森村誠一作品一覧

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  • 虚無の道標
    -
    『大資本の侵略に死の抗議。小売店の老夫婦が自殺!』大きな見出しの新聞記事を上司から突きつけられた有馬は愕然とした。彼が中心になって推進した、都屋デパート支店系列化計画に犠牲者が出た。だが、傷心の有馬を襲ってもう一つの事件が……。絶望のどん底に叩きつけられた男の人生に対する執念の復讐とは何か? 会心の長編力作!
  • 社奴
    3.0
    大手建設会社の営業課長家田幹朗は、常務の懐刀として社内で最も汚い役を一手に引き受けている。ある日、大臣愛人の隠れ家を訪ねると彼女の他殺体に出会う。一方、建設業界の贈収賄事件を担当する特捜検事隅野は、同学の友・家田を焙り出す。同じ学舎で青春を共有した友が社会の四方に別れ、支配階級の政財界汚職に巻き込まれていく。会社の奴隷が抉る人間の悲哀、一寸の虫と巨悪の壮絶な闘い。
  • 異型の街角
    4.0
    物質文明が進み、人々の嗜好や欲望が多岐にわたっている現代では、昔では考えられなかったようなことが職業として成立している。人探し屋、有線放送のなんでも屋、スーパーの苦情処理係、高層ビルのガラス拭き屋。人生の裏面を垣間みた彼等が偶然手に入れた一挺の拳銃。ある者には幸福の女神となり、ある者には地獄の使者となる“コルト45”は誰を狙おうとしているのか!? 社会の表面には出ない変わった職業を通して、人生の断面を描く異色長編推理。
  • 日蝕の断層
    -
    浦島重工業の社員・木原高志は“工員”の子として差別され続けてきた。世間に対する復讐と出世を誓う木原は、重大な“性の欠陥”を承知で副社長の娘婿という出世のパスポートを手に入れ、同時に社内外の情報を得るため、女子社員恵理とも関係を結ぶが……。会社合併問題に絡む殺人事件。謎の脅迫電話。そして第二の殺人―。若き野望に満ちた木原の大いなる賭けの行手には? 長編ピカレスク・ロマン。
  • 致死眷属
    -
    峯岡は37歳になる名門私立高校の教師で、美しい妻と可愛い子供にかこまれ、なに不自由なく平穏無事な生活を送っていた。あまりに恵まれている為に感じるものたりなさと不満。その時ふと目にした「ホーム・フレンドリー」という夫婦交換(スワッピング)の機関紙が峯岡夫妻を犯罪の世界へと導いた!! 脅迫。失踪。殺人――。マンネリ化した夫婦の性を刺激する夫婦交換、SMなどの現代風俗をとりいれ、混沌とした都会に潜む「魔性」を鋭く抉る長編問題推理。
  • 山の屍
    3.5
    カルチャースクールで小説の勉強を始めた純子は、受講生仲間から“取材をかねた売春”を勧められた。好奇心に負け、指定された新宿のホテルに行くと、高見友一が待っていた。情事の後、金銭を拒否する純子に高見は自分が書いた「山の屍」という小説を託す。純子はこの小説を自分の作品として懸賞小説に応募し、新人賞を受賞してしまう。ある日、純子を仰天させる電話がかかってきた。それは高見が登山中に転落死し、純子を「一億円の保険金」の受取人に指定しているという内容だった。
  • 黒い墜落機(ファントム)
    3.0
    茨城県百里基地より緊急発進の最新鋭ジェット戦闘機が南アルプスの「風巣」という集落近くの沢に墜落した。だが、自衛隊は事実を公表せず、塚本隊長率いる「サルビア部隊」を派遣、極秘に機体の撤収を図る。しかも墜落を知る集落の老人たちの“抹消”を計画。村で民宿を経営する反町重介と恋人の水橋は、村を守るべく立ち上がったが……。異色の政治推理小説!
  • 分水嶺
    5.0
    泣き喚いた次の瞬間には恍惚とした表情をする患者。この激しい幻覚症状の原因は一体何なのか? 激増する奇妙な病状を調べていた秋田修平は、カルテの記載に患者たちの重大な共通項を発見した! 早速調査に向かった秋田は、そこにかつての山仲間でともに遭難から生還したことのある大西安雄を見いだした。二人の男の友情と葛藤、冷酷な企業の本質を抉る長編力作!
  • 致死家庭
    4.0
    少年時代、虫でも殺すように幼女を川に突き落とし、溺死させた波多野と的場。共に社会人となった二人の共犯者が三十数年後、偶然街で出合った。互いに近況を語り合ううちに、的場がとてつもないことを告白した。時折、無性に人を殺したくなるというのだ。波多野は、家族も本人も死を望んでいる末期癌患者を教えてやった。的場は自殺に偽装し、その患者を殺した。やがて波多野は、限度を超えて家庭内暴力を振るう息子正介を的場の標的に供したのだが……。異色の社会派長編推理。
  • 花刑
    3.0
    サラ金地獄で首が回らなくなった男が企てた高利貸しの老婆殺害計画――社会問題化する生活破綻の実態をリアルに描いた表題作「花刑」をはじめ、定年を迎えた男がかつて通勤電車の窓から目撃した“白いハンカチを振るOL”を探す「完全犯罪の鏡像」。異なる家族が暮らすマンションでおこる人間関係の憎悪をテーマにした「凶隣の巣」など、身近にある殺意を収めた傑作社会派推理短編集! 完全犯罪の鏡/凶隣の巣/死媒祭/花刑を収録。
  • 悪魔の圏内(テリトリー)
    -
    会社へ出勤する代りに、好きな時間に街に出て、若者の嗜好を探る自由勤務。給料は保証され、遊ぶ金まで支給されるこの恵まれた条件に、諸橋は二つ返事で飛びついた。だが半年もすると、会社だけでなく社会からも取り残されたような疎外感に、彼の心は蝕まれていく。一方、一人暮らしの老女が複数の犯人に惨殺される事件が発生。やがて犯人の一人とおぼしき若者の死体が山中から発見された。この二つの事件に共通する遺留品は、一匹の猫の毛だった! 歪んだ現代を描く本格長編推理。
  • 自選恐怖小説集 人間溶解
    3.0
    粘着力を帯びた不気味な液体はしきりに瘴気を立ちのべていた・・・。究極の「完全犯罪」を目論む表題作『人間溶解』をはじめ、突然の侵入者に怯える主婦の心理を覗く『行きずりの殺意』。“少女”に取り憑かれた教師を描く『青の魔性』、満員電車の人間関係の暗部を映す『殺意』など、日常の中にある、なにげない恐怖が滲みでる傑作ホラー短編集。〈七つの恐怖〉
  • 天の白骨
    完結
    -
    ともに駆け落ちした相手の人妻が行方不明に!思いあまった愛人はなんと彼女の夫にすべてを報告。二人の奇妙な捜索が始まった!折しも連続レイプ事件が発生し、被害者の一人も行方不明に…。人妻も同様に暴行魔の毒牙にかかったのか?推理界の雄がアダルト・ビデオ界を軸に放つ渾身作!
