ホステスを殺された銀座クラブのママは、一度出会った警察庁でただひとり捜査につく宮之原警部に、捜査を依頼することにした。 宮之原警部は、艶やかな銀座のクラブママとともに鹿児島に飛んだ!
  • 佐渡・上高地殺人ライン
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    1巻682円 (税込)
    シリアスさを保ちつつ、軽妙かつ洒脱をふんだんに織り込んだ、梓林太郎の初期の意欲作だ。 大手総合商社の課長であり、東京調布の大地主でもある松代小弥太は、土日になると身分を隠し、新宿歌舞伎町あたりでヒッピーごとき姿形となる。「ヒッピ」と呼ばれる松代のそばにはいつも、真冬という名の年端もいかない女の子がいて、彼女がトラブルや事件、厄介事を持ち込んでくる。全6話の連作。クセになる面白さを秘めた珍作!
  • 蔵王高原殺人事件 長野県警豊科署 道原伝吉刑事 動機不明連続殺人捜査長編
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    1巻682円 (税込)
    北アルプス北穂高南稜で、深い霧の中、40代の男が行方不明になった。 ヘリコプターを飛ばし、捜索した結果、遺体で発見された。 不倫している若い女性との山行であった。 単なる事故とみられたが、長野県警豊科署の道原伝吉刑事は、現場の不自然さから、殺人事件であると見抜いた。 ここから地道な捜査がはじまるが、2週間後、被害者の同僚女性が殺されてしまう。 仕事が関連していると思われたが、社長は、頑なに否定し、捜査にも協力を拒む姿勢をみせた。 捜査は行き詰りをみせる中、道原伝吉刑事は、執念で打開していくが……。
  • 死化粧山脈
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    1巻682円 (税込)
    蝶ヶ岳と常念岳の間の沢で死体が発見された。当初、道迷いによる疲労凍死と見られていたが、登山道から外れた現場付近の木の枝に正しい道標を示す赤い布きれを見つけたことで、遭難という見立てに疑問符がつけられた。長野県警豊科署の道原伝吉は、雪山の現場に向かい、捜査を開始する。赤い布きれに隠された驚愕の罠を、伝吉は見抜く!「霧の道標」より。 全6篇からなる力作揃いの山岳ミステリー集――。
  • 死者からの童唄
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    1巻682円 (税込)
    東京で暮らす真名瀬美紀は、大学時代の友人の沢野由布子に請われ、西国三十三ヵ所巡りの旅をすることになった。 友人の由布子は、近江八幡の造り酒屋の一人娘だが、不治の病に冒されていて、25歳までの寿命と宣告され、今年その25歳になったのだった。 谷汲山華厳寺で満願成就を果たした夜、由布子は腹を刺された母を発見することになる。なぜ、この悲劇が起きたのか。そんなことを考えるうちに、次なる悲劇が起きてしまう。どこまで連続殺人はつづくのか――。 事件を担当している刑事から依頼を受けた宮之原警部は、200年の歴史を刻む造り酒屋の暗部を抉っていく!
  • 視線が殺した
    -
    1巻682円 (税込)
    地位も名誉も金も持っている青年社長猪沢慎一郎は、幼い頃からマゾを自覚していた。 そんな彼が自らの性癖を満足させるために選んだ道は、素直で純朴な処女を嫁に迎え、ハードSとして育てることだった。 夜毎、マゾの夫は妻久美子をサドとして鍛える。肉体だけでなく、自らの精神までも追い込むのを本望とする夫は、妻に浮気を持ち掛ける。 嫉妬に苦しむことで、マゾの心を満足させようというのだ。 しかし夫は、純朴だった妻の心が軋んでいたことに気づかなかった……。 迫真エロス満載の心震える長編。
  • 信濃いにしえ殺人事件
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    1巻671円 (税込)
    画家を志し創作に励んでいた椿千代のアトリエのすぐ近くで殺人事件が起きた。被害者は、掛け軸など販売している通販会社の社員で、彼は自社が扱った無名の画家の掛け軸を抱えていた。 この異様な殺人事件をきっかけに、5年前に亡くなっていたこの無名の画家が脚光を浴びることになり、それまで数万円の価値しかなかった作品が数千万で取引されるようになった。この画家に関連する人たちが、ひとりまたひとりと殺害されていく。 犯人は誰なのか。 宮之原警部は現場に出向き、鋭い推理で犯人と対決する!
  • 死神山脈
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    1巻660円 (税込)
    安曇野のホテルの一室で女性の遺体が発見された。 当然、部屋を予約し、チェックアウトして姿をくらませた日比野が容疑者とされた。 だが、長野県豊科署の刑事・道原伝吉は捜査により、日比野をかたった真犯人がいることを突き止める。 しかし、目的はわからなかった。 捜査がゆきづまりを見せはじめた頃、第二の事件が起きてしまう。 やはり、日比野をかたったものの凶行だった。 地道な捜査をすすめる道原は、穂高、安曇野、そして東京が、欲と保身によってつながっていることに気づいた。
  • 死紋山脈
    -
    1巻682円 (税込)
    夏が終わりを告げる頃、北アルプス・赤岳ヒュッテの管理人が遺体となって発見された。山を熟知している管理人が遭難するはずがなかった。人が良い彼がなぜ、殺されなければならなかったのか。そこには、山小屋で起きていたあることが、源流だった――『遭難遺体の告発』。全7篇。アルプスの山々を舞台にした殺意と刑事の活躍を、熱量高く、切れ味鋭く描ききった短篇集。
  • 修羅の高峰
    -
    1巻682円 (税込)
    長野県警豊科署の人情刑事・道原伝吉が直面する3つの難事件。 「岩稜の記憶」 鶴田家の長女・左蓉子の結婚式当日、新婦の父・晴良が溺死体となって上高地梓川上流のダムで発見された。 晴れの日に自殺などするはずもない。が、他殺と断定する証拠もなかった。 所轄の豊科署刑事・道原伝吉は、晴良がなぜ、長女の結婚式当日の朝、ダムに行くことになったのかを推理し、地道に捜査をつづけると……。 「氷雨の感染」 長野県穂高町で、宅配業者が見つけたのは、玄関に溜まっていたおびただしい量の人血だった。 この失血量ではとても生きてはいられないはずだが、人はどこにも倒れていなかった。 死体なき殺人事件の様相を呈するなか、捜査を進める道原伝吉は、その家に、殺意が潜んでいるのを読み取った……。 「高峰の掟」 豊科署長宛に、「宮坂刑事の妹は『変態教室』というAVに出演している」といった内容の手紙が送られてきた。 名指しされた刑事とその妹は実在し、妹は現在、行方がわからなくなっていた。 刑事課次長から相談を受けた道原伝吉は、東京に出向き、AVの制作会社を訪ねることからはじめた。 思わぬ展開に向かうなか、人情刑事・道原伝吉の胆力は見事であった。
  • 賞金犬
    -
    1巻693円 (税込)
    元刑事が殺された。傍にいるはずの愛犬クロベエがなぜか、消えてしまった――。 その後、獰猛な黒犬が次々と暴力団員を咬み殺す事件が発生。クロベエが復讐しているのか? 切羽詰まった暴力団は黒犬に懸賞金を賭け、クロベエ抹殺に突き進む(表題作)。ほか、「冬に棲む魔性」「炎の河」「石の花」「海の角」「庭師」の5篇を収録。
  • 処刑の家
    -
    1巻682円 (税込)
    千葉県内のゴルフ場のコックとして勤務している堀井勉とキャディーの志穂は、仲良く暮らしていたが、失踪した父の家を相続するにあたり、妹の直美とトラブルになる。 相続問題はどこにでもあるが、姉妹は仇同士のような軋轢を生んでしまう。 そんな折、志穂は何者かによって凌辱されてしまう。まさか妹が仕組んだことなのか? それだけでも深刻な問題だったが、ことは複雑だった。堀井が犯した過失致死事件が絡んでいそうだった。男のロマンとバイオレンスが絶妙な、勝目ワールド全開の長編。
  • 知床岬殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    愛知県警の若手警察官、大鷹鬼平は休暇を取って北海道の知床岬を訪れた。たまたま訪れた港町・羅臼で津具美というホステスと出会う。 津具美にすっかり惚れ込んだ鬼平だったが、なぜか殺人の容疑がかけられることに。 津具美への思いから暴走してしまった鬼平に助けの手を伸べたのは、警察庁の広域捜査官、天才的推理力の持ち主の宮之原昌幸警部だった。 宮之原と鬼平の名コンビの前に、二十七年前の因縁が明らかになる! 傑作旅情推理!
