【感想・ネタバレ】江戸彩り見立て帖 色にいでにけりのレビュー

あらすじ

“色”で江戸の難題、解決します。
累計32万部突破「居酒屋ぜんや」シリーズの坂井希久子、
文庫オリジナル、新シリーズ始動!

江戸時代は、洗練された美意識と、繊細な色彩感覚が頂点に達した時代でした。
もしも、江戸にカラーコーディネーターがいたら……?

お彩の父親は腕のいい摺師でしたが、火事で視力も、仕事場も失ってしまいます。
盲いた父の面倒を見ながら貧乏長屋で暮らしているお彩。
婚約者との縁談も流れ、粗末な木綿の着物に身を包んでいますが、お彩には、天性の鋭い色彩感覚があるのでした。

そこに目をつけたのが、謎の京男、右近。
一本気なお彩に邪険のされながらも、懲りずにまとわりつく右近は、お彩に次々と色に関する難題を持ち込みます。
そして、“江戸のカラーコーディネーター”、お彩の活躍が始まります!

着物や芸能にも詳しい坂井さんならではのエピソードや、
色や柄にまつわる知識も満載。
例えば鼠色だけでも、これだけ種類があるのか!と驚かされます。



お彩はお蔦の顔と見比べながら、帳面をめくっていく。
白鼠、銀鼠、藤鼠、湊鼠、錆青磁、柳鼠──。(中略)
「あっ!」
唐突に、記憶の糸が張り詰めた。
一枚の錦絵がするすると、脳裏に引き出されてくる。(本文より)



新作菓子の意匠から花魁の仕掛けの図案まで、豊かな色彩溢れる江戸のカラーコーディネーターとして活躍するお彩の人情物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

2022年最初の大当たり。そもカラーコーディネーターが興味深い仕事なのに、時代劇と小さな謎解き要素まで混ぜ込んだらそれはもう面白いに決まっている。お話としてはまだ切りが悪いので、シリーズ化と続編の刊行を待ちわびる。

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2022年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

古典文学をよんでいると、日本とはなんて色彩の溢れた国なのだろうと思う。

十二単衣に使われた襲、四季を表す言葉。絵画に映し出された美しい色。

この物語の主人公のお彩は元摺師の父を持つ娘。火事で何もかもを失ったことでやさぐれでしまった(^◇^;)

ですが、彼女の鋭い色彩感覚を活かしてくれる上方の男、右近との出会いで彼女の人生は新しい道に向かっていく。

新シリーズ、楽しいです♪

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2021年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2022/10/22
1話目だけ読んだことあると思ったらお料理の短編に載ってたのか。
展開は面白いんだけど、お彩がイヤだイヤだばっかり言ってんのがな。
腹くくれ。
そして無双する続きが見たいですよ。
やっぱ色にいでにけりなんだから恋に発展してくれんと。

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2022年10月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

色彩にするどい感覚を持つ主人公の彩。その才能を見出し、嫌がる彩をありとあらゆる手段を使って説得し、色の見立てをさせる右近。

生きる屍になっていた彩の父親のために、右近は仕事を斡旋し、父親の信頼も得ていきます。

外堀から埋めていくような右近の行動は、見事でした。

最後に右近の正体がわかり、彩は正式に色の見立ての仕事を依頼されます。

どのような見立てをするのか、続編の『朱に交われば』を読むのが楽しみです。

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2023年02月15日

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