  • 新・オリエント急行殺人事件
    4.0
    ロンドン~ベニス間を一昼夜で走るオリエント急行は、その歴史、豪華さ、風格、話題性から考え、まさに“伝説の中の列車”であった。日本からツアーに参加した安養寺ら10名の男女は、その華やかさに酔いしれていた。一年後、彼らの間で次々と起こる謎の連続殺人事件。誰が加害者で誰が被害者なのか。捜査の焦点は、ある日時のある場所で起こった事件へ……。“夢の超特急”オリエント急行を舞台に、森村誠一が満を持して新境地に挑む、本格長編推理。
  • 流星の降る町
    3.0
    日本最大の暴力団が、企てた町の制圧作戦。前代未聞の陰謀に、元軍人や元泥棒など、第一線を退いた七人の市民が立ち上がる。逃げ続けていたそれぞれの人生の復活を賭けた闘いに、勝ち目はあるのか――。
  • 反骨の思想
    -
    現代は言葉が氾濫している。新聞、テレビ、雑誌、チラシ、いたるところに文字が溢れている。サラリーマンとてその洪水とは無縁ではない。むしろ、言葉の本当の意味を理解し、有効に利用する者こそが、熾烈な企業内競争に打ち克ち、生き残っていける。サラリーマン経験十年の著者が、上役、昇給、ゴマスリ、名刺、忘年会等、サラリーマン生活と関係の深い事項を選び、ユニークな解釈、解説をほどこした。新しい発想を生み出すビジネス事典としてサラリーマン必携の書!
  • 殺意の盲点
    -
    「あの男よ! まちがいないわ。あの薄い唇、こけた頬」 唯一の目撃者である妻の眼を信じ、半年間追い続けた執念のパトロールがついに実った。対向車のウィンドー越しに見る憎い轢き逃げ犯人の酷薄な顔。一瞬、谷の脳裏に轢死された愛児の無邪気な笑顔が蘇った。そして、それはたちまち、犯人に対する激しい殺意へと変貌していった……。幸福な家庭を襲った突然の破綻。人間の持つ醜さ、哀れさを追求した傑作短編集。表題作ほか11篇を収録。
  • 影の分岐
    -
    人の一生に影のごとくつきまとう犯罪への道。それは甘い誘惑の香りを漂わせ、絶えず誰かが踏みこんでくるのを待っている。いま、あなたが立ちどまった人生の分岐点。影の道へ進むかどうか、それを決めるのはあなただ!作家志望の小高省吾は、同人誌のなかま松江の素晴しい才能に瞳れていた。ある時、松江をそそのかした小高は彼の作品で文学賞に応募、見事入選を果してたちまち流行作家にのし上った。だが、松江の存在に悩む彼は……。問題作「文学賞殺人事件」ほか5篇を収めた、森村誠一の傑作短編集!
  • 殺人の詩集
    -
    人気俳優が高層ホテルから墜落死した。さらに彼と最後に会ったコールガールも殺された。俳優の死体の傍らにはレイプ殺人を扱った本が落ちていた。警察はこれが事件を解く鍵とみて捜査を始める。誰しも忘れたい、隠したい過去がある。その過去が暴かれた時……。人間の心の奥底に潜む病理を抉り出すミステリー。(講談社文庫)
  • 狙撃者の悲歌
    -
    巨大暴力団組長殺害後に、兄貴分の身代わりで敵の組長の首を狙う若きヒットマン。その潜伏先でヒットマンと刹那の恋に生きるホテトル嬢。下宿先の娘をレイプ殺害され、復讐の炎を燃やす青年警官。大都会の根無し草同士が絡み合い、一点に集中したとき不可思議な光が点灯し、想像を絶する暗部を照らし出す。(講談社文庫)
  • ロマンの象牙細工
    -
    ミステリーの鬼才が明かす推理作法の秘密!推理小説的職業案内、トリック用動植物図鑑、推理小説的医学相談、ディスカバー・ザ・ミステリースポット等全編ミステリー尽くしのユニークなエッセイ集をどうぞ(講談社文庫)
  • 幻の墓
    -
    「俺たちのおやじを殺し、家庭を破壊した奴らをこのままにしておくものか!」。山頂に立つ二人の若者、美馬と名城は、暮れなずむ北アルプスの山々を見つめ、固く復讐を誓い合った。2年前、世間を騒然とさせたガスタンク爆発事件と毒入り粉乳事件。それぞれの事件で責任者の汚名を被り、謎の死を遂げた父たちの恨みをはらすべく、二人は社員として企業に潜入した。だが、彼らの前に再び陰湿な罠が……。企業悪を抉り、復讐をテーマに描いた、森村誠一の長編傑作。
  • 通勤快速殺人事件
    -
    満員の通勤電車がターミナル駅に到着し、先を争う乗客たちが奔流のように出口から吐き出された。その時、流れに取り残されてうずくまった一人の男。苦痛に顔を歪ませた彼の胸からは鮮血がしたたり落ちた!衆人環視の中で行われた大胆な殺人。警察は、面識のある人間の計画的犯行と見てただちに捜査を開始、被害者と同じ会社の経理係長に有力な動機を発見したが、その男の供述から、事件は意外な方向へ……。著者会心の表題作ほか5編を収録。
  • 棟居刑事の代行人
    -
    結婚式当日に失踪した新郎。その代役を務めたイベント代行業者の降矢は、翌日も現れない新郎の行方を探し始める。一方、警視庁捜査一課の棟居刑事は、連続老女強盗殺人事件を追っていた。それぞれに捜査を進める降矢と棟居だが、二つの事件は徐々に絡み合い大事件へと発展。政界・カルト教団をも巻き込んだ事件の全貌とは? 解説・池上冬樹

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  • 健康に生きる覚悟
    4.0
    80代になっても連載を多数かかえ活躍し続ける作家・森村誠一。一度も休載することなく執筆を維持していくためには生活習慣に秘密があった! 著者が健康に生きるために実践しているメソッドを大公開!
