あらすじ
英国の元底辺中学校に通うぼくの日常は、今日も世界の縮図のよう。摂食障害や薬物依存について考えたり、フリーランスで生きていくための授業。ノンバイナリーな教員。生徒たちが公約を読んで投票するスクール総選挙。声ひとつで人種の垣根を越えるソウル・クイーンな同級生。事件続きの毎日の中で少年は大人の階段を昇っていく。100万人が泣いて笑って感動した親子の成長物語、ついに完結。(解説・宮台由美子)
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アイルランド人の父と日本人の母を持つ「ぼく」が過ごす、英国・ブライトンでの中学校生活の最初の1年半を綴りながら、母である著者が英国だけでなく世界にはびこる社会問題を問う作品。
人種差別的な発言を繰り返す友人とどう付き合っていくのか。今にも擦り切れそうな制服を着ている友人にどうしたら傷つけずに中古の制服を渡せるのか。
様々な出来事や難題を素直に受け止め、悩みながらも自分なりに考えて行動していく姿に感嘆すると同時に自分だったらどうするだろうかと、とても考えさせられた。
多様性とは?共感力とは?アイデンティティとは?
扱っている内容は社会科の教科書のようだが、非常に読みやすく、内容がすっと頭に入ってくるのも本書のよいところ。
グローバルな世の中を生き抜く現代人はぜひ一度読んでみてほしい1冊。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
本を通じて、1作目からの息子さんの成長を覗き見れた感じで面白かった。
私には息子はいないが、こんなに色々母親と会話してくれるのかな、13歳といえど、自分の意見を伝えるし、聞いてくれるし、本当にいい息子さんでこれからも見守りたくなる。
イギリスの国の問題、色んな家庭の親子の問題、「でも、ライフってそんなもんでしょ。」と達観しているような息子さん、多難があっても、常に変化して生活は続いていく、当たり前だけどそうして息子さんも成長していくんだな。
途中の日本のおじいさんの手紙のところは私も泣けてしまった。