【感想・ネタバレ】かがみの孤城 下のレビュー

あらすじ

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。 輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。 そこには“こころ”を含め、似た境遇の7人が集められていた。 なぜこの7人が、なぜこの場所に―― すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。 受賞歴:2017年啓文堂書店文芸書大賞・大賞、『ダ・ヴィンチ』BOOK OF THE TEAR特集 小説ランキング部門・1位、『王様のブラインチ』ブランチBOOK大賞2017・大賞、第11回神奈川学校図書館員大賞(KO本大賞)・大賞、埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2017・1位、熊本県学校図書館大賞2017・大賞、第15回本屋大賞・1位、第6回ブクログ大賞 小説部門・大賞

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Posted by ブクログ

ネタバレ

先の読めないストーリー展開や後半の伏線回収や盛り上がりが凄くて、先が気になって仕方なくて無我夢中で読破、思わず涙も....
職場、家庭という狭い世界だけじゃなくて、
息抜きや気分転換しながら広い視野で、楽しく生きていくためには他の世界も作ることってやっぱり大切だなって再認識。

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

先日「傲慢と善良」を読んで、この筆者さんの話はあまり自分には合わないな~と思っていたんだけど、同僚にこちらの本を進められて再度辻村作品にチャレンジ!

読み始めたときは、主人公が自己中心的な感じがして(勝手に「ここでは学校の事は話さないのが暗黙のルール」と勝手に思い込んでいるとか…)が苦手だな~って思ってたんだけど、徐々にみんなの背景が分かり始めるとそういうところは気にならなくなった。
寧ろどうなるのか気になってどんどん読めてしまった。
そして、7人の成長っぷりが良い。がんばれ!って応援してた。
最後は大団円になって本当に良かった!
そして、プロローグからエピローグまで伏線回収がすごくて、とても小気味よい!という感じでした。
途中で年代のズレなんじゃないかなというのは気づいてしまったんだけど、オオカミさまがまさか実生だったとか、喜多嶋先生が実はアキだったとか、プロローグの夢の転入生はリオンだったとかは気づけなかった~。

最後に登場人物たちが「ここ(中学校)は狭い世界なんだ」って気づけたり、「ちゃんと自分の意見を言っていいんだ」って気づけたり…みんなが良い成長をしてくれて本当に良かったし、これは中高生が読むといいのではないかなと。
先日読んだ「きみの友達」は、大人になってから読む思春期の「学校の狭さ」の確認ができる物語だったけど、この話は「学校の狭さ」を渦中にいる中高生に分かりやすく気づかせてくれる様な気がする。

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2025年11月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全員学校に行ったのに会えなかった。
その謎は解けないままだった。
ある日アキはルールを破り心以外の全員はオオカミに食べられてしまう。
こころはみんなを助けるため、みんなの記憶を旅して、アキを願いの部屋から救い出す。
そして全員違う時に生きていたことにきづく。
記憶は消えてもいつか会えることを胸にみんな現実へと戻っていく。
オオカミ様の正体はリオンの死んだ姉だった。
リオンの願いを叶えたのだった。
そしてみんな共通で知っていた喜多嶋先生はアキだった。アキはリオンの姉の先生で、そこからフリースクールの先生になった。これからこころやウレシノともかかわっていくのだろう。

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

デビュー作を思い出させる、まさかの展開でした。

まさか皆(理音以外)同じ中学校だったとは⋯とおどろかされ、
下の途中からこれは年代がズレてるのでは??と気がつく。
伏線回収したさに続けて2回目読んでしまった⋯!

上のいたるところに伏線があるけど、スバルのキャラなどでそこが上手くぼかされていて全然気付かなかった⋯!

さらにやたら出てくる喜多嶋先生がまさかのアキ。覚えてなくても、気持ちで繋がっている描写がよかった。
出会いのやりとりが最後にもまたあり、アキ=喜多嶋先生と分かって読むと⋯(私も第5中学校だったよのところが(;_;))

※どんでん返し以外の内容の感想※
マサムネ、スバルあたりの過去の話に心が揺れました。あとアキ。

ウレシノ
皆に馬鹿にされる⋯
学校でもお城でも。なんか小馬鹿にされる人っているし、でもそういう人が何も思ってない訳ではない。


アキ
しっかりしていそうで、1番の問題児⋯母の再婚相手の仕打ちなど、壮絶ななかなんとか生きていたんだと思った。
最後のシーンで、鮫島先生のことをちゃんと頼ろうと思ったという文で、なんとかなる人は“頼る”気持ちを持てる人なのかもと思った。


マサムネ
自分がついた嘘で苦しむパターン。親が味方してくれるのがありがたいけど、引っ込みつかくなったかんじ?

ちょっとした嘘をついてしまうことって若い時には尚更ある(全く嘘をつかないのも友人関係上手くやってけないだろうし⋯)
見栄を張りたくなる(子供はそうすると自分の首を締めることにも気が付かない)のがリアルだなぁと感じた。

親が学校と喧嘩しちゃうのもあれだし、そもそも息子が嘘をついたことがはじまりなんだからそこはちゃんと叱った方が本人も引きずらないような気もするが、子供を守りたい気持ちも分かる。反省するのは本人しか出来ないので、親としての行動は(大正解ではないが)間違ってはないのかなと思った。


スバル
1番ぐっときた。時代背景もあると思う。年代が前のアキやスバルはやっぱり問題が深刻な気がする(皆大変だけども)
フリースクールも喜多嶋先生もいない。自分の部屋も親も自分のために必死な人も持ってない。持っている人達に嫉妬じゃなくて贅沢だと思う気持ち。
たしかに、自分と今の子を比べても“贅沢”になっている気がする。それが進歩ということなんだろうけど。
スバルの過去の記憶を読んだ時、無性に抱きしめたくなった。