  • 星の旗 上
    -
    1~2巻594~638円 (税込)
    元特攻隊員の木島を不幸が襲った。暴力団・大門組の犠牲となり、娘一家が心中。さらに若き日に愛した女性と生き写しの香子までもが毒牙に。木島はかつての戦友達を招集し、復讐を果たすことを誓うが……。
  • 棟居刑事の砂漠の暗礁
    -
    新宿で助けた藤村雅子と、金沢高一はホテルで一夜を過ごしてしまう。雅子との一夜は、あまりにも甘美で金沢の心を揺さぶるものであったが、翌朝、手紙も残さずに雅子は消えてしまう。ところがその夜、金沢の妻の愛人が新宿で殺されていた。金沢のアリバイを証明できるのは雅子だけ――。そして驚くべきことに、同じ頃、雅子の夫も殺されていた!事件を追う棟居刑事は、二人の間に隠された事実に、捜査の糸口を見つけるが……。森村誠一が男と女の間の奇妙な関係を描いた、長編・社会派ミステリ。
  • 虚構の空路
    -
    小田原付近を通過中のひかり号車内で、検札の車掌が若い女の死体を発見!死因は青酸中毒で、目撃者の証言から、東京駅発車寸前に降りた男の犯行との見方が強まった。そして三か月後、こんどは都内のホテルで男の刺殺体が。2つの事件の重大な共通点が捜査本部を緊張させた。被害者は二人とも同じ会社の社員だったのだ。ただちに綿密な聞き込みが行われ、その結果、ある海外旅行社の営業部長が重要容疑者として浮かび上がった。だが彼には、両事件ともに完璧なアリバイがあった。巧みなストーリィの展開と意表をつくトリック、著者会心の本格長編推理小説。
  • 悪魔の飽食 第三部
    3.0
    1982年9月、著者は戦後三十七年にして初めて現地を訪れ、“悪魔の部隊”の痕跡を辿った。日本陸軍が生んだ世界最大規模の細菌戦部隊の本拠地「平房」に生々しく残っていた悪魔の爪痕!!マルタは本当に全員殺されていたのか? その遺族は? 特設監獄のあとはどうなったのか?第一部、第二部が加害者の証言の上に成っているのに対し、本書は徹底した現地取材に基づく被害者の側からの衝撃の告発の書である。
  • 棟居刑事の「人間の海」
    3.0
    駅のホームで突き落とされそうになる。見知らぬ車に乗せられて誘拐されそうになる――。有数の財閥・山上グループの社長令嬢・山上かおりは何者かに命を狙われていた。困り果てたかおりが逃げ込んだのは、社会からドロップアウトし、奇妙な経歴を持つ八人が住む“梁山荘”というアパートだった。八人はそれぞれの特技を生かして襲撃犯からかおりを守り始める。かおりは目撃者として、棟居刑事の捜査する殺人事件の参考人に挙がっていた。事件は意外な接点で繋がり始める……。都会で蠢く人間の友情と殺意を描く、傑作社会派ミステリ。
  • 新版 続・悪魔の飽食 第七三一部隊の戦慄の全貌!
    4.5
    1933年ハルピン市東南の背陰河で産声をあげた“悪魔の部隊”石井細菌戦部隊は、敗戦直前の1945年8月、最後のマルタ虐殺を行い、部隊施設を破壊し、撤退した――。戦後、第七三一部隊の研究成果は米陸軍細菌戦研究所に受け継がれ、朝鮮戦争にまで影響を与えた。「トムプソン・レポート」(米公文書)が明らかにした第七三一部隊幹部とGHQとの怖るべき闇の取引。幻の部隊「石井細菌戦部隊」を通して、集団の狂気とその元凶たる“戦争”を告発する衝撃のノンフィクション!
  • 銀の虚城
    -
    赤痢菌培養液がたっぷりと手に揉みこんだ男が従業員食堂のめし櫃のしゃもじを握った! 翌朝、三百名の欠勤者を出したホテル大東京は完全な麻痺状態に陥り、直ちに営業を停止した。出世欲に燃える男を巧みに利用する東都ホテル社長。ライバルのホテルの評判を落とすべく密命を受けた高村博は、餌につられて必死に画策する。しかし、犯罪まがいのことまでして成果を上げた彼を待っていたものは……。冷酷な大企業の腐蝕した内面を鋭くえぐる森村誠一の力作!
  • 密閉山脈
    値引きあり
    4.5
    その時、みかん色の灯が山頂に点ったのを貴久子はみた。だが、それは二人が誓った愛の合図ではなく、絶望的なSOS信号であった。翌日K丘頂上付近で、半身雪に埋もれた男の死体が発見された。徹底的な調査の結果、ヘルメットの破損部分に重大な事実が隠されていた! 北アルプスの高峰に「密室」を構築した著者の本格推理の最高傑作!