  • 白馬岳 風雪の殺人
    -
    1巻682円 (税込)
    ニュージーランド南島のクック山の登攀に挑戦していた綾部峻に、緊急帰国の報が届いた。友人の北条が後立山連峰鑓ヶ岳での墜死したというのだった。ところが北条の山行計画は北アルプスで、場所も山も違っていた。なぜ、彼は死ななければならなかったのか。なぜ、彼は古くから知られている山行記のコピーを持参していたのか。疑問が渦巻く中、新たな殺人が起きた。綾部は独自に調べる決意をした!
  • 信州・佐渡殺人鉱脈
    -
    1巻682円 (税込)
    生活費と大学の授業料のために住み込みで新聞配達のアルバイトしていた信州大学の学生・青島蕗子が行方不明になった。それはバレンタインデーの夜のこと。彼女は19歳だった。 諏訪署の刑事・道原伝吉は捜査に乗り出すが、彼女は絞殺されていた。付近を徹底的に捜査するうちに、近くの畑から若い男性の刺殺死体が発見された。これは連続殺人なのか、偶然なのか。 道原伝吉は、事件の裏にひそむ複雑に入り組んだ過去と今の憎悪に立ち向かう。
  • 信州春山殺人事件
    5.0
    1巻682円 (税込)
    「本気で人を殺したいの」と、友人の同級生から相談された女子大生の恵理は、困惑と心配の末に、ツテを頼って長野県警豊科署の刑事・道原伝吉に相談した。多感な女性の冗談では済まされない気配を感じた伝吉は、内偵を進める。すると、彼女には思いもかけなかった過去があることがわかった。 同じ頃、山中で男性が殺された。その男の携帯には、「人を殺したい」と告白した女子大生の電話番号が登録されていた。 息詰まる捜査、いくつものどんでん返しに驚愕させられる、見事な推理ストーリー!
  • 新・恋愛小説館
    -
    大好評を博した「恋愛小説館」の続編。というより、新たな極上「恋愛小説館」である。 10の短編は「冬の宴」「白い香り」「緋い石」「陽ざかり」「落葉樹」「枯菊」「即興曲」「ララバイ」「彩雲」「青空」からなり、それぞれが特異な状況に置かれた男女の心理の移ろいを見事に描ききった。 連城三紀彦という、類い希な作家の豊かさや才能が本書に残されている――。
  • 事件の年輪
    -
    1巻682円 (税込)
    定年を過ぎ、人生の終盤にさしかかった男たちに降りかかるさまざまな出来事。記憶の中から蘇る若かった頃のこと、歳を取ったからこそ遭遇すること。物語の中に人生の年輪を重ねた男たちの人生がある。 まだ日本が「戦後」と呼ばれアメリカ軍の占領下にあった時代の事件の真相を死ぬまで語らず抱えたまま最期を迎えようとする男。家族に迷惑をかけたくないと自ら死を選ぶ老人。意外なところで発見された旧制中学の門札にまつわる謎など。軽いタッチで綴られるミステリーながら、滋味深い10の物語。
  • 蛇淫の殺意
    -
    1巻682円 (税込)
    ひどい宿酔で午後3時過ぎに目覚めたとき、探偵の秋津慎平は自分がラブホテルの一室にいることに気づいた。隣には全裸の見知らぬ女が。女と淫蕩な時間を過ごした後、依頼人が待つ日比谷のシティホテルに赴いた。今回の依頼人は女優の伊吹杏子。盗まれた前衛美術家の作品を元の美術館に戻してほしいという仕事だった。たいして難しいことではないと思ったが、美術品を戻した後すぐに男たちに襲われてしまう。しかも伊吹杏子の家出した娘の捜索まで依頼されたことで、大きな謎に立ち向かうことになる。息詰まるサスペンスとエロス。上質のハードボイルド、ハードサスペンス長編!
  • 呪医
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    1巻715円 (税込)
    校庭の橡の木が伐られるとわかったとき、広久少年はショックで倒れてしまった。 伐採当日、現場監督がチェーンソーで足に大怪我を負ったが、広久少年は「自分が引き起こした」と言って行方不明になった。 植物と意志が通じるのか? 樹木に心があるのか? 人間の愚行を植物は防げるのか? 植物の不思議と自然の念力と現実の歪みとが混じり合う壮大な物語――。
  • 人類法廷
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    1巻715円 (税込)
    上高地観光の大型バス3台が銃撃を受け、深い渓谷に墜ちていった。死者105名、負傷者54名という大惨事となった。 犯人は沼田光義。裁判ではしかし、無罪が言い渡された。 法にも社会にも正義はないのか。法は、アルコールに酔っていたという犯人を守るのか。 母と妻娘を喪った真琴悠平は、私的制裁ではなく、思いもよらぬ方法で正義を貫くことを決意した――。 圧倒的な説得力で迫る、西村寿行渾身の長編問題作!
  • 「水晶の印」殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    日本最大の繁華街・新宿歌舞伎町の裏通り。 「初恋の人を探します」とうたって探偵まがいの仕事をしている桐沢香代のもとに、死相をにじませた佐藤志摩子という女性から、水晶の印鑑を贈ってくれた初恋の男性・菱田を探してほしいと依頼があった。 数週間後、富士山の麓の朝霧高原で、男女の心中死体が発見された。 身元がわからなかったが、所轄署では心中事件として幕を下ろそうとしていた。 が、そのニュースを観て奇妙に感じた桐沢香代は、旧知の宮之原警部に連絡を取ると……。 予想外の展開の連続に、宮之原警部も驚愕する!
  • 背中合わせ
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    ふと垣間見せる、日常の中での男の思惑や女の想いが、ふたりの関係を終わらせたり、はじめさせたりする――。 男は浅はかで女の真の考えをすくい取れないのか? 女はどこまでいっても思慮に富んでいるというのか? 男と女、夫と妻の関係の剛さや脆さを描く21の短篇集。 ここまで見事に鋭く日常を切り取れるものか?
  • 鮮血の珊瑚礁
    -
    1巻671円 (税込)
    法律事務所で調査員をしている辻五郎は、妹から、スリランカで行方がわからなくなった恋人の宮内敦を捜してほしいと頼まれた。 二億円のサファイアを持って逃げたのではないかという疑いがあった。そんなことをするはずがないと、恋人の潔白を信じる妹の頼みを断るわけにはいかない。 辻五郎は、スリランカへ飛び、宮内を捜す。足跡が少しずつたどれるようになったところで、スリランカに悲報が届く。妹が事故で亡くなった、と――。 宝石業界の内実、そして社内の派閥争いが浮き彫りになる中、妹の死は、果たして事故だったのか。 エキゾチックな女性が乱舞するスリランカを舞台にした超官能サスペンス!
