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  • 抱影
    4.0
    生と死のはざまでほとばしる情念。これが北方謙三だ。 定期的に食事はするが、踏み込まない。響子とは二十二年、そうしてきた。死期が近いと告げられるまでは。硲(はざま)冬樹は画家。売れない絵描きではない。横浜に数軒の酒場を持つ。硲の絵を望んだ響子。消えゆく裸身をキャンバスにして、硲は鑿(のみ)を手にした硲は消えない絵を刻みつけようとする。男と女、北方ハードボイルドの到達点!
  • 棒の哀しみ
    4.0
    グレーのスーツ、地味なネクタイ、きちっと刈った髪。よく独り言を呟く神経質な男。一見普通に見えるが、田中という、棒っきれのようにしか生きられないやくざ者だ。強欲な親分の下、苛立っていた。素人をいたぶり、若い衆がやるようなことをする日々。先頭に立って抗争を乗り切り、跡目をとったつもりになるが、分家を言い渡される。のし上がらねばならぬと肝を決めた。文体の実験的試みが話題を呼んだ記念碑的な連作短編集。
  • 真夏の葬列
    3.0
    彼女は赤い花が好きだった。守は美知の柩の上に赤いバラを手向けた。北池袋の小さなバーは、妹・佐知の店になった。美知を自殺にまで追い込んだのは、誰か?美知を愛していた冬生も、真相に行き着いた守も、半殺しの目に遭う。このまま尻尾を巻くのか、男として生きるのか!?青春ハードボイルドの傑作!
  • 雨は心だけ濡らす
    3.0
    デザイン事務所に勤めるインテリア・デザイナー、美有のもとに、思いがけない大きな仕事が舞い込む。イタリア製のスポーツカーに乗って現れたのは、憧れの建築家、野木路子。インテリジェント・ビルのインテリアをすべてまかせるという依頼だった。仕事を始めるとなぜか作業の妨害が出始める。野木の工事の依頼主の後ろには、何か隠されているのでは、と美有は感じる。
  • ヤバい生きもの
    -
    シカは毎年、立派な角を捨てる!!! ウシのうんちに生えるきのこ、ウシグソヒトヨタケ! 野生のカバは俊足で本気を出すとボルトより速い!? 殻で敵をなぐり倒す筋肉むきむきのカタツムリ!! フクロウは首を左右それぞれ270度も回せる!? 昼夜問わず何日も、海底を一列で歩き続けるアメリカイセエビ!! もはや誰にも止められないブチ切れたゾウ!! 海の星・ヒトデは、なんとちぎれて増える! 寒くても暑くても動けなくなるトカゲ!! などなど…。この本の中にはヤバい生きものがめちゃつまってる! 【もくじ】1 体のつくりがヤバい/2 マヌケっぷりがヤバい/3 生態がヤバい/4 強くてヤバい/5 とにかくヤバい/6 この先、危険!! 気持ち悪くてヤバい/あとがき/主な参考文献
  • 行きどまり
    3.0
    建築現場で働く法学部の学生新井安彦は、いかさまポーカーで愛車のバイクを奪われた親友敬二のために、嵌(は)めた久野に会う。蛇のようにしつこい連中は、刃向かった敬二を監禁し、癒しがたい傷を負わせた。暴力の連鎖を断とうとした安彦はついに久野を殺してしまう。2人には全てを捨てて逃げるしかなかった。
  • 楊家将(ようかしょう)(上)
    4.2
    中国で「三国志」を超える壮大な歴史ロマンとして人気の「楊家将」。日本では翻訳すら出ていないこの物語が、作家・北方謙三により新たなる命を吹き込まれ、動き始めた。物語の舞台は10世紀末の中国。小国乱立の時代は終わりを告げ、中原に残るは北漢と宋のみ。楊家は北漢の軍閥だったが、宋に帰順。やがて北漢は滅び、宋が中原を制する。その宋の領土を北から虎視眈々と狙うのが、遼という国。強力な騎馬軍団を擁するこの国は、宋の一部であった燕雲十六州を奪い取り、幼い帝を支える蕭太后の命により、南下の機会を窺っていた。奪われた地を取り戻すのは宋王の悲願――。外様であり、北辺の守りを任されている楊家は、遼との血戦で常に最前線に立たされる。楊家の長で「伝説の英雄」として語り継がれる楊業と七人の息子たちの熱き闘い。苛酷な運命のなかで燦然と光を放った男たちを描き、第38回吉川英治文学賞に輝いた北方『楊家将』、待望の電子化。

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  • 夜が傷つけた
    3.0
    依頼人は若すぎた。義姉の行方を心配する和夫は中3だった。消えたのは、洋子。弁護士の谷道雄がかつて愛した女。兄を殺された和夫は謎の大人たちに殴りつけられた。抜け殻同然だった谷が動き出す。久しぶりの全開に暴れ馬(アルファ・ロメオ)のエンジンも吠える。男の生きた痕跡は躰(からだ)に刻みついた傷だ。北方ハードボイルドの快作!