  • 凶通項
    -
    中どころの商事会社に勤め、平凡な生活を送る万波は、組織暴力団加島組組長を襲った大東組の沖山が自分と瓜二つなのを知り、愕然とした。加島組からは誤った標的として、大東組からは生贄として命を狙われることになった不運な男の恐怖! 一方、新婚旅行先で沖山に妻を凌辱された久連山、担当刑事・井手下も個人的な怨念から沖山を追う。日本最大の広域暴力団と、彼らを背後であやつる巨大商社を敵に、無力な市民が自衛の闘いを開始する。壮大なスケールで放つ、異色長編推理。
  • ラストファミリー
    -
    80歳に近い高齢で、死を待つだけになった老婆・横尾こう。こうには先に死んでしまった息子と娘の、嫁と夫に財産を残したくないという憎悪があった。こうの死の床に立ったのは、あろうことか死へのお迎えでなく、家に忍び込んだ泥棒だった。泥棒に再び怨念の火をつけられたこうは、復讐のために死の床から蘇える……。表題作をはじめ、不思議な出来事が奇妙な世界へと誘う「異次元の夜」、いつもついてない男を描いた「無責任な恐怖」を収録した傑作集。
  • マリッジ
    3.0
    35歳で独身の山上潔は、一念発起し「お見合いパーティー」に参加した。そこで、誰もが羨む美女・西畑茜と意気投合、人生の伴侶を射止めた。だが、結婚してから妻の性格が激変、日毎に別人のようになっていく。そのさなか、妻が殺人事件の重要参考人であることが判明し、山上は茜の過去を調べ始める。事件を追っていた警視庁捜査一課の棟居と新宿署の牛尾もまた、結婚という「愛の誓い」に潜む闇を照らし出していくのだが……。男女の普遍のテーマを活写した社会派ミステリー。
  • 殺人の花客
    -
    新宿の超高層ホテルの一室で、男性の死体が発見された。被害者は女性と宿泊する予定だったらしいがその形跡はない。かわりに見つかったのは“カタセタム”という日本では珍しいランの花粉だった。奇妙な手がかりをもとに女性の行方を追う新宿署の牛尾。だが、事件当夜にホテルで起こった幾重もの人間模様がさらなる迷宮へと誘う……。もつれた因縁の糸を、敏腕刑事牛尾正直が丹念に解きほぐしてゆく白眉の社会派推理。
  • 棟居刑事の悪夢の塔
    3.0
    売れっ子ホストの有光は、人身売買ブローカーたちから逃げ出した女性・トウイを、自分の部屋でかくまい始める。しかしトウイは忽然と部屋から消え、死体として発見される。一方、まじめで通っていた女子大生が、学校からの帰りに消息を絶ち、そして有光の上客の女性も消えてしまう……。まるで無関係だと思われた事件に接点が生まれ、容疑者が捜査線上に見え隠れする。棟居刑事は、事件の奥底にある事実を探りだし推理を始める。歪んだ社会の、屈折した人の心を描いた戦慄ミステリー。
  • ファミリー
    3.0
    最愛の恋人を不慮の交通事故で亡くした傷心の弓子は、数か月後、上司の薦めで見合いをし、結婚した。優しい夫と、理想的とも思える仲の良い家族関係。彼女はとても幸せだった。だが、しばらくすると、少しずつ微妙な違和感を覚え始めた。家族間の円満さの裏側に異常を感じたのだ。そして、それは彼女の胸の中で次第に膨れ上がっていった……。怪奇サスペンス。〈書き下し〉
  • 棟居刑事の復讐
    4.3
    警視庁捜査一課の横渡刑事は帰宅途中、暴漢に襲われた女性を助けようとして男と格闘し無念にも刃物で刺殺された。一方、襲われた女性も死体で発見される。殉職の訃報を聞いた棟居刑事は激しい怒りを覚え、「仇はおれがとる」と亡き横渡の面影に復讐を誓う。そして、女性被害者の身辺を調査中、遺品から28年前に起きた棄児事件を報道した古い新聞記事が見つかった……。燃える刑事魂が巨悪と対決する「棟居刑事シリーズ」第一弾!!
  • 棟居刑事の情熱
    3.5
    大手建設会社に勤める水原智彦は、政商、相川章一郎の孫娘真美と婚約しながら一方で、結婚を餌にホステスの瑞枝に近づき、彼女の身体を利用して着実に出世の道を歩んでいた。その頃、丹沢山中で相模中央電鉄社員、本宮恒夫が現総理への闇献金を運ぶ途中で殺された。そして新宿のマンションでは瑞枝の死体が。二つの犯罪に偶然なる符合。警視庁捜査第一課の棟居弘一良が果敢に捜査を開始する、棟居刑事シリーズ第2弾!
  • タクシー
    3.5
    タクシードライバーの蛭間正は、深夜、一人の女を乗せる。だが、彼女は「佐賀県に連れて行って」という言葉を遺し、車内で死亡。女は何者かに胸を刺されていた……。女性の名前は香月雅代。しかも、雅代の遺族の懇願で、蛭間は死体を乗客として、タクシーを走らせることに――。東京から佐賀までの道程で発生する凄まじい豪雨、突然の落石、そして、正体不明の追跡者。タクシードライバーが未曾有の困難に挑む戦慄のサスペンス。
  • 太平記(一)
    4.0
    鎌倉幕府の実態は腐り果てていた。執権は遊びほうけ、内管領が政治を思いのままにしていた。幕府討幕の志が捨て去れぬ後醍醐天皇は、近しい者と密議を繰り返していた。そして、夢のお告げに現われた天皇親政の先駆けとなる武士・楠木正成に使いを送るが、幕府側に動きを察知されて――。戦乱の世を激しく生きた英雄たちを、情熱的な筆致で描いた著者渾身の歴史大河小説。
  • 結婚の条件
    3.0
    サラリーマンの妻から一転、市長夫人、そしてベストセラー作家となった彩。だが、一躍有名となったために、自ら封印していた過去の男たちがつきまとうようになる。夫に気づかれぬように、彩は過去の男たちを排除しようと計画するが……。幸せな人生を約束されたはずの女性に訪れた突然の悲劇――。結婚という誰もが一度は考える普遍のテーマに、男と女の真の幸せとは何かを、切実に問うた渾身のサスペンス!
  • 魔少年
    4.0
    何一つ不自由のない家庭に育った子供が起こした「いたずら」。そこには恐ろしい意味が隠されていた――。ホラー短編の最高傑作『魔少年』をはじめ、“顔のない男”に日夜悩まされる『空白の凶相』。女の執念の憎悪を描く『雪の絶唱』。共犯であるはずの男から脅迫される『死を運ぶ天敵』など、人間の心の暗部を映す、現実的ホラー短編集。〈七つの恐怖〉
  • ミッドウェイ
    -
    ミッドウェイの空に交錯する非情の運命の糸――。昭和17年、太平洋に暗い戦雲が迫りくるなか、日米二人の青年は、自ら国家の命運を担い、空の戦士となった。だが二人には共に愛を寄せる美しき女性がいた……。歴史の巨大な魔力に翻弄される無念の青春。引き裂かれた想い。「戦争」と「人間」を考える、森村文学記念碑的叙事大作。
  • 棟居刑事の凶存凶栄
    3.0
    文芸誌の新人賞を受賞した香山は舞い上がった。早速会社を辞め作家へと転身するが、第2作すら発表できず苦悩の日々を送っていた。ある日、路上で自作小説を売る男・青空から作品を買う。文芸誌に発表したその作品は圧倒的反響を呼び、一躍人気作家になった香山は青空の作品を買い占めた。事情を知った青空は徐々に要求を増してゆくが…。心の闇と不条理が生む7つの完全犯罪を警視庁捜査一課棟居刑事が解く、傑作短編集。
  • 人間の証明 21st Century
    4.0
    福永幸一は帰宅途中、美貌の女性・藤宮さやを暴漢から救った。衰弱していたさやを福永は自宅で看護する。やがてひかれあい、結ばれるふたり。だが翌朝、さやは福永の許から消えた。童謡詩人・金子みすゞの詩集から切り取った一片の詩と置き手紙を残して――。数年後、金子みすゞの本を持っていた少女の母親が殺される。本の中には福永の名前が書かれた紙片が……。警視庁捜査一課・棟居弘一良(こういちろう)は再び人間の宿業と対峙する!