  • 仙丈岳殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    南アルプスの仙丈岳に登っていた2つのパーティの計5人が、激しい吹雪のなか、仙丈小屋にたどり着いた。 両パーティの食料は底をつきかけていたが、天候の回復は見込めず、足止めをくっていた。そんな状況のなか、新たに雪男と見紛うような大男が、小屋に避難してきた。 大男は、リュックを失い、なにも持っていなかった。5人はその大男のために、食料を供出するばかりか、寝袋まで貸すことになったが、大男は当然の顔で、感謝の言葉すら口にしなかった。 大男さえいなくなれば、生きながらえるのではないか。追い詰められていた両パーティの5人は、思いもかけない決断をする――。
  • 絶叫山脈
    -
    1巻682円 (税込)
    長野県警豊科署に、北アルプスの常念岳で死体が発見さたとの一報が入った。死体には不審な刺し傷があり、転落事故死とは思えかった。 身元を調べるうちに元警察官と判明し、怨恨の線で捜査がはじまったが難航を極めた。迷宮入りも視野に入れなければと内心考えたころ、元警察官と同じ殺され方をした他殺体が発見された。 二人を結ぶ点と線はいったい何か――。山岳ミステリーの旗手が、人間の心理を丹念に描いた渾身のサスペンス。
  • 前夜祭
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    どの夫婦にもありそうな秘密、浮気、不倫を描きつつ、そこに横たわるミステリアスな側面を見事にあぶり出した短篇集。 夫と妻って、きちんと向き合ってもややこしくなるのに、そこに姑や小姑が加わったらどうなることか。男と女、夫と妻の心の襞にひそむ愛と憎しみが、予想外のとんでもない結末を運んでしまう……。せつなさとため息と感動の八つの作品。
  • 双頭の蛇
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    1巻693円 (税込)
    夫婦にとって長年念願だったマンションを手に入れた。しかし、幸せは長くは続かなかった。隣室の男の目に見えない嫌がらせは日を追うごとに狡猾で大胆になっていく。 可愛がっていたカナリアがベランダで死んだのは、隣家が猫にそう仕向けたせいに違いなかった。さらに、愛する妻に向ける変質的な視線は許しがたいものとなった……。 人の心に潜む悪鬼を炙り出す、西村寿行渾身の短篇の数々――。
  • その傷口を刃で飾れ
    -
    1巻682円 (税込)
    不倫相手の医師とともに、自宅前で突然襲ってきた少年に軟禁された看護師の則子。少年院から脱走してきた少年は、金の工面のために医師の沢田を外出させるが、人質となって残された則子の心は猜疑に揺れはじめる(「ブラック・モーニング」)。他、「750cc心中」「しらけ鳥のブルース」「盗まれた夜」「汚れた夜の夜想曲」「誘惑の紫陽花」「青い鳥のエレジー」「ジグソーパズル」「下在の譜」の9編を収録。 男と女の不可思議な心の揺れを巧緻に描く、繊細なハードサスペンス作品集。
  • たそがれ色の微笑
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    竹内は担任教師の小林から、同じクラスの野川靖子との交際は控えるべきとの指導を受けた。そんな事実はないたので戸惑っているところへ、今度は当の野川靖子からは、教師にちょっかいをだされて辟易しているから、交際しているフリをしてくれないか、と頼まれた。仲睦まじいところを小林に見せつけるうちに、なにかがおかしくなっていく……(「落ち葉遊び」)。ほかに「たそがれ色の微笑」「白蘭」「水色の鳥」「風の矢」。全5篇、連城三紀彦の企みに感嘆――。
  • 立山雷鳥沢殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    日本三名山に選ばれている立山でドラマの撮影中だった主演の女優・串田加緒里が殺害された。 めきめきと人気の出てきていた加緒里は長野県警大町署の刑事・串田正義の妹だった。 正義は山行中に何者かに突き飛ばされて身の危険を感じていたことが二度もあった、と妹から聞いていた。 正義はかつての同僚で豊科署の刑事・道原に相談をしていた。そんなさ中の事件だった。 何人かの容疑者が浮かび捜査が難航するうちに、彼らの父親・串田光正も殺害されてしまう。 事件は串田家への怨恨か? 捜査すればするほど、真相は深い謎の中に封じ込められるかのように思えた。 だが、執念の刑事・道原伝吉はわずかな手がかりから犯人を追い詰めていく。 長野県警の人情刑事・道原伝吉シリーズ。
  • 丹後浦島伝説殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    29歳になる仙道千紘は、子ども頃に好きだった日本海にそそぐ由良川の中州に出かけた。そこで見知らぬ女性から、父の会社の名で出された奇妙な秘書募集広告を手渡された。千紘の父は急成長中の会社社長で、三年前に母が亡くなった後は独身を通していた。 その夜、父に秘書募集について問いただしたが、調べてみると言い残して出かけた父は死体となって発見された。時を経ずして、父の再婚相手と名乗る女性が現れ、莫大な遺産を巡る奸計の影がちらつきはじめた。警察庁広域捜査官・宮之原警部は、千紘とともに犯人捜査を開始し、全国を走る。長編旅情ミステリー。
  • 大雪山殺人事件
    5.0
    1巻682円 (税込)
    小学生が遠足で訪れ、カップルがデートにやってきていた大雪山系旭岳では、チングルマ、エゾコザクラなどが咲き誇っていた。 霧が深くなる中、熊が突然現れ、女性を襲った。霧が晴れると、女性は無惨な姿で発見された。 事故と思われたが、解剖の結果、殺人の可能性が高いことがわかった。 容疑者として北海道警が睨んだのは、当然、一緒に登山にやってきた婚約者だった。 だが、彼には崩せそうもないアリバイがある。 北海道警の刑事たちは、アリバイを崩せるのか。忍耐の捜査がはじまった。
  • 誰かが眠れない夜 私立探偵  伊賀光二の仕事術
    -
    1巻682円 (税込)
    私立探偵・伊賀光二。ハードな事件によって左右の手の小指を落とされるという報復にあう。 ある日、趣味の裏ビデオの鑑賞をしていた。画面には、切れ長の目で長い睫毛の女が本番を繰り広げていた。 その時チャイムが鳴り、仕事の依頼が飛び込む。依頼人は今まさに“鑑賞”していた本番女優だった。 坂部順子と名乗る女は「父親を捜してほしい」という。元刑事で伊賀と同業の私立探偵の父親は、調査中に別の事件に巻き込まれたらしい。 話を聞いた直後、すぐに手を引けという脅迫電話があり、行方不明になっている坂部の探偵事務所を訪れた帰り、三人組に襲われる。 またハードな事件に巻き込まれる予感を感じながらも、伊賀は若くて美しい女の頼みは断れない……。官能色豊かなハードボイルド探偵小説。
  • 地下山脈
    -
    1巻682円 (税込)
    北アルプス常念岳で登山者が行方不明になった。捜索にあたった山岳救助隊は、稜線から100メートル下った樹の根元で遺体を発見した。奇妙なことに遺体の周辺には、たくさんの足跡が残されていた。死因は凍死のようだったが、不審を抱いた刑事は遺体を解剖に付した。その結果を見て刑事は仰天した
  • 血と闇
    -
    1巻671円 (税込)
    表向きは配管の仕事をしている甲田孝之だが、実は強盗の常習犯であった。しかし、クラブホスステスと美緒と出会ってからは、裏の仕事を止めていた。愛する美緒のためにも、真っ当に生きようと心に決めたからだった。 ところが、真面目な生き方を許してくれないヤクザが現れた。美緒の元彼だった。そして、手を切らせたければ、強盗の仕事をしろ、甲田に持ちかけたのだ。 愛する女のために、甲田は決意するが……。驚愕の展開が、待っている!