  • 夜が傷つけた
    -
    弁護士・谷がかつて愛した洋子の夫・藤井久夫が屍体となって発見された。何者かが車で撥ね飛ばした上、もう一度轢くという念の入れようだ。そして洋子が姿を消した。義弟の和夫は谷に調査を依頼してきた。谷は元刑事の杉田に協力を求め、事件の陰に隠された巨悪に立ち向かう。あの傑作『眠りなき夜』のパート2。
  • 夜の終り
    4.0
    男は長いことつき合っている女と二人だけで横浜に手作りのオルゴールを売る店を営んでいた。男には危ない仕事をしてきた暗い過去があった。ある日、その仕事仲間の遺児が、男に企業の極秘書類を預けにきた。その日から、眠っていた男の血が騒ぎ出した。男は最後の仕事に命をかける! ハードボイルド長編。
  • 夜の眼
    3.0
    性に奔放な三十四歳の愛人・静子。あどけなさの残る二十歳の葉子。「性具」と「飼育」、岸波は二人の女との情事に溺れ、“小さな死”という名のオーガズムを求めて喘ぐ。死を求めながら、死に恐怖する。老いのとば口に立った一匹のオスが渇望する真のエクスタシーとは? 社会の禁忌に触れる、衝撃の情事小説。
  • 夜よ おまえは
    -
    カメラマンの高村は菊地に5万ペセタの貸しがあった。日本の雑誌の依頼でスペインの農村地帯を撮影旅行した時、現地スタッフだった菊地は、10万のギャラの半分しか払わなかった。残りのギャラをもらうべくセビリアのホテルを訪ねた高村に、菊地は“アメラダのマキに会え!”のメッセージを残していた。マキは日本人娼婦だったが、ふたりは何者かに狙われ、必死の逃亡を続ける……。スペインの闇をさまよう男と女の愛と意地。叙情溢れるハードボイルド!
  • 林蔵の貎(上)
    3.5
    激動の予兆をはらむ江戸・文化年間、越前の船頭・伝兵衛は謎の武士・野比秀麿を乗せ蝦夷地へと櫓を漕ぐ。そこに待っていたのは測量家の間宮林蔵。彼らの行ったロシア艦との秘密交渉は、徳川幕府とそれに対抗する朝廷・水戸・島津の連合勢力との抗争の口火となった――壮大な北の海にひろがる男たちの野望。
  • 林蔵の貌(上下合本版)
    -
    北蝦夷に男たちの夢と野望が交錯する――。激動の予兆をはらむ江戸・文化年間、越前の船頭・伝兵衛は謎の武士・野比秀麿を乗せ蝦夷地へと櫓を漕ぐ。そこに待っていたのは測量家の間宮林蔵。彼らの行ったロシア艦との秘密交渉は、徳川幕府とそれに対抗する朝廷・水戸・島津の連合勢力との抗争の口火となった。権力者たちの策略の渦の中を、間宮林蔵が駆け抜ける。近代日本の黎明期を描く歴史巨編。
  • 【新装版】傷痕 老犬シリーズI
    3.8
    1~3巻671~737円 (税込)
    終戦直後。母親を病気で失い、父親が復員してこない良文は、盗みを繰り返しているうちに、浮浪児狩りに捕まる。だが、収容施設で親友の幸太と再会、二人は収容所を脱走して、飢えをしのぎながら、厳重に守られた防空壕の隠匿物資を強奪しようとする。食うや食わずの生活。多くを大人に搾取されながら、盗んだ洋酒や煙草を闇市で売りさばいて命を繋ぐ。望まぬ早熟。仲間の裏切り。闇。魂を毀されるような暴力を見せつけられ、良文の中に獣が生まれた。老いぼれ犬と呼ばれた高樹良文刑事の眩い刹那を描くシリーズ第一弾。
  • 私のご飯がまずいのはお前が隣にいるからだ 1
    完結
    4.1
    大好きなものをおいしく食べたい。そんな当たり前のことを願うサユちゃんのまわりには、なぜかツウぶりたい人ばかりが集まってくるのだ。スシはこう食べろ、蕎麦は粋にすすれ、から揚げにレモンかけるな! などなど。ただ静かにご飯が食べたいだけなサユちゃんの明日はどっちだ!?
  • われらが時の輝き
    値引きあり
    -
    ラグビーのFWをやっていた私にとって、かつてはグラウンドが男の戦場だった。今、私にとっての戦場は会社であり、街路であり、酒場だ。血で血を洗う社内の抗争。血を流しながらなおも牙を剥く若社長とベテラン常務。その中で男の絆と愛を失わずにいさせるものは何か。そして生きていく誇りとは。

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