  • 新装版 青春の証明
    4.0
    霧の中、公園でデート中のカップルが、暴漢に襲われた。二人を助けようとした警察官は、逆にナイフで刺殺されてしまう。そして、助かった二人もなぜか現場から逃げ去ってしまった。数日後、男は女から別れを告げられた。「卑怯者!」という言葉を残して。男は自身の「罪」を償うために刑事に転職するが――。全てを懸けて意地を貫き徹した男を描く、白眉の“証明”シリーズ。
  • 野性の条件
    5.0
    窓際族という生活に折り合いをつけてきた哀川真也は、謎の美女・巨勢玲子との出会いで運命が一変する。哀川は玲子から誘われ、借金地獄に喘ぐ人やストーカー被害者などを救う組織「アネックス」に参加した。彼はその活動の中で生きることへの情熱を取り戻していく。だが、「アネックス」が某国からの亡命少女を匿ったことで事態は急変、哀川らは過酷な状況に陥っていくのだが――。人間の本質に深く踏み込んだ、傑作大河巨編。
  • 夢の原色
    -
    少年期のある体験から、アブノーマルな性的嗜好を持つようになった警視庁防犯部の新開征記は、高級娼婦である恋人・棚川貴代子と、夜毎快楽の極みをむさぼる。そんなふたりの周囲で立て続けに起こる殺人事件。それらはすべて“あの事件”につながっていた。復讐か、訣別か。19年前の忌まわしい記憶に性と人生を狂わされた男たちが、いま、それぞれの決着をつける……。艶やかに描かれる最新性風俗が連続殺人の謎と妖しく絡み合う、森村文学初の過激官能推理小説。
  • 殺人倶楽部
    3.0
    満員電車で痴漢の濡れ衣を着せられ、職と家庭を失った有田順二は、雑談クラブの主宰者と知り合う。不条理に人生を破壊された被害者たちが吹き寄せられる都会の片隅のカフェ。そこで語られるのは空前の報復計画か。生を謳歌する加害者たちは、相次ぐ事故で死傷していった!“見えざる手”、その正体とは!?(講談社文庫)
  • 深海の迷路
    3.0
    一人歩きの女性を狙う通り魔に、老舗和菓子屋強殺放火犯。それぞれの事件で愛する者を喪(うしな)った2人の若者が邂逅(かいこう)したとき、凍結していた事件が動きだす。深海の迷路のように錯綜する現代を映し、複合犯罪の糸はもつれにもつれ、ついに浮かび上がる予期せぬ犯人像。その残酷な真相に、あなたは耐えられるか?(講談社文庫)
  • ファミリー
    3.0
    婚約者を事故で亡くした弓子は、上司の薦めで見合いをした。羽室裕也は好青年で、羽室家も完璧な円満家庭にみえた。だが弓子の中では次第に違和感が膨らみはじめる。姉弟が父娘がそして夫と姑が……近親相姦も平然なおぞましい化け物連中だと気づいたとき、弓子はすでに恐怖の館の囚われ人となっていた!(講談社文庫)
  • マーダー・リング
    -
    なにげない日常から殺意は生まれる。取り違えた鞄に3千万円が。本来の所有者は何者かに殺された。着服したい男は、犯人を突きとめようとするが? (「殺意を運ぶ鞄」)。倒産会社の残務処理に追われ、ホテルの1室で憤死した男が最後に会ったのは? (「武士の情」)。悪意が醸成される都会の日常にこそ人生の陥穽(かんせい)が口を開ける。森村ミステリーの粋。(講談社文庫)
  • 雪煙
    3.0
    アルプスの名峰グロスグロックナーで出逢った二人、国際刑事警察機構(ICPO)の若き警察官高木史朗(たかぎしろう)とミステリアスな女性陽子は運命の恋に落ちた。二人の間を阻むのは、暗黒社会の抗争か、日欧両アルプスを舞台に壮大かつ巧緻に築かれた犯罪か。二人の悲恋に明日はあるのか!? 森村ミステリーの粋を集めた山岳ロマン。(講談社文庫)
  • 死者の配達人
    -
    かつて、謎めいた女性を誤殺して北アルプスに埋めた過去を持つ北尾俊也は、離婚と退職を機に贖罪(しょくざい)の旅に出た。青春の秘密を隠す現地では別件の女性が発掘され、近くの山道で死に場所を探していた中町由美子を俊也は救った。心に闇を抱える2人が追う事件。戦慄の果てに浮かび上がる恐るべき真相とは? ※本書は2002年1月に祥伝社文庫より刊行されました。住所表示などは執筆当時のままとします。(講談社文庫)
  • ガラスの密室
    3.0
    憧憬の女神、七条由香の無惨な死体を発見した北前真司は、無実の罪を押し付けられてしまう。真犯人はどこかで笑っている。天井の覗き穴に不審を抱いた棟居刑事と、兄の無実を信じる友美の執念の追跡! だが疑惑の男は、衆人環視のレストランで服毒死を遂げる……! 二転三転の冤罪事件、驚愕の真相とは!?(講談社文庫)
  • 作家の条件<文庫決定版>
    -
    作家になれる人、なれない人はどこが違うのか。通俗に堕さず読者からも乖離しない作品を生み続ける秘訣とは。半世紀近く創作の第一線を走り続け、松本清張、笹沢左保、山村正夫ら幾多の作家と交わった経験が、熱きメッセージとなり、志ある後進の背を力強く押す。小説を書きたい人必読の“作家虎の巻”決定版! (講談社文庫)
  • 刺客の花道
    -
    忠臣蔵の死に損ないが江戸の闇を斬る! 吉良家の用心棒であった朽木主膳(くちきしゅぜん)は正念場の赤穂浪士討ち入り当夜、女の家で一夜を過ごし、武士の面目を失った。賭場の主小吉に拾われた主膳には、闇の刺客の道しかなくなった。対するは、娘を庇う手負いの大道武芸者を餌食にする棒術の悪僧、生類憐みの世に人喰い犬を嗾(けしか)ける悪旗本。主膳に死に場所はあるか? (講談社文庫)
  • 悪道 西国謀反
    4.0