  • 血の残像
    -
    1巻682円 (税込)
    教え子だった女に手をつけた「ツケ」は、こんなにも惨いものだったのか――。 女子大の講師であり、評論家としても名をあげてきた三隅は、車の中で、元教え子との濃密な時を過ごしていたが、暴漢に襲われてしまう。自分の弱さに怯え、名声に傷がつくことを恐れた三隅は、抵抗することなく、いわば、暴漢に自分の愛人を差しだす形をとってしまった。それが脅迫という形になって返ってくるとは……。表題作の「血の残像」をはじめてして、いずれも巧妙などんでん返しが待っている。ハードな官能、ミステリー、バイオレンスが融合した10作からなる短編集。
  • 血の中の砂漠
    -
    1巻715円 (税込)
    不倫の成就のひとつの形がここにある――。 建材メーカーの塩沢工業にとどまらず、タクシー会社の社長を兼務することになった企業戦士の塩沢敏郎。 社員に畏怖の念をもたれながらも、バランスのとれた経営手腕を振っていたワンマン社長・塩沢の心に、美貌の白川枝里子が忍び込んだ。 枝里子にのめり込み、愛を注ぐ塩沢。それに応える枝里子。 ふたりの大人が行く着く先では、何が待っているのか。山岳推理の第一人者が渾身の力で描いた大人の物語――。
  • 血の雪崩 長野県警豊科署 道原伝吉刑事 徹底捜査編
    -
    1巻682円 (税込)
    北アルプスの岳沢で、息子が雪崩に巻き込まれたとの報せを受け、冬山登山経験の豊富な父の中尾英助はただち救助に参加した。 夜になり、捜索はいったん打ち切りとなり、テントを張った。 翌朝、再開のはずだったが、中尾英助はテントの中で刺殺されていた。 捜索に参加した全員がシロとの判断が下される中、豊科署道原伝吉刑事は被害者のずさんな女関係に、事件の真相があるのではないのかと睨んだ……。 表題となっているこの「血の雪崩」のほか5つの短編からなる。 道原伝吉の、真実を見つけ出そうと不断の努力をつづけ、事件にひたむきに向き合う彼の姿に痺れるだろう。
  • 恥部
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    1巻682円 (税込)
    犬塚誠は弟分の荒木欣也と恋人の松川奈保子と組んで、盗んだ車を使って強請りを繰り返していた。 強請りを成功させた夜、ふたりは路地から飛び出してきた中年男を撥ねてしまい、それを偶然目撃した柳井純子を車ごと拉致することに。 ところが純子から、自分を裏切った恋人の人気作家・仙波明彦から大金を巻き上げるという狂言誘拐を提案される。 順子は仙波の2つの秘密を握っていた。 緊迫の狂言誘拐は成功するのか? 多視点からの構成が緊迫感を織りなす傑作ハードバイオレンス。
  • 中央アルプス殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    うら若き雑誌記者の行方不明から事件ははじまった。 彼女の足跡を導くのは湖の畔に佇む謎の美女、その果てに中央アルプスで山男がつづけて殺害される。 思わぬ人間模様が明らかになるにつれ、姿を見せぬ殺人者が徐々にその正体を現していく。 信州の大自然を汚す人間の欲望を描いた長編山岳ミステリー。
  • 鳥海山殺人渓谷
    -
    1巻682円 (税込)
    警視庁捜査一係の白鳥刑事、同じく一課の河津貴子、第十交通機動隊の月村修の3人は、中央アルプスの宝剣岳に登っていた。 4月ではあったが、山には雪があった。 登っていた者たちの耳に、空気を裂く音が届いた。その直後、雪が動き、雪崩が発生した。 警視庁の3人は危うく難を逃れたが、4人が死亡した。 空気を裂く音は、銃声ではなかったか? その振動が雪崩を引き起こしたのではないのか。 雪崩被害の当事者となった捜査一係の白鳥刑事は、月村修をしたがえ、地道な捜査に乗り出す――。 白鳥、月村の絶妙コンビが追う、長編山岳ミステリー。
  • 津軽りんご園殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    東京の下町、亀戸天神の近くで青森県津軽から出稼ぎに来ていた男が殺害された。遺骨は妻に抱かれ同じ村の芹沢の付き添いで地元に戻った。 その通夜の晩、吹雪の中、今度は芹沢が行方不明になり、翌日800キロも離れた静岡県の富士山の見える場所で遺体として発見された。 同じ村から東京に出稼ぎに出ていた男が連続して殺害され、東京・青森・静岡にまたがることから、広域捜査官・宮之原警部が乗り出した。 事件の裏にはりんご園をつぶしてのリゾート計画が絡んでると思われたが、果たして……。
  • 燕岳 殺人の暦
    -
    1巻682円 (税込)
    北アルプスの燕岳で刺殺死体が発見された。 健康保険証から身元はすぐに判明したが、不明なことがあった。どういうわけか、11年前の冬に亡くなった女性についての新聞記事の切り抜きを持っていたのだ。 なぜ、男がその切り抜き記事を持っていたのか。長野県警豊科署の道原伝吉刑事は、過去の事件を徹底的に捜査するうち、北アルプスでの遭難事故が絡んでいることをつかんだ。 犯罪とは無縁のごく普通の人が、憎悪と欲に取り憑かれていく様が見事に描かれた見事なミステリー小説!
  • 貞操試験
    -
    1巻660円 (税込)
    ある金融業者のオフィスに男女五人の若者が呼び集められた。この会社の事業と財産2億円を譲るというのだ。 しかし条件があった。それは今付き合っている恋愛関係を清算し、この先1年間特定の男女の関係を持たないことなど、条件は奇妙なものだった。 巨額に目が眩んだ5人は互いに相手を引きずり降ろそうと動き、激しい駆け引きをはじめた。 奇抜な発想に深い味わいが横たわる、不思議なサバイバル・ミステリー。
  • 出羽三山殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    大手食品メーカーにかかってきた突然の脅迫電話がかかる。「明日の二時までに十億円を用意しなければ、菓子を食べた人が死ぬ」 現金を輸送するため者として、犯人に指名されたのは、営業部員の三崎だった。 三崎と社長室員の小舟春美は、東京から山形の月山へ現金を車で運ぶことになった。 途中、同行していた小舟春美が姿を消してしまう。彼女の捜索のさなか、地元警察は出羽三山神社裏で男の死体を発見する。 事態は脅迫事件に殺人が加わったことで混沌とし、三崎までもが疑われてしまう。 三崎は自らの潔白を証明しようとするが、彼には後ろめたい過去があった。 東北の霊山で、過去と現在が交錯し、欲と裏切りが入り組む。息詰まる展開がつづく長編山岳ミステリー。
  • 凍血樹林
    3.0
    1巻660円 (税込)
    ちょうどその日、冬の上高地で、カラマツの木に寄りかかるようにして立つ、氷に閉じ込められた遺体が発見された。いったい誰が、手間をかけた遺体をつくったのか。警察官の妻の射殺と関連ははたしてあるのか。稀にみる難事件に、長野県警豊科署の道原伝吉が挑む!一月下旬の朝、警視庁刑事の妻射殺事件のニュースで持ちきりだった長野県警豊科署に「妙な遭難者を発見」の通報が入った。現場は上高地の小梨平。遭難者は若い男性で、氷柱の中に閉じ込められた形で木の幹に添って立っていた。所持品から身元は割れたが、脇腹を二か所刺されていたため他殺と断定、殺人事件へ。手がかりも殺害動機も掴めず、捜査は難航。担当の道原伝吉刑事も、これだけ犯人像が浮かばない事件も珍しい―と。山岳ミステリーの第一人者・梓林太郎の渾身作。
  • 遠山郷 雲海の殺人
    -
    1巻682円 (税込)
    長野県安曇野の秘湯、中房温泉の宿から泊り客の行方不明が報告され、翌日転落死体で発見された。 死体で発見されたのは同じ長野県の南信州の標高1000メートル以上の山村に東京から移り住んだ男だった。 男は妻と次女を東京に残し、問題を抱えた長女を山村の「寮」に“留学”させていた。 転落事故死かと思われたが、偽造された遺書、不思議な記号が書かれた地図らしきものなど、不審な遺留品が見つかった。 安曇野署の刑事・道原伝吉は殺人の疑いを強くし、記号はラブホテル、巨大な歓楽街・新宿歌舞伎町ではないかと目星をつける。 新宿署の協力を得て捜査を開始するうちに、歌舞伎町を舞台にしたドロドロとした人間関係や、東京と信州を結ぶ因縁が見え隠れしてきた。
  • 時の報酬
    -
    1巻682円 (税込)
    ブティック七店とレストラン三店を経営し、不動産業にも手を出している凄腕の経営者・池沢久夫に、不気味な電話がかかってきた。 相手にしなかったが、その得体のわからない相手は、ブティックに現れ、店員にわかるように万引きをした。 単なる万引き犯でないことは明らかで、池沢は急ぎ、店に向かうことにした。案の定、万引き犯は見知った顔、武原耕司だった。 武原の出現は、池沢にとってやっかいだった。凄腕の経営者になるためのとっかかりの金の工面に、武原は深く関わっていたのだ。 池沢はネチネチと絡んでくる武原に、どうやって対処するのか。男としての本当の真価が何かを問う!
