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3.7報復の連鎖の時代における、かすかな希望は確かにある。 人は傷つけ合う、その先を見つめた、柔らかな哲学エッセイ。 米国・バージニア工科大学で起こった銃乱射事件。 32人の学生、教員が殺され、犯人の学生は自殺した。 キャンパスには犠牲者を悼む32個の石が置かれたが、人知れず石を加えた学生がいた。 33個めの石。それは自殺した犯人の追悼である。 石は誰かによって持ち去られた。学生はふたたび石を置いた。それもまた、持ち去られた。 すると、別の誰かが新しい石を置いた。 「犯人の家族も、他の家族とまったく同じくらい苦しんでいるのです」。 犯人も現代社会の被害者であるという追悼を、われわれは出来るだろうか。 敵と味方の対立を無効化し、「やられたらやり返してやる」という報復の連鎖を超越していく物語を紡げるだろうか。 単行本刊行後、東日本大震災を経て発表された5編と書き下ろしを加えた文庫特別版。 社会は変わりようがない、人々が傷ついたとしても仕方がないというのっぺりとした社会意識を、食い破ることのできる希望。 それはまだ小さな流れではあるけれども、世界のあちこちで少しずつ開こうとしている柔らかなつぼみなのだ。
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3.7
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-哲学者が右往左往しながら思索する、前代未聞の人生相談。 人生相談は人間とは何か? という真理につながる扉。その場しのぎの〈処方箋〉から全力で遠ざかり、正解のない思索へ誘う哲学エッセイ。哲学カフェ、学校授業でとりあげられた話題連載に書下ろしを加え、書籍化! 【目次】 ◆第1部 Q1:人を喜ばせる努力ばかりするのはもう嫌です。/Q2:友だちから「いい人であることをアピールしたいんだろ」と言われてボランティアをやめました。他人への優しさも利己的なものだと思うようになりました。(…) *コラム ◆第2部 Q7:私は哲学が好きですが、哲学者の肩書きに定義はあるのでしょうか。哲学者の苦悩や喜びはどんなものでしょう?/Q8:小説家を目指して出版社の文学賞に応募するつもりですが、「書くことが苦しい」です。(…) *コラム ◆第3部 Q11:私は反抗期がありませんでした。両親とぶつかる経験がなかったので、いまでも自己主張ができません。ですが、飲み込んできた不満がだんだんと抑えられなくなりました。いまから成長過程をやり直すことはできるでしょうか?/Q12:サラリーマン生活になじめず、退職して警備員をしています。自己実現できる仕事をしたいのですが、現実はぜんぜん違います。(…) ◆「人生相談の哲学」をもういちど考えてみる ◆悩んだとき、「哲学」したいときに出会いたい本&映画 【著者】 森岡正博 1958年高知県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。大阪府立大学にて、博士(人間科学)。東京大学、国際日本文化研究センター、大阪府立大学現代システム科学域を経て、早稲田大学人間科学部教授。哲学、倫理学、生命学を中心に、学術書からエッセイまで幅広い執筆活動を行なう。著書に、『生命学に何ができるか』(勁草書房)、『増補決定版 脳死の人』『完全版 宗教なき時代を生きるために』(ともに法藏館)、『無痛文明論』(トランスビュー)、『決定版 感じない男』『自分と向き合う「知」の方法』(ちくま文庫)、『生命観を問いなおす』(ちくま新書)、『草食系男子の恋愛学』(MF文庫ダ・ヴィンチ)、『33個めの石』(角川文庫)、『生者と死者をつなぐ』(春秋社)、『まんが 哲学入門』(講談社現代新書)、『生まれてこないほうが良かったのか?』(筑摩選書)ほか多数。
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 金メダリストを創ることのいったい何が問題なのか? 遺伝子操作技術の急速な進化により、「遺伝子ドーピング」への懸念が高まっている。スポーツの価値を揺るがす遺伝子ドーピングが現実となった時、アスリートの身体や社会にどのような影響をおよぼし、どのような問題が起こるのか。私たちはいま遺伝子ドーピングとどのように向き合うべきかを問う。巻末には中村桂子氏へのロングインタビュー収録。
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4.0「生きるってなんだろう?」――誰もが一度は考えたことのある問いに、「時間」「存在」「私」「生命」の4つのテーマから迫っていく。難しいことばをほとんど使わず、「まんまるくん」と「先生」の二人の掛け合いの形から、哲学の根本問題をゆっくりと解きほぐしていく哲学入門書。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。(講談社現代新書)