    吉川英治文学賞に輝く『悪道』、シリーズ第二弾! 西国雄藩浅尾家に御家騒動が勃発。幕府をも揺るがす事態に、名君となった影将軍は、伊賀忍者の末裔・流英次郎一統を安芸に遣わした。立ちはだかるは、奸臣・外村監物が放つ暗殺忍軍・風炎衆! だがなんと風炎衆は、江戸城の将軍暗殺の密命を帯びていた。大胆な構想で描く、これぞエンターテインメント時代小説。
  • 虹の刺客(上) 小説・伊達騒動
    -
    若き藩主を巡る策謀。権勢の行方はいずこに。仙台藩六十二万石。伊達政宗を超える大器と期待された3代藩主綱宗は、幕閣大老酒井忠清と共謀した有力家臣伊達兵部に陥れられ、二十歳にして隠居の身となった。幼い亀千代を擁立し、大藩を壟断する兵部。伊達家の重臣原田甲斐は、密かに起死回生を図っていたが!?史上有名な伊達騒動の真実に迫る圧巻! ※本書は1999年11月に朝日文庫より刊行されたものです。(講談社文庫)
  • 夢の原色
    5.0
    指1本触れることなく言葉を交わすだけで官能の極点に達する。性犯罪が専門の刑事、新開征記と高級コールガール。棚川貴代子の倒錯した関係は、新開の少年時代、憧れの美少女が凌辱されるのを傍観するしかなかった屈辱に起因する。風俗嬢殺害事件から性の深淵へと踏み入る野心的なエロティック・ミステリー。(講談社文庫)
  • 棟居刑事の複合遺恨
    2.5
    憧れの新任女性教師が中学の不良グループのリーダーに犯される現場を目撃した二人の青年。彼らはリーダーの殺害を実行した。だが二人は知らなかった。これが呪われた運命の序曲だと言うことを。社会派推理。
  • 路

    -
    資産家が失踪した直後、不動産が不審な形で売買された。やがて、その疑惑に関わる人物が殺人事件に巻き込まれてゆく。捜査を開始した新宿署の牛尾刑事は風化したはずの悲しみの渦中へと踏み込むことに……。
  • 人間の証明PARTII 狙撃者の挽歌 上
    4.0
    1~2巻682円 (税込)
    肌寒い夜、一人の少女が権兵衛老人の下に逃げ込んできた。とっさに少女を匿ったその老人は、かつて新宿で名を馳せた殺し屋集団の元組長であった。老人は少女を守るため修羅の世界に戻っていく――。
  • 青春の守護者
    -
    元エリート自衛官・羽月数也は、己の信念のもとボディガードになった。その羽月に学生時代からの因縁ともいえる依頼が舞い込む。そのために彼は絶望的な闘いを強いられることに……著者渾身のエンタメ巨編!
  • 窓

    -
    一流会社に就職が内定した隅野弘之は、出世の妨げになることを恐れ、遊び半分のガールフレンドと別れる決心をする。別れ話がこじれないよう一計を案じるが――。欲と保身のための計画が、連続殺人事件の発端に! 新宿署・牛尾刑事の忍耐強い追跡がはじまる。大都会にうごめく人々の錯綜する人生を描く、ヒューマン・ミステリーの力作。
  • 吉良忠臣蔵(上)
    5.0
    江戸城中・松の廊下の刃傷事件の背後には、冷酷無比な罠が張りめぐらされていた! 浅野家、吉良家、上杉家、そして将軍綱吉の側用人・柳沢吉保に、赤穂藩家老・大石内蔵助。権謀術数渦巻くパワーゲームを迫力豊かに描き、独自の歴史観で組み立てなおす実像忠臣蔵ロマン。
  • 悪しき星座
    3.0
    OLが旅先で拾った恋が地獄の入口とは。悪魔にそそのかされて横領した四億五千万円は忽然と消え、OLの遺体のみ廃棄物として発見された。女を騙し貪り尽くした凶敵を追う捜査が始まる。ようやく焙り出したOLに繋がる男も、突如消えてしまう。嗤う真犯人に翻弄されて、捜査本部はついに解散。残った二人の刑事が、執念の追跡行の果てに掴んだ真相を降りこぼれる満天の星座が語る本格ミステリ。
  • 死刑台の舞踏
    -
    女性を助けようとして暴漢と争い、相手を刺してしまった持田明。ところが、刺された男は、数日後全く別の場所で絞殺死体として発見される。そして第二の殺人が――。事件を担当した志水刑事は、殺された男たちが、少年時代の自分の怨敵と知り、複雑な思いで捜査を進める。やがて浮上した第三の男……。正義とは何か? 逃れられぬ人間の情念とは? 多重構成で人間の闇と光を描く、渾身の本格推理。
  • ガラスの恋人
    3.0
    過去を捨て、警備員として暮らす桐生。迷い猫が縁で、飼い主の少女・翔子と出会う。親しみ以上の気持ちを抱き始めた頃、彼女がボーガンで襲撃される。桐生は彼女を庇護し、ある殺人事件に関わっていることを突き止めるが……。秘密を抱えた少女との絆を守る為、男は封印した過去を掘り出し、圧倒的な巨悪に向かい合う。息づまる攻防の中に一筋の純愛を貫く男に、未来はほほえむか。傑作長編ミステリー。
  • 新幹線殺人事件
    -
    ひかり66号が終着の東京に近づいたころ、乗客の一人が男の刺殺体を発見、たちまち車内は大混乱に陥った。目撃者も凶器もなく捜査は極めて難航。捜査本部がようやく、事件の背後に、万国博の巨大な利権をめぐる二大芸能プロダクションの暗闘をつきとめた時、有力な容疑者が捜査線上に浮かび上がった。しかしその男には、鉄壁のアリバイが…。独創的な密室トリックと芸能界の裏面を抉る鋭い社会性とで、戦後推理小説中屈指の名作とされる、著者の最高傑作!
  • レッドライト
    3.0
    自分をゴミのように切り捨てた上司を撲殺した桑崎。逃走中、玉突き事故に遭遇しつつも帰宅した翌日、ニュースでは上司が殺害現場近くの路上で「轢き逃げされた」と、あり得ない報道が……。長編ミステリ!