  • 独眼竜政宗秘話 殺人事件
    -
    1巻693円 (税込)
    仙台市内の住宅が、突然、陥没した。そこはかつて採掘されていた亜炭の坑道跡だったらしい。 当初は事故との判断だったが、住宅に暮らしていたのはふたりなのに、遺体が3体見つかったことから、殺人事件になった。周辺への聞き取りで、爆薬の臭いがしたこともわかった。 捜査に当たることになった宮城県警捜査課の呉竹緑は、陥没した住宅が伊達政宗に仕えていた武士の屋敷だと知る。歴史の因縁を感じ取った呉竹緑は、旧知の宮之原警部に応援を依頼するが、第二の殺人が起きてしまう。宮之原警部は歴史の街で、絡み合った複雑な思惑をどのようにほぐし、事件解決するのか――。
  • どこまでも殺されて
    -
    待望の連城三紀彦作品! 「どこまでも殺されていく僕がいる。いつまでも殺されていく僕がいる」。 7度殺され、8度めの殺人が間近にある、という手記。そして、高校教師の元に、「僕は殺されようとしています」というメッセージが届く。これは現実の犯罪なのか、悪戯なのか。僕とは犯人なのか、被害者なのか? 周到に埋め込まれたいくつもの伏線と展開が待ち受ける驚愕の本格推理エンターテインメント!
  • 長崎オランダ坂殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    冷たい雨が降る深夜、大手不動産会社社長の一人息子であり、同社専務の高部智彦の運転する車がトラブルに巻き込まれた。先方のあおり運転が原因だった。喧嘩の末、高部の子を身ごもっていた野々宮規子が命を失った。傷害致死の罪で喧嘩相手の柴野省平という男が逮捕されたが、もしかしたら高部が仕組んだ殺人なのではないか――と、規子の姉・野々宮奈緒美は考えずにはいられなかった。相談を受けたの宗像光生弁護士は真相を求めて動くが、関係者が轢殺されてしまう。『紅の殺人海溝』に続く、弁護士・宗像光生シリーズ第2弾!
  • 奈良いにしえ殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    節分の夜、奈良の春日大社、万灯籠で目撃されたのを最後に、OL久美子が行方不明になった。後日、失踪直前まで一緒にいた友人・蔦沢智乃に電話が入り、吉野川上流の大迫ダムで遺体が発見されたが、それが久美子だという。久美子の意志による家出や失踪ではなかったのだ。 その後、なぜか、久美子が所有する代官山の超高級マンションが売却され、銀行の貸金庫からは国宝級の宝物が紛失してしまう。捜査にあたった奈良県警では事件解決の糸口すら見つけられず、宮之原警部が乗り出すことになった。 宮之原警部がいかにして事件の核心に迫っていくか――。久美子の友人・智乃を助手にした宮之原警部の推理と洞察力が冴え渡る!
  • 奈落
    -
    1巻660円 (税込)
    男は小劇団の人気脚本家。女は、両親を俳優にもち、自らも地道に活動をつづける女優。 脚本家が年上の女優に抱いた好意と好奇心が、数十年に渡って隠されてきた女優の秘密をあぶり出すきっかけとなった。 女優は少女の頃、営利誘拐されていた。あまりのショックに何も覚えていないようだったが、それでも脚本家はしつこく探っていく。 その先に現れる秘密は、女優と脚本家を幸せにするのか? 意表を突くストーリー展開と凝りに凝った構成は極上。岡江多紀による意欲に満ちた初期サスペンス&ミステリー!
  • 逃げる女
    -
    1巻671円 (税込)
    「奇妙な小説ですね」と、初掲載した小説誌の担当編集者が思わず唸ったという稀な作品。 主人公は湯佐稔、そして三年前に離婚して湯佐の元を去った佳奈子。彼女は娘とともに別の男と暮らしはじめていたが、どういう理由か、娘を置いて家を出てしまった。それを知った元夫の湯佐は、心の呻きに従い、元妻の行方を追い始める。 元妻は何から逃げ、何を怖れ、何を求めたのか。女の思考の神秘を追う大胆なエロス&サスペンス!
  • 西穂高殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    西穂高独標付近で倒れている男が発見された。当初は遭難と思われたが、遺体にはアイスピック状の刺し傷があったため、殺人事件と思われた。 長野県警豊科署の人情刑事・道原伝吉も、不自然な現場を目の当たりにして、殺人事件と考えた。 殺害された被害者の身元を調べていくと、かつて働いていた一流企業を同時期に辞めた男も、南アルプスで殺害されるという事件が起きた。 その被害者も、アイスピック状の凶器に倒れたと判明し、ふたつの事件は同一犯によるものであろうと推測された。 伝吉はふたりの被害者の足跡を追い、隠されていた共通項を見いだし、犯人に近づいていく!
  • 日曜日と九つの短篇
    -
    故郷に帰って後妻になると決めたホステスの仲子は、東京で既婚者の浦上とデートしたのだが……(「日曜日」)、 やくざと交際をはじめたらしい店のホステスを見守る萩江は、20年前の自分を重ね合わせていた(「裏町」)…。 代表作『恋文』の直後に書かれ、さまざまな男女の機微をあざやかに描いた10篇を収めた短篇集。男と女が交錯する人生とは、なんと滋味深く、愛しいものか――。
  • 人間の十字路
    -
    1巻715円 (税込)
    あり得ないほど見事なまでに、特異な短篇集だ――。北アルプス山麓の村で、若者の失踪が相次いだ。究明のために訪れた法師の伊良加は、そこに強烈な霊気を感じ取り、挑んだがはかなくも敗れてしまう。そこで頼ったのが、高僧の紹運だったが、はたして、どうなるのか……。(「情鬼の邑にどらわれし女の物語」より)。九つの短篇すべてが「~~の物語」と題され、全編に描かれる異界と現実の交錯には嘆息――。
  • 野麦峠殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    人気女優の仁科奈津子は、記者会見を開いて重大発表をした。世間を揺るがせたその発表後、映画のロケの予定だったが、彼女は現れなかった。 首を吊っていたのだ。テレビリポーターの連城蘭は、自殺とされた警察の結論に疑問を抱き、取材と称して独自に調べていく。 行き詰まりを見せるなか、警察庁広域捜査係の宮之原警部が乗り出す。だが、政権政党の政治家が絡み、宮之原警部も窮地に追い込まれる――。
  • 背徳の山嶺
    -
    1巻682円 (税込)
    大規模な建設工事着工前に行われる環境調査を主業務とする会社社長の松宮達行は、寝汗をかくほどの不吉な予感に襲われていた。 予感が的中したかのように、家族が食中毒で入院することになる。その数日後には、松宮自身が交通事故に遭ってしまう。運転者はわからずじまい。轢き逃げだった。 いくら考えても、生命を狙われる覚えはなかった。それだけに、不幸な偶然が重なっただけとも思えたが……。 悪意をぶつけられた者は、どうやって切り抜けるのか。スリルに満ちた長編推理!