スバルとマサムネの友情もよかった。

皆幸せになってほしいと願う本でした。






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2025年10月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

話に引き込まれて一気読み。
怒涛の展開だったな、、、
アキのルール破りのところが怖くてドキドキびくびくしながら読み進めたけど間に合って本当に良かった
年代が違うにそういうことか〜って全然気づかんかったし、理音のお姉ちゃんだったのか〜〜ってなったし、最後もあーーこうなるのねってなって綺麗な終わりに感動した
本当は未来でみんなが会うところとかも気になったけど、こころが主人公だからかな。あとは想像にお任せしますってことなのかな。

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2025年10月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本当にこの作者さんは心理描写がとても上手で好き。
皆が会えなかった理由と喜多嶋先生の正体も分かったけど、他にも伏線は沢山あってあれはこういうことだったんだと驚く所も多かった。
皆がいつか出会う所も読みたかった。
リオンが多分引き合わせそうだけど…
私が読んだのは上下巻ある文庫本だけど、単行本で一気に読みたいお話だなって思いました。

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

4.3

圧巻。読み終わるまでこの作品は語れない。
ただのSF小説なんかではない。
最後の最後まで伏線回収がすごい。

時間軸が違うのは曜日が違う時点でそう思っていたし、その絶対ありえないファンタジー感にちょっとガッカリするも、
「私たちは助け合えない」という言葉がなぜあそこまで強調されていたのかが分かる。時間軸が違うからこそ助け合えるし、助け合っていた。

リオンの姉の願いから出来上がった城、そこもなるほどと思ったが、何よりアキが…

それぞれの子供たちの背景が描かれるのもよい。

アキが城を出たくなくて、ルールを破ったのもわかるし、それを助けたこころ、そしてアキが大人になってまたこころを助ける

これえぐい。

素晴らしい作品でした

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2025年11月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻に引き続き、早速、拝読。
あぁ、面白い。素敵な世界だ。

最後の結末には、感動でき、そしてまた、伏線回収が見事だった。

二月二十九日のお別れの日、こころとリオンが再会した日、喜多島先生の正体、真実が分かった瞬間、最終局面に向かうにつれて、とにかく泣ける。

学校に行けない子、いわゆる不登校。学校に行けないことには、必ず理由がある。両親の思想、影響によるかもしれない、はたまた両親がいなくて拠り所がないのかもしれない、周りからの期待や重圧で、居場所がないのかもしれない、いじめや、いじめに近いことが起きたのかもしれない。

教職を目指している者として、不登校や学校に行けない、行きにくい子達のことを理解したい?支えたい?そういう思いも、心に残った。伊田先生の立ち回り方は、絶対にしないでいよう。

鏡の中の孤城。学校に行けなくても、独りぼっちで、孤独ではない、世界のどこか、いや同じ世界に必ず仲間はいるということを教えてくれた作品。

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2025年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

孤城は、つらい現実から子どもたちを守る、安全な避難場所。
​孤城にいる間は、学校や家庭での問題は解決しない。
​喜多嶋先生が言った「たかが学校」という言葉は、学校という狭い世界に囚われる必要はない。しかし、その次には、自分にとっての「広い世界」を見つけ、自分の力で居場所を作っていくというステップがある。
​では、どうすればその「広い世界」に目を向け、自分の居場所を見つけられるのか?
​作中の子どもたちは、はじめは孤立していましたが、孤城で出会った仲間たちと心を通わせることで、次第に自分の心を開いていきます。一人で抱え込まず、誰かに話すこと。これが第一歩。
​こころたちにとって、孤城での経験は人生でたった一度の、かけがえのないものでした。この体験が、彼女たちの心を強くし、「もう一度頑張ってみよう」という気持ちを生み出した。それは、必ずしも壮大な体験である必要はない。趣味や部活、ボランティアなど、心から「楽しい」「夢中になれる」と思えることを見つけることが、新しい居場所への扉を開く。
​孤城のメンバーは、互いに支え合いながら、現実の世界で少しずつ変化していく。たとえば、無理やり学校に行くのではなく、別の場所で勉強したり、誰かと小さな約束を交わしたり。そうした小さな成功体験を積み重ねることが、自信につながり、一歩踏み出す勇気を与えてくれる。
​この物語から、人生における「逃げ場所」と「新しい居場所」の関係性は、
子どもだけでなく、大人も考えさせられるテーマ。

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2025年09月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上下巻あるので読むのに時間が掛かりそうだと思っていたけれど、字が大きくてすぐに読み終えてしまった。そういった点で、小学生や中学生でも読みやすくて、自分がその時に読んでいたらかなり影響されただろうなと思った。

それぞれが違う年代を生きているという真相に関しては、フウカがクラス数を少なく間違えているシーンで勘づいた。三学期の最初の日、1月10日にみんなで会おうとしたとき、こころの母が、始業式は1月6日だったよ、と言った時点で確信に変わった。そこからマサムネがパラレルワールド説で、みんなで会えなくて悲しんでいる時も、多分それぞれが違う歳で会えるんだろうなと思いながら読んでいた。
オオカミさまがリオンの姉であるというのは、それぞれが7年刻みで離れているのに、1999年を生きる人だけいなかったことが分かったときに気づいた。
でも、喜多嶋先生が晶子であるということは予想してなくて驚いた。それがわかってから、こころとの関わり方をもう一度見てみると、喜多嶋先生の言葉がより心のこもったものに聞こえた。

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2025年09月17日

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