あらすじ
同じ造りの二軒の家の片方が焼失して十余年。残された〈二軒家〉は川越の「町づくりの会」によって、昭和の生活を紹介する資料館として改修されることに。片付けのボランティアに参加した守人は、家の声の導きで、天袋に収められた七段飾りのお雛さまを見つける。しかしなぜか、三人官女のひとつが欠けていた。雛飾りの持ち主を探す守人たちは、二軒の家に暮らした家族の想いに寄りそってゆく。過去を知り、未来に向き合う力へと変えつつある守人の歩みを描く。シリーズ第三作。
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Posted by ブクログ
シリーズ三作目。進むごとに素敵だなと思う箇所が増えてきた!
家と益々会話するようになってきたのは単純に面白い。
第三話のやりとりが印象的だった。自分は会社勤めだけどそれでも仕事に通ずる点だなと共感した
「いまできることだけやってるんじゃダメなんだ。」
「あたらしいことに取り組まないと先細りになる。」
あと、将来について悩んでいる中で描かれていたシーンも驚きがあった
「自分のためだけに生きるのは重荷なんじゃないか」
人は繋がりがないと生きていけない
Posted by ブクログ
携わっていくイベントなどから自分に何ができるかを考えだし、ひとつの道筋を見つけたかも、というところまできました。
読めば読むほど川越に行きたくなります。カフェ巡りもしたいですし、お店も見に行きたいです。夜の川越も惹かれますね。落ち着いたら本当に宿泊してのんびり回りたいなと思います。
Posted by ブクログ
七段飾りの雛人形。以前の実家にもあったなぁ。
大きくて、飾るのにも片づけるのにも手間が掛かり、その上、小学生だった私はそんなものに興味は無くて。
凄いとは思ったけど、嬉しいとは思わなかった。
買ってきた親に悪いから、それなりの反応はして見せたけど。
結局、2、3回しか飾らなかったように思う。
「雛の家」の二軒家の雛人形、役目を終えた人形が戻ってきて、揃って飾ってもらえて良かった。いい話だった。
家の声が聞こえる人が他にもいることを知り、しかもその方の家を建てた人と自分は血縁関係で、家を建てたその人も、家の声を聞くことが出来たという。
守人がこのことを知っていく下りがとても響いた。
特に、喜代さんとの会話。
理解者がいるという安心感は、守人にとって初めての感覚だったろう。
人間関係もどんどん広がっていくが、嫌な人が出てこないので、楽しく読める。今後も楽しみ。