  • 人生の究極
    -
    永井荷風や松本清張など偉大なる作家たちの足跡。言葉をとことん追い詰めて17文字に凝縮する俳句の世界。大震災の極限状況に出現した、原風景の価値。忠臣蔵から憲法改正まで、歴史と政治を検証する白熱の対談。それぞれの究極が現代の「生き方」に収斂する、吉川英治文学賞作家の熱いメッセージ。
  • 真説忠臣蔵
    4.0
    吉良邸で討死した鳥居理右衛門の首級(しるし)が消えた。その顔が、能舞台で「翁」を舞う将軍綱吉の面(おもて)に貼りついた――(「死面皮」)。周到な内蔵助の密命で後備えとして脱盟者に甘んじた高田郡兵衛らは、汚名にまみれた後半生を送っていたが――(「不義士の荊門」)。雪舞う夜を血に染め、士道を貫く赤穂浪士と主を護る吉良の家臣の凄絶な攻防。誉れある義士になれなかった者たちの栄光なき使命を描く第二の忠臣蔵。
  • 60歳で小説家になる。
    3.5
    60~70代での文学新人賞受賞者が急増中だ。その多くがリタイア後に、本格的に執筆を始めている。実は、出世できない人ほど小説家に向いている。自己顕示欲が強く、哲学的疑問を持ち、社会に不適合であることは、作家として重要な資質だからだ。現役時代にタネを仕入れ、時間が自由になる定年後にデビューすることこそ、理想の第二の人生。自身もサラリーマン経験を持ち、プロ作家を多数養成してきた著者が、その戦略とノウハウを伝授。
  • 街

    4.0
    新宿で発生した殺人現場に到着した牛尾刑事は、思わず息を呑んだ。被害者はかつて彗星のごとく現れ、劇的に消えた歌手・蓼科由里。以前歌舞伎町で、上京したての彼女を危難から救ったことがあったのだ。彼女のネックチェーンが別件の殺人被害者の物と知り牛尾は執念の捜査を進めるが、浮上した容疑者は連続不審死を…。様々な人間模様に彩られた雑食の街・新宿の光と影。野望の狩人の悲劇を浮き彫りにした傑作長編ミステリ。
  • 夜明けのコーヒーを君と一緒に
    3.7
    次期総理が確実な大物政治家・鏑木の醜聞を暴き、地方へ飛ばされた元大手新聞記者の藤中太郎。ジャーナリストの使命感に燃えた藤中は零細新聞社に再就職し、生命の危険を冒しながら政財癒着の金脈構造に果敢なメスを入れ、度重なる妨害をはね返しつつ巨悪の核心に迫る。ジャーナリズムの社会的責任を鋭く問う傑作長編ミステリ。

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  • 棟居刑事の悪の器
    3.0
    梅雨明け迫る豪雨の夜、都内で轢き逃げと女性の絞殺事件が発生した。手がかりが少なく暗礁に乗り上げた捜査陣に追い打ちをかけたのは、近くの新興宗教の元本部施設で絞殺死体が発見されたとの情報だった――。3つの事件を結ぶ見えない糸を手繰るほどに、人間の欲望のすべてを包む巨大な器・東京の構造悪が浮かび上がる。悪の狩人・棟居刑事は、いかにして「悪の器」を踏まえて笑う犯人を追い詰めるのか? 傑作長編。
  • 破婚の条件
    -
    昌枝は自分でも説明がつかなかった。相思相愛、理想の結婚を実現した7年後、突然、夫の慎治が嫌いになってしまった。嫌悪を抑えきれず、夫を殺すべく完全犯罪を企てるが、決行当日、夫はすでに殺害されていた。事件に注目した棟居刑事は、巧妙に仕組まれた犯罪を追及する。自由、多額の保険金、新しい恋人を一手にした昌枝が陥った人生の深い罠とは。愛憎と欲望に翻弄される人間たちの悲哀を描ききった、棟居シリーズの白眉。
  • 悪道
    3.5
    時は元禄。将軍綱吉が柳沢邸に御成り中、天下の大乱を招きかねない変事が勃発。吉保は秘密を知るもののみなごろしを暗殺集団猿蓑衆に命ずる。伊賀忍者の末裔の流英次郎は天才女医のおそでを護り、おくのほそ道を血に染め、逃亡の旅へ。強大な敵の喉元に迫るは不屈の一寸の虫たち。一方、江戸城奥深くでは、生きる屍のような「影」が「このまま飼い殺しにされてたまるか」と、その時を待っていた……。人の業を問う、傑作時代小説。
  • 新・野性の証明
    -
    元国際工作人の作家・武富の主宰する小説教室が合宿中の無人島に、記憶喪失の美女しぐれが漂着する。彼女を追う闇組織、そして国際的暗殺集団に、武富率いる受講生は智恵を絞り懐の窮鳥を護る果敢な闘いを展開する。凄絶な攻防の中に受講生は、次第に秘めた野性に目覚めていく。一方、棟居刑事はしぐれの素性に国際的な秘密を嗅ぎ取り捜査の網を絞る。文明の利器の奴隷となり自らを失いつつある時代に人間性の回復はできるのか?
  • 霧笛の余韻
    -
    霧笛が呼ぶ襟裳岬ですれちがった謎の美女千鶴子は、新進作家白沢に死の影を落とし、朝里川温泉のホテル火災で消息を絶つ。社長秘書の彼女には五億円着服の噂がまつわり、同社の幹部が墜落死した。両事件の関連を牛尾刑事は疑い、白沢は瓜二つの妹志鶴子と共に姉の足跡を追う。終着地で見た天地が逆転するほどの人間の暗黒とは? (講談社文庫)
  • 感染都市 オリジナル・アンソロジー1 病原体ミステリー傑作選
    -
    〈裏窓遊び〉と名づけて高層アパートから双眼鏡で覗きを愉しんで いた孤独なハイミスの電話交換手が何者かに殺された! 彼女は 何を見て殺されたのか? 自ら最悪の人生の結末を招いてしまった 女の運命の皮肉と驚愕の真相を浮き彫りにする「残酷な視界」をはじめ、病原体にまつわる逸品7編を厳選した傑作アンソロジー第一弾!
