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  • 埋められた時計
    5.0
    第二次大戦に戦傷を負って帰還した青年ハーリーは、恋人アデールの運転するクーペに揺られて、南カリフォルニア山中にある彼女の別荘へと赴いた。明るい太陽と澄んだ山の空気は、なまなましい戦闘の記憶に暗くなりがちのハーリーの心に、元気と希望を与えてくれた。が、ふと別荘ちかくの落葉の中に身を横たえた彼は、あたりの静寂を破って音高くひびく時計の音にびっくりする。ブリキの箱に入った目覚し時計が、地中に埋められていたのである……。銀行の金を使いこみ、なお多額の金を持ち去った親戚の男の死に絡んで、カリフォルニア山中に展開される不気味な殺人事件。メイスン、デラ、私立探偵ポール・ドレイクのトリオが活躍する、スピーディな傑作ミステリ。
  • 餌のついた釣り針
    5.0
    メイスンの自宅の電話が鳴り、至急依頼したいことがあると言う。メイスンは興味をおぼえ、嵐をついて事務所に急行した……電話の主が現われたが、その依頼内容は奇妙なものだった。同行した女性の代理人になる約束をしてほしい、ただし彼女の正体は明かせないというのである。その女性を見たメイスンは驚いた。黒いレインコートと帽子で身を隠したうえ、顔にも仮面をつけている。身許はおろか顔すらわからない依頼人……雲をつかむような話にさすがのメイスンも困惑する…
  • おびえる女
    -
    資産家の未亡人は、毎夜自室に侵入するコウモリ、雀、ネズミにおびえていた。フラー警部の頼みで未亡人の部屋番となった敏腕看護婦ヒルダは、砒素を盛られたと主張する老婦人の奇妙な生活習慣に目をみはる。その背後には無職の長男夫婦、離婚した長女とその前夫、二人の娘ジャニス、召使い、お抱え医師などが織りなす複雑な人間模様があった。こうしたなかで老夫人が殺害され、ついでヒルダの監視の眼をくぐって次の殺人が…
  • カナリヤの爪
    -
    二十代も後半とみえる若い女に依頼の件を聞いてみたとき、どうやらその中身は離婚問題と思われたので、メイスンは気が進まなかった。だが、女はカナリヤを入れた籠を持参していて、しかも、そのカナリヤは「びっこ」だった。しかも女はカナリヤから話題をそらそうとした。「謎のカナリヤ」に惹かれてメイスンは結局、事件を引き受けた……。ありきたりの民事事件の背後から浮かび上る不可解な殺人事件。カナリヤの爪に秘められた秘密とは? メイスンものの中でも本格味濃厚な好編。
  • 管理人の飼い猫
    5.0
    ペリー・メイスンもの初期の名作。大富豪の別荘の管理人をしているアシュトンという老人が、主人の遺言書にもとづいて「飼い猫」を飼いつづけることができるかどうか相談に訪れる。メイスンの鋭い嗅覚は事件の匂いをかぎつける。行動派のメイスンは秘書デラを煙に巻き「ぼくの依頼主は飼い猫なのさ」と言いながら、独自の調査を開始する。

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  • 危険な未亡人
    -
    メイスンのもとを訪れた老婦人は訴えた。ギャンブル好きの孫娘シルビアが、グリーブという男の経営する賭博船で多額の借金をしてしまった。その際書いた借用書を彼女の夫が悪用しようとしているので、それに先んじて買い戻してくれというのだ。しかし船でグリーブが死体となって発見され、容疑はシルビアに、そして逃亡を助けたメイスンにも共犯容疑がかけられた! 絶体絶命に陥ったメイスン!
  • 奇妙な花嫁
    -
    メイスン事務所に相談に現われた女性は友だちに頼まれて来たといい、おかしなことを聞き出そうとした。メイスンは体よく追い払うが、気になって仕方がなかった……ましてその女性をつけている男を見かけたと、たまたま来合わせた友人の探偵に知らされてみれば。そして殺人事件が……緊迫の法廷場面で一気に盛り上がるメイスンもの初期の名編。

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  • 義眼殺人事件
    5.0
    依頼人は義眼の主だった。そして盗まれた自分の特注の「充血した義眼」が、凶悪犯に利用されでもしたら厄介なことになると恐れていた。メイスンは一計を案じる。だがその甲斐もなく、男の懸念は現実のものとなる……数あるメイスンものの中でも屈指の名作と折り紙つきの代表作。