  • 博多大花火殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    警察官らしからぬパンチパーマでキメている大鷹鬼平に、10代の少女・高瀬千津琉から相談が持ちかけられた。 10日後に開催される全日本花火コンクールに、事故で亡くなったはずの花火師の兄・敏彦が参加するという。 単なる嫌がらせかと思われたが、そのコンクールでは、敏彦が研究を重ねてきた幻の花火「雪月花三段開き乱れ咲き」を打ち上げるという。 敏彦しか作ることができないはずの幻の花火。はたして、亡くなったはずの敏彦がつくあげたものなのか。 鬼平は、有給休暇をとり、自費で花火大会が催される博多へ飛ぶ。 留置所の看守をする警察官・大鷹鬼平が職務を離れて事件を追う人気シリーズ!
  • 萩・西長門殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    椎名紗智は恋人ともに、日本一美しい海と称せられている萩から西長門を旅していた。笠山半島の虎が崎で、偶然にも中年カップルを目撃したことで、殺人事件に巻き込まれていった。 ひなびた田舎の土地での大規模な観光開発がからんでいるのか、それとも、怨恨なのか。 警察庁遊撃捜査係の宮之原警部が、欲と憎悪の深層を追う!
  • 白銀の暗黒
    -
    1巻682円 (税込)
    読み応え十分の5つの中編ミステリーからなっている。 表題となった「白銀の暗黒」は、北アルプスの屏風岩で転落死した登山者のテントに、別の登山者の凍死体が発見されたことが事件の発端となった。 「潜伏」では、自分のミスから若い女性を死なせたことから責任をとって辞職した元刑事が、数十年後、死の予感の中で、迷宮入りとなったその事件に、鋭い推理を働かせる。 「弱味」は、6千万円を持ったまま行方不明になった不動産会社社長の行動を追ううちに、忌まわしい過去をあぶり出していく。 「岩尾根の告発」では、ピッケルを間違えてられた若者に悲劇が襲いかかる。 「雪の蝶」では、記憶喪失になった男が、蝶を描くことだけはできるということを知った長野県警豊科署の道原伝吉の見事な推理が冴え渡る。 「避難命令」では、雪山の小屋から署に犯人移送をはじめた伝吉たち刑事の危機を描く。 梓林太郎が、巧みで、力強いことをあらためて知らせている。読後感は清涼だ
  • 函館殺人事件
    -
    1巻693円 (税込)
    元風俗嬢という異色の経歴をもつ四宮沙奈江が、公家の家に生まれた優男・警視庁捜査一課の桜小路資朝(さくらこうじすけとも)刑事を相棒にて、難事件に挑む! 浅草の旅館で若い女性が焼死するという「能登三十六歌仙殺人事件」では、沙奈江は現場から消えた中年男性のこと以上に、被害者の女が燃えさかる炎から守り通した貝殻と西行の歌に着目し、担当刑事となった桜小路の尻をひっぱたくようにして、手掛かりを追って能登に飛んだ。おっとりてしている恋人の刑事を尻目に、沙奈江は鋭い推理によって犯人に迫る! 男を手玉にとる術を知る手練れの女でありながらも、恋人にはウブな少女になってしまう美女だった!
  • 八甲田山死の誘い
    4.0
    1巻682円 (税込)
    明治35年、吹雪の八甲田山で、訓練中の部隊が遭難事故を起こした。死者199名。世界の山岳遭難で最悪の事故である。 その事故の現場に挑もうと、一組のパーティが八甲田山に入った。 その日もやはり吹雪だった。そして彼らもまた、遭難してしまった。 4人のパーティが遭難し、3人が死亡。しかも、生き残ったひとりが帰途の車中で殺害されてしまう。凶悪でありながら謎の深い山岳事故の真相に、警視庁捜査1課の白鳥刑事と月村巡査コンビが迫る!
  • 八方尾根殺人事件
    3.0
    1巻682円 (税込)
    北アルプスで起きた2件の遭難死亡事故は、殺人ではなかったかとの投書が、長野県警刑事部「特殊犯罪捜査室」に寄せられた。 捜査をはじめてみると、明らかにおかしな点が出てきた。 同じ人物のパートナーが遭難していた。 彼らは、親しいつきあいをしていたわけでものに、北アルプスに向かったのだ。 これは事故なのか、事件なのか。刑事たちの地道な捜査がつづき、少しずつ真実が明らかになっていく。 驚愕の結末は、予想できないものだった。
  • 果てなき死線
    -
    1巻682円 (税込)
    平凡な男が、暴力団組長の娘の誘拐を企てた。 ごく少額だった闇金融での借金が法外な利息によって膨れ上がり、家をとられ、妻は自殺し、娘二人も苦界に沈んだのだ。 サラリーマンだった男の目的は、復讐あるのみ。それこそが、ひとり残された夫・父としての存在証明となるのだ。組長の娘の誘拐に成功したものの、その現場には、かつて三木の組に籍をおいていた馬場豊が犯行を目撃していた。その馬場もまた、組長への憎悪に燃えていた。 交わるはずのない二人に、復讐という同じ目的から奇妙な友情が芽生えていく。心にしみるバイオレンス!
  • 花舞台殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    大衆演劇出身の人気俳優・鈴鹿進一郎はかつての兄貴分、姫川初太郎の座長旗揚げ公演に参加のために大分県日田に向かっていた。途中、福岡県飯塚で公演中の香椎研二郎一座を尋ねたことから、連続殺人事件に巻き込まれる。 予告された香椎座長殺害がその日のうちに実行され、翌朝尋ねた姫川の瀕死の状態にまで遭遇する。二つの殺人事件現場にいたことから鈴鹿は福岡県警の警部・久住院から疑われる。 香椎の娘で一座の女優・希代美、謎の女・城ケ崎淳子がからみ事件は複雑化していく。著者の初期旅情ミステリーの力作。
  • 針ノ木岳殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    新宿駅西口の飲食店街「思い出横丁」にある小さな食堂の店内で、ゴールデンウイーク明け前日の朝に、登山者と思われる服装をした男の刺殺体が発見された。 所持品の中に長野県警豊科署の刑事・道原伝吉という名刺が入っていたことから、男は日東自動車に勤務している相沢敬三だと判明する。 相沢は、数日前に後立山連峰の針ノ木岳という山で刺殺された、同じ会社の梅津文大と交友関係があった。 ふたつの殺人事件の関連を、道原刑事は追い始める。長編山岳ミステリー。
  • 秘花〈上〉
    -
    1~2巻693円 (税込)
    中学生の娘・水絵から思わせぶりな物言いで、電機メーカーに勤めている父・小橋行広が浮気していると、母・知子に伝えたのだった。 はたして本当に浮気しているのか、中学生の娘に何か思惑があって嘘をついているのか。 懊悩する母をさらに混乱させるかのように、娘は思わせぶりな言動をつづける。それを裏打ちするかのように、夫が不審な行動をする。 母・知子は真実を突きとめようとするが、事態は、思わぬところに向かっていく――。
  • 飛騨岩稜殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    北アルプス涸沢岳西面の岩稜ルート、通称「飛騨泣き」で中年男性の死体が発見された。遺体の腹部は横一文字に切られていたことから、転落死ではなく、他殺と断定し、捜査を開始した。 長野県警豊科署の道原伝吉刑事は東京に出張し捜査を開始するが、手掛かりは得られない。捜査に行き詰まり感がではじめた頃、同様の切り傷をつけた殺人事件が発生した。 点と点はつながるのか。連続殺人ではないのか。道原伝吉の地道な捜査と、透徹した眼力で、殺人の深層をえぐり出していく。人情刑事・道原伝吉の山岳長編ミステリー。
  • 飛騨高山祭り殺人事件
    -
    1巻693円 (税込)
    飛騨高山の老舗料亭の息子は、東京でプロカメラマンとして成功を掴もうとしていた。そんな折り、実家の依頼という弁護士が訪ねてきて、今後一切、実家の料亭に関する権利を放棄してほしいと言って、五千万円の小切手を提示した。その後で、父親が事故に遭って亡くなったと告げた。 伝える順序が違うのではないか? 高山に住む妹夫婦は何をてしいるのか? 父の死をなぜ伝えてこなかった? 実家で何が起きているのかを確かめるため、息子は急遽、高山に向かった――。そこでは、思いもかけない重大事が連続して起きていた!
