あらすじ
「ふしぎなことに,なにかがわたしのなかで息づきはじめました」──孤児の身から荒涼館の一員となり,世話好きな性格で誰からも頼られるエスター.彼女はなぜ見ず知らずの准男爵夫人の姿に衝撃を受けたのか.ロンドンでは,リチャードが終わりの見えない裁判に期待を寄せ,身元不明の代書人の死にまつわる捜査も広がりを見せる.(全四冊)
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Posted by ブクログ
大長編四冊中の二冊目。物語はゆっくりと加速していく感じ。
古道具屋クルックの下宿人・代筆屋ネモの正体を複数筋のひとたち(“謎の女性”や弁護士事務所員ガッピー)が探る中、主人公エスターは浮浪少年ジョー・若年メイドチャーリー経由で感染症に罹って失明する(したのか?)。
準男爵夫人レディ・デッドロックと他の登場人物との間の意外な関係が明らかになって、、と少々推理小説的な展開も重なって、後半どういう展開が待っているのか楽しみだ。
エスターが一人称で語る章のエスターによる人間描写はくすりと笑える箇所が多く、レフ・トルストイの筆に似た味わいだった。