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  • 偽証するオウム
    5.0
    その日の新聞は、億万長者セイビン殺害事件の記事で埋まっていた。物とりではなかった。札のつまった紙入れも宝石類も奪われていず、死体のかたわらには、彼がいつも身辺から離したことのない愛玩用のオウムが、すさまじい叫びをあげて人を呼んでいたという……。メイスンは、セイビンの息子チャールズの訪問を受ける。セイビンの莫大な遺産をめぐって、義母のヘレンと連れ子のスティーヴが何か策謀をめぐらしている。事件の真相を調査するとともに、二人の狙いを探りだして自分の権利を守ってほしいという。メイスンに、チャールズは二つの事実を打ち明けた。そのうちの一つは、死体のそばにいたオウムが、セイビンのかわいがっていたのとはちがうオウムであることだった……シリーズ初期の傑作。
  • 幸運の脚
    -
    地方銀行の頭取秘書マージョリーは「脚線美コンテスト」に合格して映画女優への夢に胸をふくらませたが、それは投資金目当ての巧妙に仕組まれた詐欺だった。そして殺人事件が……恋人の嫌疑を晴らそうと実業家がメイスンを訪れる。だが、その話にメイスンは、どこかおかしなところのあることに気づく。
  • 災厄の町
    -
    ふらりと立ち寄った町が気に入ったエラリーは土地の有力者ライツ家の持ち家を借りた。その家はライツ家の当主が次女ノーラとジム・ハイトとの結婚後に住む家として用意したものだったが、二人は喧嘩別れして、ジムは姿を消していた。それからすでに三年たつが、突然ジムが戻り、二人はよりを戻して結婚する。新婚早々、ノーラは偶然ジムが妹宛てに書いた3通の手紙を見つける。そこには、まがまがしい予告とも受け取れる出来事が書いてあった。やがてジムの妹ローズマリーが招かれてやってきた。そして感謝祭、クリスマスと、手紙の中味に符合するような事件がノーラの身に起こり、新年にはついに、ローズマリーが毒酒で死ぬ事件が起こる。ことの成り行きからジムが逮捕された……アメリカの架空の田舎町を舞台に繰り広げられる家族ドラマ。クイーン中期の代表作として名高い。
  • すねた娘
    -
    女は2年前に死んだ父親の遺言状の件で訪れた。唯一の相続人である彼女の財産は伯父に付託され、もし彼女が25歳未満で結婚するなら、伯父は自由にその財産を処分できるという条件がついていた。実は女には意中の男がいて、すぐにも結婚を望んでいた、そして財産も手にしたかった…そんななか、伯父が死体となって発見される。女には当然、疑惑の目がむけられた。

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  • 掏りかえられた顔
    -
    デラとともに船のデッキに立ち、ハワイの灯影に名残りを惜しんでいたメイスンのまえに、思わぬ依頼人が現れる。夫のカール、娘のベルの三人でハワイの休日を楽しんで帰国するところだったニューベリ夫人である。夫人は、突然大金を手に入れたらしい夫を調べてほしいという。帳簿係の職を急にやめ、逃げるように引越し、その後は身分不相応なハワイ旅行。どうやってその金を手に入れたか、夫はけっしてしゃべろうとしないというのである。そのうち、夫人の耳に、夫がやめた会社で使いこみがあり、追及がはじまっているという噂がはいってきた。しかもその朝、荷物のなかに入っていたベルの写真が、彼女そっくりの女優の写真にすりかえられていた。船内の誰かが、一家の身元を調べている疑いがあった。興味を持ったメイスンは、調査の準備にとりかかった。だがその矢先、嵐の晩に、複雑怪奇な殺人事件が突発した……。シリーズ初期の名作。
  • 第四の郵便屋
    -
    近くの家で、時計が十時を打った。殺人者はあらゆる神経を緊張させて固くなった。あと数分間である。被害者は何も知らず、おそらくは口笛さえ吹きながらやって来るであろう。死体の倒れるときの、あのなじみの音がまた聞こえるはずだ。笑いとペーソスが光るクレイグ・ライスの秀作。