  • 皮肉な凶器
    -
    1巻671円 (税込)
    成田信夫に会社の同僚・盛岡精一が頼んできたのは、ゴルフの雑誌社が主催するゴルフコンペに身替わりとして参加してほしいということだった。腕に少々自信のある成田は、優勝賞品の高級ゴルフクラブに惹かれて頼みを聞き入れることにした。翌日、成田は盛岡の出社を待ったが現れない。いったい盛岡の身に何が起きたのか……(表題作の「皮肉な凶器」)。 「損な役割」では、高校時代からの同級生八重沢から、秘密の頼み事をされた遠野の顛末が描かれている。八重沢は不倫をしていたが、夫にバレてしまう。話し合いの席をもうけることになったが、身替わりとして遠野に出てほしいというものだった。慰謝料として百万を携えていった遠野がそこで見たものとは……。 もっともっと評価されるべき作家・佐野洋の、身替わりを材にとった凝りに凝ったミステリー7編。
  • 百万塔伝説殺人事件 警察庁 宮之原警部 東北旅情難解ミステリー長編
    4.0
    1巻682円 (税込)
    岩手水沢の日高火防祭りを見物のために東京から訪れていた緒方に、見知らぬ男が突然、風呂敷包みを渡して走り去った。 一緒だった恋人の飯島晶絵は、不安になり、そんなものは警察に届けるか、ホテルか駅のコインロッカーに置いてきてしまえばいい、と言ったが聞き入れられなかった。 不安は的中した。 翌日、渡した男が死体で発見され、渡された緒方にも不幸が……。 捜査をはじめた警察庁の宮之原警部は、これは古美術にまつわる事件と看破したが、思いもよらぬところまで向かう難事件となる。
  • 憑神
    -
    1巻693円 (税込)
    ネズミの異常繁殖によって、北海道大岳町の住人は恐怖の中で生活していた。そんな事態を解決するために、金融業の青江が鼬(イタチ)が町に放った。思惑どおりにネズミの被害は減ったが、錦鯉が喰われたり、鶏舎が襲われたり、乳児が噛まれるという、新たな緊急事態が起こった。鼬の増えすぎたせいだろうと思われたが、警視庁から警察庁に配転された徳田左近は、別の見方を持って、北海道に向かった(「憑神」)。ほかに「幻獣」「禁呪」。 人間の深淵を描く著者の力作全3篇!
  • 広島水の都殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    最先端のバイオ技術の研究に取り組むバイオセラピー社の社長・久枝治臣が、広島のホテルの浴室で死亡しているのを発見された。 広島県警は自殺と断定したが、娘の晴香は信じなかった。父に自殺する動機がないと訴えても、広島県警の刑事たちに信じてはもらえなかった。 助けを求めたのは、警察庁の広域捜査官の宮之原警部だった。 調べを進めると、欲深い政治家や企業が、バイオセラピー社の技術に群がっていることがわかった。はたして、本当に自殺だったのか、自殺と偽装した他殺だったのか。宮之原警部は、核心に迫っていく。
  • 美幌峠殺人事件
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    1巻671円 (税込)
    北海道の石北本線にD51二重連結機関車が走るという企画に、撮り鉄が撮影ポイントに集まっていた。偶然にもそこで撲殺された遺体が発見された。 被害者は、前夜に北見市のバーに出かけたという美幌町の酪農家だった。 容疑者として、被害者が訪れていたバーのママが浮かびあがった。そのママには、11年前にも殺人事件の容疑者になっていた。 その美貌のママは、警察庁の宮之原警部に助けを求めたのだ。 はたして、ママと宮之原警部との関係は? 被疑者と関係のある宮之原警部に事件の究明はできるのか?
  • 復讐の狂炎
    -
    1巻682円 (税込)
    親友と思っていた出世が早い同期入社の男に蔑まれ、侮辱の言葉を投げつけられたら、サラリーマンはどうしたらいいのか? 上司の策略で左遷させられても、黙って従うのがサラリーマンなのか? 地方に飛ばされている間に、妻に浮気されたサラリーマンは、子どもや家庭のために見て見ぬフリをすべきなのか? 本書の中編4本に、それらの答が描かれている。 悔しさと悲しみを堪えるばかりが正しいことではない。不誠実な者たちに、冷徹に鉄槌を下す。怯まずやり抜くその胆力と正義感が、正しいサラリーマン人生に導く――。
  • 不逞の輩 退職者たち
    -
    1巻660円 (税込)
    サラリーマンは会社では没個性を良しとして生きているが、それはあくまでも会社での顔である。 彼らの素顔があらわになるのは、定年退職した時だ。 自分はどうやって生きていけばいいのか。社会との関わりをどうやって維持していこうか。いっそ、世の中に背を向けて生きていくことも可能だろうか。 退職者たちは、生き方を探りながら恐る恐る一歩を踏み出す。 けれどもそこで待ち受けているのは、安全な地ばかりではない。落とし穴や底なし沼かもしれない。 退職がきっかけとなって起こる悪意や殺意を見事に描いた短編9作品!
  • 冬の巡礼
    -
    1巻715円 (税込)
    おふくろに届けてくれ――。 坂倉博光は、謎の言葉を遺して突然亡くなった。 託されたのは位牌。同僚の鈴木克宏は、途方に暮れながらも、坂倉の故郷・高山に向かった。 鈴木は自分の行動を、お人好しの男の善行と考えていたが、思いもよらず襲われてしまった。 これは坂倉がもたらした災厄なのか、位牌に秘密があるからなのか。鈴木は危険を承知で、謎を追う――。
  • 「冬の蝶」殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    はじまりは、セクハラの告発だった。 温泉宿に社員旅行にいった医療機器販売会社の男子社員が、女子社員の入る女風呂を覗いた。覗かれた女子社員は新聞社に告発文を送ったため、内部でうやむやにならず、マスコミが連日大きく取り上げた。 責任をとる形で、覗きを主導した社員と、東京支社長の西野が左遷された。左遷先への赴任当日、西野は新幹線には乗ったものの、京都支社に顔を見せなかった。1週間近く後、静岡県掛川市の山中で発見された。 人望があり、尊敬する父が殺されたことに、遺された娘の奈穂は納得かいかず、少しずつ調べはじめた。そこに宮之原警部が加わり、事件の裏に、奈穂の想像もつかない闇が広がっていたことがわかった……。
  • 富良野ラベンダーの丘殺人事件
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    1巻671円 (税込)
    天才調香師との呼び声の高い矢代幸生が、新たな香水を創り上げると同時にイタリアで失踪した。 恋人の柳井悠が心配のあまりイタリアに飛ぶと、同じタイミングで、失踪したはずの矢代が帰国した。 だが彼は、北海道の富良野で惨殺されていた。そしてそこには、まったく新しい香水の匂いが残されていた。 調香師を殺害したのは誰か? 世界のファッションメーカー、化粧品メーカーが欲しがる香水と調香表は、どこに行ったのか? 警察庁でただひとり捜査の任を受ける宮之原警部が、北の大地で核心に迫る!