  • 江戸悪党改め役 刺客請負人
    5.0
    幕府大老格・柳沢吉保が病葉刑部を亡き者にせんと送り込んだ刺客は、清国からやってきた異形の暗殺団・蛇囚だった。シリーズ第五弾

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  • ホーム アウェイ
    4.0
    都心から離れた郊外で、念願のマイホームを手に入れた鶴川一家。初めは豊かな自然に囲まれ満足していたが、すぐに何かがおかしいことに気づく。ごみの収集がこない。テレビも映らない。バスも通っていない。しかも、住民は何故か老人ばかり。この完全な陸の孤島で、一家は恐怖の陥穽に嵌りこんでいく――。現代の病、人間の闇を描破したサスペンス・ホラー。
  • 新版 悪魔の飽食 日本細菌戦部隊の恐怖の実像!
    3.7
    日本陸軍が生んだ“悪魔の部隊”とは何か? 世界で最大規模の細菌戦部隊(通称石井部隊)は、日本全国の優秀な医師や科学者を集め、ロシア人・中国人など三千人余の捕虜を対象に、非人道的な数々の実験を行った。歴史の空白を埋める日本細菌戦部隊の恐るべき実像! 本書は極限状況における集団の狂気とその元凶たる“戦争”に対する痛烈な告発の書である。
  • 作家とは何か ──小説道場・総論
    3.0
    「作家」という職業とはどういったものか? 原稿の締め切りから編集者との付き合いなど、知られざる「作家」という生き方を紹介した異色の作家論。
  • 小説の書き方 ──小説道場・実践編
    3.3
    人気作家の森村誠一が、小説の構成、アイデアからプロットの立て方まで、小説を書くための基本を徹底的に解説した小説講座の決定版!
  • 闇の陽炎衆 刺客請負人
    5.0
    雄藩のお家騒動に巻き込まれた清楚な菊姫を、刺客の嵐の中、ただ一人守り抜いた松葉刑部。再び謎の暗殺集団陽炎衆に襲われた菊姫を護るため、立ち上がる。決して結ばれぬ主従の愛を一剣に賭けて最凶の敵と向かい合う孤臣の戦いの行方は……。「刺客請負人」シリーズ第四弾!

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  • 暗黒凶像
    4.0
    妹が飛び下り自殺の巻き添えで死んだ。その瞬間、出張先のホテルで秋谷修一は悪夢によって目覚めた。網膜に残像が浮かんでいる。妹が最期に見た何かを自分に伝えてきたことが彼には分かった。残像に引かれるまま、秋谷は裏磐梯へ。そこで出会ったのは記憶喪失の美女詩織だった。彼女の記憶を失わせた恐怖の体験とは。そして彼女に導かれるように明らかになる妹の死の真相と戦慄の秘密。

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  • 武士の尾
    3.0
    大石内蔵助を始めとする四十七士が吉良邸への討ち入りを果たす。その直前、大石の命令で仇討ち強硬派と知られる高田郡兵衛は脱盟を余儀なくされる。美しい妻を娶り、市井での平和な暮らしを始めた郡兵衛。だが待っていたのは、裏切り者の汚名に耐えつつ、己の使命を全うするという過酷な人生だった。美談の陰で生きた男が見たものとは?
  • 殺人の組曲
    -
    新入社員のふとした言葉に課長は青ざめた。この青年はもしや俺を追ってきたのでは? 青年の出身地で彼は昔、女を殺した。疑心暗鬼に駆られた課長はついに……(「籔の狼」)。旅先のスナップに偶然写りこんだ美女が、殺人の被害者として報道された。スナップの彼女の驚いた表情が意味するものとは(「写真」)。短篇巧手でもある著者の切れ味鋭い傑作集。

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  • 喪失
    3.5
    「もはや二度と会えない愛しい者の追憶を探し求めることは、生き残った者にとって残酷である」(「永遠の至福」より)棟居刑事が京都・哲学の道で買い求めた思い出の写真には、意外な悲恋の来歴があった。ある殺人事件が、写真に秘められた物語を甦らせる。ロマンチック・ミステリーの到達点!※巻末ページのリンク先にはジャンプ出来ませんのでご了承下さい。

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  • 未踏峰 上
    5.0
    1~2巻550円 (税込)
    大学最後の夏。雪吹は恋塚ら三人の親友と登った八ヶ岳で四人の女子大生と出会い、財閥令嬢の純子と恋に落ちた。しかしその愛は、同じく財閥の御曹司北上の出現で砕け散った。女子大生の一人京子はホステスとなりパトロンを得たが、何者かが彼を殺害。奇しくも事件を追い始めたのが警官となった恋塚だった。八人の前に立ちはだかる人生という未踏峰!

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  • 流氷の夜会
    -
    智美の満ち足りた新婚生活はつかの間だった。会社経営の夫の社業が傾くとともに得体の知れぬ鍬形一味が社内にたむろし、自宅には謎めいた航空写真が届き始めた。一枚ごとに、ある地点が拡大されてくると夫は怯え、ついには失踪。手掛かりを求めて写真の風景がヒョー越峠と突きとめた智美だが、まもなく同地で鍬形の撲殺体が…。峠に充満する殺意はさらなる生贄を欲していた。

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  • 氷の人形 アイス・ドール
    -
    悪名高き産廃処理業者の用地買収計画を内偵中の環境大臣秘書・香山の前に、中学時代の憧れの教師・綾子が現れた。香山は彼女が業者の一員であることを知りつつも逢瀬を重ねるようになる。だが、計画反対派の町長襲撃事件を境に、綾子の言動は妖しさを増し、事態は、中学時代の友人らとともに香山が封印した、忌まわしい過去へと繋がっていく。
  • 暗殺請負人 刺客街
    3.0
    図らずも三十二万石大藩の後継者となった鹿之介は、身を守るために妖艶な女忍・るいとともに落葉長屋に拠って、逆意方を迎え撃つ。だが、お家騒動には幕府の野望も絡み合い、彼我の攻防は凄絶を極める。鹿之介に対する恋心を隠してのるいの絶望的な戦い。四面楚歌の二人に活路はあるのか。空前の時代活劇、ノンストップエンターテインメント!
  • 暗殺請負人 刺客往来
    4.0
    将軍の実子・立石家良に、自らの家臣を殺されたことを知った鹿之介は、妖艶な女忍・るいと共に、仇討ちに乗り出す。だが、敵には、諸藩から恐れられる指南番率いる八剣士が仕えていた。凄絶な攻防が繰り返される中、家良の背後に潜む巨悪が巡らせた陰謀が明らかになっていく……。るいは愛する鹿之介を護ることができるのか。空前の時代活劇第二弾!

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