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  • 剣の八
    -
    謎の訪問者の来た夜は、あらしが吹き荒れていた。折からの停電で屋敷の中は蝋燭の光しかなく、一瞬、屋敷に落雷したかと思うほど凄まじい轟音がとどろいた。翌朝、書斎のドアから洩れる電燈の光に、不審に思った下男が窓からのぞいてみると、主人は、頭部をピストルで射抜かれて死んでいた。兇器はみあたらず、死体のそばには、一枚のカードが落ちていた。トランプに似た、八つの剣が星型に組み合わさった、死のカードだ! ギデオン・フェル教授は、殺人鬼が、まもなく次の犠牲者をねらうことを予感した……。
  • どもりの主教
    -
    「どもり」の主教がペリー・メイスンの事務所にあらわれ、なんと22年まえの重過失致死事件の弁護を引き受けてもらえないかと申し出た。メイスンはむろん、二つ返事で引き受け、さっそく私立探偵のドレイクを依頼人の尾行につけた。案じたとおり、ホテルに帰った主教は、自室で赤毛の若い女の待ち伏せにあい、頭をなぐられて気を失っていた。豪雨の夜のロサンゼルス埠頭で、アクションとサスペンスは最大の見せ場に。シリーズの代表作の一つ。

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  • 緋の接吻
    -
    行動派ミステリーの名手ガードナーの面白さが確実にわかる中短編集。ごぞんじペリー・メイスンもの2編(「緋の接吻」「燕が鳴いた」)、ルパンをほうふつさせる胸のすく怪盗レスター・リースもの2編(「インドの秘宝」「レスター・リース作家となる」)を収録。

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  • ビロードの爪
    -
    緊迫した法廷場面とハードボイルド・タッチで有名な弁護士探偵ペリイ・メイスン・シリーズの処女作。依頼人は明らかに変名を使っているとみられる人妻だった。野心的な政治家との情事を、恐喝・ゆすりを専門にする新聞にかぎつけられて、その餌食となるのを極度に恐れている。依頼の中身は「もみ消し工作」だった。秘書のデラ・ストリートは「あの女――ビロードの中に、とぎすました爪をかくしている女ですわ」とメイスンに忠告するが……

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  • 吠える犬
    5.0
    隣家の犬が吠えて困る、隣の主人を逮捕してほしいと、奇妙な用件を持った男がメイスンの事務所に姿をあらわした。男は謎めいた遺言書をメイスンに託した直後、隣家の夫人と駆け落ちし、姿をくらました。謎は謎を生み、メイスンはしだいに窮地に追い込まれる。メイスン、デラ、ドレイク三人の活躍を描くガードナー初期の代表作であり、陪審員のあり方を示唆する問題作。

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  • 曲がった蝶番
    -
    色あせたケント州の大地を眺めながら、ペイジは思った。変事が続きすぎる。去年は近所で強盗殺人事件があり、いまは宿屋に探偵が泊まっているという。しかも、村の旧家ファーンリ家の当主に、偽者ではないかという疑惑が起こった。25年前のタイタニック号沈没時に入れ替わったと主張する男が出現したのだ! どちらが本物か、その判定もつかぬうちに殺人が…スコットランドヤード顧問のフェル博士が登場する。

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  • 夢遊病者の姪
    -
    離婚裁判で係争中だったドリス・ケントは、夫ピーターが看護婦と結婚しようとしているのを知ると、急に作戦を変更して、離婚訴訟を取りさげた。そして、夫に夢遊病の発作があったことを楯に、精神錯乱だと主張し、禁治産の訴訟を起こそうとしていた。星占術にこるピーターの姪(めい)のはからいでその夢遊病者と逢ったメイスンはそこで奇妙な矛盾を発見する――正気であることを証明させるためにメイスンに依頼してきた男が、狂人じみた芝居をしてみせるのである!
  • レスター・リースの冒険
    -
    弁護士ぺリー・メイスンで有名なガードナーの生み出した怪盗レスター・リースを主人公とする短編集。下男スカットルが用意した新聞の切り抜きを見て、リースは犯罪の真相を見破る。ただし、警官でもなく、「犯罪をなくすためには犯人を逮捕処罰するよりは、盗品を掠奪してやるのが一番よい」と考えているので、下男に注文しておいた何に使うかも分からないような品々を使って盗品を奪い取る。そして抜け目なく2割くらいの手数料をいただいて、残りは慈善事業に寄付する。上質のB級エンターテイメント6編を収録。
  • 蝋人形館の殺人
    -
    オーギュスト陳列館には数々の蝋人形たちが並び、薄暗い照明の中で異様な雰囲気をかもし出していた。ギロチンの下でのけぞるルイ16世、臨終のナポレオン……中でも傑作中の傑作『人殺しのルシャール夫人』の出来栄えは見事だった。その蝋人形がある娘の後を追って暗い階段を降りてゆき、そのあと、その娘が、屍体となってセーヌ河に浮かぶという事件がおきる!

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