ジョージ・エストライク作品一覧

  • あなたが消された未来――テクノロジーと優生思想の売り込みについて
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    一部の先端的なバイオテクノロジーは、人々の優生学的な衝動を利用しながら売り歩かれている。著者はダウン症のある子をもつ作家として、この局面を見つめた。本書は、バイオ企業の広告や、スティーブン・ピンカーら科学者の発言を吟味し、テクノロジーがもたらす未来のビジョンとともに優生思想がいかに私たちの意識下へ刷り込まれているかを示す。新型出生前診断(NIPT)をはじめとするスクリーニング、ゲノム編集、ミトコンドリア置換、合成細胞、染色体サイレンシング……こうしたバイオテクノロジーのPRの物語のなかで、障害者はすでに消された、実体のない存在であり、またそれゆえに、売り込みに必須の要素として使われている。売り込みは経済合理主義の社会的圧力をエンジンとして推し進められ、非定型の遺伝的素因をもつ人々は圧倒的少数派へと追いやられつつある。生殖テクノロジーの選択は当事者の「自己決定」の問題だといわれるが、本書が示すような圧倒的な〈説得〉の圧力のもとにある自己決定とは何物だろうか? ジョージ・フロイドとまったく同じ形で命を奪われたダウン症のある青年イーサン・セイラーに、私たちの多くが気づけなかったのはなぜだろう? テクノロジーが優生思想の裏口となっている現状を痛切に描き出す書。
  • 近代の終わり 秩序なき世界の現実
    4.0
    ●階級対立、陰謀論の拡散……表出し始めた「世界の歪み」の数々 ●「近代を象徴するシステムの終焉」が意味するものとは? ●8人の碩学に問う、人類を取り巻く残酷な未来と現代への警鐘! 新型コロナウイルス感染症は、世界にさまざまな歪みをもたらしている。各国政府による大規模な財政出動は、富める者と貧しい者の格差を再拡大させ、医療の専門家による感染対策の提言は、経済、社会活動への配慮が不十分だと受け止められ、人々の不満を強める結果となった。先のみえない不安のなかで、偏見、ステレオタイプによる暴力的行為が蔓延し、荒唐無稽な陰謀論が拡散されている。グローバリゼーションや資本主義、自由政治といった近代を特徴づけてきた制度は、はたして今後も続くのか。8人の碩学に問う、人類を取り巻く残酷な未来と現代への警鐘。

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