学術・語学 - 日本史関連作品一覧
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3.0日本史は血と汗と涙で彩られている……のだが、これを信じる人は少ない。日本史は年号・事件の暗記ばかりで、面白くもなんともないと思っている人が多いようだが、実は違うのだ。血と汗と涙であふれている。「血」から考えてみる。いきなり殺伐とした感じになるが、日本史は古代においては、皇位を巡る争いで奸計・裏切りなどの凄惨な場面が現出していた。中世、群雄たちが繰り広げた合戦も、近世に入っての織田信長の一向宗に対する戦いも、江戸期に入っての徳川対豊臣家残党との戦いも、幕末の幕府対倒幕派の戦いも、すべてその都度血しぶきがあがっていた。血が時代を進めてきたといってもいい。次いで「汗」だが、聖徳太子建立の法隆寺文化、桓武天皇の平安遷都、徳川家康による江戸開府などがある。民間では伊能忠敬の日本沿海與地図の作成、世界初の麻酔手術に成功した華岡青洲の例もある。みな、その時代の汗の結晶だ。そして「涙」だが、日本史で涙について語られることはほとんどない。ところが、歴史はそこに生きた人たちが織り成してきたものだから、当然、悲運にくれた涙があり、あるいは感激にむせんだ涙があったはずだ。涙が歴史を大きく動かしたことだってあるはずである。だが、教科書にこの涙についてはまったく出てこない。それゆえ、本書は日本史の涙の部分を取り上げてみた。嫁姑の確執を乗り越え、徳川家存続のために手を携えた天璋院と和宮。盟友の石田光成との義によって、負け戦の関ヶ原にあえて赴いた大谷吉継など、ただ暗記するだけの授業では登場しないこうした人々の力があって歴史が動いてきたのである。泣ける日本史…あるいはこれが本当の日本史ではないかと思っている。(「はじめに」より)
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-世界有数の火山列島という国土の成り立ちから、大地震はじめ大天災にしばしば見舞われてきた日本。そうした大災害が、どのように歴史を動かしてきたのか。また、先人達はいかにして復興を成し遂げたのか。天災(地震・津波・噴火)という新視点から日本史を捉え直した意欲作。 本書では、日本史を動かした主要災害として、天長出羽地震、鎌倉地震、天正地震、慶長伏見地震、寛文高田地震、宝永富士山大噴火、天明浅間山大噴火、島原大変、善光寺地震、安政江戸地震、磐梯山大噴火、濃尾地震、明治三陸大津波、関東大震災などを取り上げている。そして、これらの被害そのものより、災害後、当時の為政者(トップ)や人々がいかに考え行動して、復興の道を歩んだかを分かりやすい語り口で解説している。 なかには、天災という切り口から歴史を捉え直すことにより、従来の通説とは違った歴史解釈が示されている点もあり興味深い。たとえば、豊臣家を弱体化するために徳川が行わせたといわれる寺社造営なども、慶長伏見地震の復興という視点から捉え直すことにより、違った側面を浮かび上がらせている。そのほか、江戸幕府による復興税の不正利用、復興政策のまずから起きた一揆、地震の二次被害を防いだ名君、世界的科学者・野口英世誕生のきっかけとなった大噴火――といった意外な実話がふんだんに紹介されている。 また、たび重なる大津波にもかかわらず進まなかった三陸の住居の高所化、関東大震災後の政争により縮小された復興計画……など、現在の日本が直面する、東日本大震災からの復興という課題に対しても大きな示唆を与える内容になっている。
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-歌人・在原業平は、とある美女に恋をし、親の目を盗んでひそかに屋敷から連れ出した。古い山荘に逃げ込んだところ、夜中に鬼が現われ、姫を食ってしまった……! そんな恐ろしい話、摩訶不思議な話が、『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』など、日本に伝わる文献に数多く書き記されている。本書では、それら怪奇事件の数々を選りすぐってご紹介。江戸の町に突如、全裸の男が空から降ってきた話、駿府城に現われた、宇宙人を思わせる生命体、空飛ぶ馬に乗っていたという聖徳太子の伝説、身体から電気を発し、死者を蘇らせたという電気人間……。妖怪に鬼、UFOやポルターガイストなど、奇っ怪な事件、恐ろしい超常現象が次から次へと語られる。にわかには信じがたいけれど、実際におきたこととして歴史書に残っているのも事実。人々を恐れおののかせた不思議な出来事は一体何だったのか……? 謎に満ちあふれた怪異の世界をぜひお楽しみください。
