【感想・ネタバレ】「利他」とは何かのレビュー

あらすじ

【コロナ時代。他者と共に生きる術とは?】コロナ禍によって世界が危機に直面するなか、いかに他者と関わるのかが問題になっている。そこで浮上するのが「利他」というキーワードだ。他者のために生きるという側面なしに、この危機は解決しないからだ。しかし道徳的な基準で自己犠牲を強い、合理的・設計的に他者に介入していくことが、果たしてよりよい社会の契機になるのか。この問題に日本の論壇を牽引する執筆陣が根源的に迫る。まさに時代が求める論考集。

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利他の最大の敵は、「これをしてあげたら相手にとって利があるだろう」という「私の思い」に基づいて、特定の目的に向けて他者をコントロールしてしまうこと。利他は本来、「自分の行為の結果はコントロールできない」「見返りは期待できない」という数量化し得ない、意味から自由な「余白」が原則である。

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2025年01月02日

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「利他」について5人が違うアプローチで切り込んでくる。「利他」を推奨するような本なのかと思っていたが、純粋に「利他」を科学している内容で、これはこれで大変興味深い。仏教的なアプローチはありそうだが、言語的なアプローチなど思いもしなかった。能動でも受動でも無い「中動態」も考えさせられる内容だった。おすすめ。

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2022年10月20日

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利他: うつわになること。意図的な行為ではなく人知を超えたオートマティカルなものであり、そこに利他が宿る。

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2022年09月13日

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専門が異なる著者らの視点から「利他」を考察する。利他は主義にすると怖い。なぜって「私の思い込み」でやったことが、結果的に他者の助けになれば「利他」だろうが、時として「余計なお世話」にも「押しつけ」にもなる。自分の思いを正当化して、相手の言葉や反応にほとんど耳を傾けず、独善的な「支配」でしかなかったとしたら……。若松さんの“利他は行うものではなく、生まれる”という意見がストレートに効いた。

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2022年07月24日

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昨年NHKの番組でジャック・アタリ氏が発した「利他主義とは合理的な利己主義」という言葉に私もとても共感したのだけど、この東工大の研究会のメンバーがまた豪華だし、とても面白かった。特に伊藤さん、中島さん、若松さんの章はわかりやすいし読んでいて膝を打つことが多かった。
放送直後にもこのジャック・アタリ氏の発言には反響が多かったような気がするし、今後もこの研究を重ねてまた本を出してほしい。

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2021年06月08日

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5人がそれぞれ違う専門分野から利他の解釈を論じる。その発想の違いは面白い。「おわりに」でも中島氏が「うつわ」と表現しているが、私は自然と生まれる見返りを求めない人間性、と解釈した。

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2025年01月16日

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