  • 不倫の報酬
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    1巻682円 (税込)
    義母が亡くなった。北軽井沢の林道に駐めた車の中で。自死というが遺書はなかった。 義母と秘かに深いつながりのあった息子は、義母の自死に納得できず、行動に出た。真実を突き止めることが義母への愛の証だという思いもあった。 母には、家族には秘密があることがわかった。莫大な借金、そして不倫。だとしても、納得できない。息子はさらに行動した。 本書は、自死の母について、義理の息子、不倫相手、そして息子と関係をもった義妹、それぞれの視点から描く。構成の妙に加え、官能を色濃く敷き詰めることで、それぞれの身勝手さを浮き彫りにし、ひとりの女の自死の不条理さを浮き彫りにする。見事な作品。
  • フリーズ
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    1巻671円 (税込)
    テロ未遂事件を起こしたのは17歳の時だった。それから20年が経ち、男は殺人事件を引き起こした。 20年もの長い間、男は果たせなかったテロの失敗を悔やみつづけたのだろうか。それとも新たに殺意を育てたのか。 拘置所の中での自問を、読者は追体験することになる。息をするのが苦しくなってくる自問がつづき、殺意が身近になっていく。 心の闇が迫る心理サスペンス!
  • 崩壊山脈
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    1巻660円 (税込)
    北アルプスから下山した岩佐は、都内の愛人宅の部屋のドアを開けたところで殺害された。 凶器は、ピッケルと思われ、登山経験者が疑われたが、手掛かりに乏しく、捜査は手詰まりになった。 そこに、また登山用具を凶器とする殺人が起きた。 地道な捜査がつづけられたが、犯人どころか、犯人像さえ浮かばなかった……。 はたして、執念の捜査が実を結ぶのか。 長野県警豊科署の道原伝吉が、金と色の欲にまみれた連続殺人の深層を暴く!
  • 穂高屏風岩殺人事件
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    1巻682円 (税込)
    読み応え十分の中編3本からなる山岳推理集である。 「穂高屏風岩」では、穂高屏風岩の屏風ノ頭で恋人と待ち合わせしていたが現れないと、女性が山小屋に助けを求めてきた。男はどこに行ったのか。 「鬼の生還」は、遭難した男が羽毛服を着ていなかったことに違和感を覚えた豊科署の刑事たちは、そこから重大な事件を嗅ぎ取った。 「夜の山脈」では、食堂に4歳の男の子がひとりでご飯を食べやってきた。この子に両親はいないのか。食堂の店主からの通報を受けた道原伝吉は、単なる迷子ではなく、事件が潜んでいると直感した。
  • 穂高雪山殺人迷路
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    1巻682円 (税込)
    連日雪が降り続いていた3月の北アルプスで、男性3名女性1名のパーティーが遭難した。幸い3名は救助されたものの、男性1名が行方不明のまま捜索が打ち切られた。 2か月後、パーティーのリーダーだった真中荘平から再び救助要請が入った。 行方不明の男性を捜しに、同じパーティーのメンバーだった古田紀洋と2人で登り、古田が滑落したという。 翌日発見された古田の遺体頭部には、滑落時に負ったものではない傷があった。 死因に不審を抱いた豊科署の道原伝吉刑事は捜査を開始する。 過去と現在が絡み合った、異色長編山岳ミステリー。
  • 螢草
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    渡世の世界で、自分を信じて生きる真っ正直な男「昭次」と、「姐さん」と呼ばれる親分の女房「絹」とのせつない交情を描いた「螢草」、バーの女に夢中になって家庭を捨てた夫を本当の心に想いを馳せる「微笑みの秋」、「カイン」「選ばれた女」「翼だけの鳥たち」など五編を収めた、著者独特の味わいに満ちた短篇集。読了時には、読書の満足と喜びが得られるはず――。
  • 北海道雨竜殺人湿原
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    1巻682円 (税込)
    白バイで暴走車を追跡中だった諏訪署交通課の浜中良秀が亡くなって一年半あまり経ったある日、妹の久絵が旅行先の北海道で消息をたった。 連絡がとれないだけなのか、行方不明なのかわからない段階だったが、不安になった浜中家の父は、良秀がかつて警察学校で同期だった一色昌平刑事に相談した。 しかし一色は、浜中家を出た直後、何者かによって射殺されてしまう。豊科署における初めての刑事射殺という大事件となった。 捜査本部が置かれ、専従となった道原伝吉刑事は、幾重にも重なり、見えなかった事件の深層に、少しずつ近づいていくが、そこには、想像を超える驚きの事実の連続があった!
  • 北海道・神威岬の殺人
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    1巻682円 (税込)
    人里離れた北アルプス烏川渓谷の発電所で、少女がひとりでいるところを発見された。 なぜ、この少女はここにいたのか。 体が冷え切った少女は何も語らない。それは話したくないのか、精神的なショックを受けたせいなのか。 報せを受けた豊科署刑事・道原伝吉は、少女が見つめていた草むらを捜索することを指示すると……。 感涙必至、人情刑事伝吉が本領発揮! 人のやさしいまなざしが事件に気づき、人を思いやる気持が事件を解決させていく──。
  • 炎の残像
    3.0
    1巻682円 (税込)
    愛しい恋人は、自らの命を絶った。 その原因を、小津健吾はわかっていた。 伊豆にドライブデートに出かけた時、暴漢に襲われたことを苦にしたものだった。 ふたりで乗り越えようと誓ったが、果たせなかった。 悲劇はそれだけでは終わらない。 今度は健吾が命を狙われる。地方に暮らす親兄弟までもが襲われる。 なのに、なにに原因があるのか、相手が誰なのかわからない。 健吾は相手を特定できないまま、復讐を誓う――。 迫力のハードバイオレンス長編。
  • 炎の埋葬
    -
    1巻660円 (税込)
    私立探偵・秋津慎平の事務所に、八王子の病院長・若生文彦が訪ねてきた。 「行方がわからなくなった母を捜してください」という依頼だった。若生家の後妻に入った義理の母は50歳とまだ若く、息子である文彦とは8歳しか年の差がなかった。 預貯金をすべて解約、投資していた株もすべて売っていた。 覚悟の家出にみえたが、調べを進めていくと、誰かに脅されていたらしいことがわかってきた。丹念に美貌の母の足跡を追ううち、秋津は何者かに襲われる。 失踪した義母は生きているのか。依頼した病院長と義母との関係は――。精巧にくみ上げられたハードバイオレンスは、意外な結末に向かう!
  • 炎の黙示録
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    1巻693円 (税込)
    ニューヨークのダウンタウンの路地裏で美術商・堀江伸彦が殺害された。堀江の父親の依頼で、友人の遊乱二郎(あそびらんじろう)は現地に飛ぶが、強盗殺人との警察見解に疑念を抱いた。美術商とは違う裏の顔がありそうだった。 早速、私立探偵のトミーと独自の調査を開始するが、命を狙われる。やがて事件を葬り去ろうとする圧力がかかり、東京、パリと舞台は広がり、乱二郎だけでなく周囲の人間まで殺し屋の魔の手が伸びてくる。 冷徹な国際政治が底流にあるのか。暗躍する不気味な敵に挑み凄絶な死闘を描く、国際バイオレンスの大作!

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