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-蘇我入鹿の粛清から始まった大化の改新、承久の乱の契機となった源実朝の暗殺、そして激動の幕末維新の始まりを告げた桜田門外の変……。日本の歴史の転換期には、必ずといっていいほど血なまぐさい暗殺事件が起きている。本書では、日本の歴史の重大な局面に勃発し、歴史を変えてきた暗殺事件及び、未遂事件の概要に加え、暗殺事件の当事者たちの背景とその後の歴史に与えた影響までを解説する。それぞれの暗殺事件の背景には、様々な陰謀や野望が渦巻いている。被害者はなぜ殺されなければならなかったのか? いまだ謎に包まれた事件の真相とは?背後に潜む黒幕の真の目的とは……?知られざる歴史の裏面を、存分に堪能できる一冊。
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-常に多くのファンがそのプレーに注目した長嶋茂雄。向日葵のような男・長嶋がいたから、いまのオレがいる……。本塁打数2位、3000試合出場達成など、数々のプロ野球記録を打ち立てた野村克也は、回想的によくこんな話をする。つまり、長嶋というライバルがいたから、野村という球史に名を残す名選手が誕生したというわけだ。こうした例は、スポーツの世界に限らない。日本の歴史のなかでも、それは同様。武勇を競った名将知将、国を背負った政治家、事業の成功に命を賭けた実業家などなど、「アイツとオレ」という緊張した関係があったればこそ、今に名を残す人物は少なくない。本書では宿敵・政敵・好敵手・兄弟等を「ライバル」としてとらえ、彼らはどのように競い合ったのか、47組のライバルを紹介した、歴史読み物だ。武田信玄と上杉謙信、田沼意次と松平定信、渋沢栄一と岩崎弥太郎など、読者は彼らの栄光の時代と、意外な結末に驚くに違いない。
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-歴史とは、過去に生きた人々が、現在に残した推理小説のようなものとはいえないだろうか。史料という「証拠」をもとに、その小説の謎解きをする探偵は、歴史の研究者たちということになる。ところが、歴史にも難事件がある。謎解きの根拠となる史料が不足していたり、諸説さまざまで正しい史料と断定できないなど、要因もさまざまだ。たとえば、坂本龍馬は京都・近江屋で暗殺された。しかし、この事件の犯人は今も不明のままだ。新撰組か京都見回組か。研究者、歴史作家が「真犯人」を探しているが、未だにわからない。わずか百数十年前の事件でも真相がわからない。ましてや千数百年前の古代史での事件なら、わからないことだらけ。そこが想像をたくましくできる、歴史の面白さというものだ。本書では、未だ決着をみない歴史上の事件、迷宮入り(?)に近い事件を74話収録。大胆な推理に挑戦してみた、歴史ファン垂涎の読み物である。
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-小学生のころ、「明治維新は何年だ?」「鎌倉幕府を開いたのは誰だ?」……、一人の子どもが教科書を片手に質問すると、ほかの子どもがわれ先に手を上げて答える。正解なら「ピンポン」、不正解なら「ブー」とブザーの真似をする。まさに「クイズごっこ」。こんな遊びをしたことはありませんか。本書は、古代から戦国、江戸、近現代まで、そんな「遊び」の要素を取り入れた、全問3択式のクイズで、楽しみながら日本史に関する雑学力を試せる面白本だ。たとえば、奈良時代、官吏たちの出勤時間は現在の何時ごろだった? 東大寺の大仏は大仏殿に鎮座しているのに、鎌倉の大仏はなぜ屋外に? 今では誰もが普通に遣っている「演説」という言葉、これを作ったのは誰? こんな問題を221問集めた。友だちと、家に帰って子どもたちと、「ピンポン」「ブー」とやりながら、日本史のミニ知識を増やすのも面白いのでは。日本史ファン、雑学ファンにお勧めの一冊。
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4.3世界中見渡しても、こんなに優雅な文明を維持しながら、戦争や殺戮より平和な経済競争が優位を占める近代市民社会が成立するまで生き延びた国民は、ほかにはいない。ところが、これだけ幸福な星のもとに生まれた日本人が、自分たちはどんなに幸せな歴史を生きてきたのかということをほとんど知らない。皮肉なことに、おそらく世界中の知識人の中で日本の知識人がいちばん、ヨーロッパ文明こそ善(よ)き文明であり、義(ただ)しき文明であるというデマ宣伝を信じこまされ、ヨーロッパの文物に対する抜きがたい劣等感にさいなまれている。おそらく、一度もヨーロッパ諸国の植民地にされたことがなく、ヨーロッパ文明の中からいいものだけを自分たちの意志で選択的に取り入れてきたからこそのヨーロッパ崇拝なのだろう。だが、もうそろそろ真相に気がつくべき時期だ(本書「はじめに」からの引用)。呪われたヨーロッパの歴史をひもとき、「幸せな日本史」を描く。