あらすじ
学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。 輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。 そこには“こころ”を含め、似た境遇の7人が集められていた。 なぜこの7人が、なぜこの場所に―― すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。 受賞歴:2017年啓文堂書店文芸書大賞・大賞、『ダ・ヴィンチ』BOOK OF THE TEAR特集 小説ランキング部門・1位、『王様のブラインチ』ブランチBOOK大賞2017・大賞、第11回神奈川学校図書館員大賞(KO本大賞)・大賞、埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2017・1位、熊本県学校図書館大賞2017・大賞、第15回本屋大賞・1位、第6回ブクログ大賞 小説部門・大賞
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Posted by ブクログ
あらすじを知らずに読み始めたため、想像していた以上に現実的で重いテーマが描かれている作品だと感じた。ファンタジー要素のある物語だが、不登校の中学生の心情がリアルに描かれていて、読んでいて胸が苦しくなる場面も多かった。
特に印象的だったのは、主人公のこころが周囲の何気ない言葉によって少しずつ追い詰められていく場面である。悪気のない言葉であっても、受け取る側にとっては大きな負担になることがあり、その積み重ねによって人を孤立させてしまうなと感じた。また、本来安心できるはずの家という場所でさえ、辛い記憶や逃げ場の無さから、完全には心が休まらない様子が描かれていた点も印象に残った。
ただ、同じように悩みを抱えた人たちとの関わりの中で、少しずつ心が変化していく様子にはとても心が温まった。すぐに打ち解けるのではなく、距離を取りながらも徐々に関係が築かれていく過程を読んでいると、自然と登場人物たちを応援したくなった。
そして、「願いを叶えることより、記憶を失いたくない」という考え方にも強く共感した。どんなにつらい経験であっても、大切な人との記憶は失いたくないと思う気持ちはとても共感できるものなので、この作品の大事な部分なんだと思う。
もう一つ印象的だったのは、「いじめ」という言葉が作中で明確に使われていない点である。それは、子どもにとって自分が体験した出来事を一言で片付けてほしくないという思いがあるからではないかと感じた。実際にはもっと複雑で、本人にしか分からない苦しさや積み重ねがあって、その重さをあえて単純な言葉に置き換えていないのだと思う。しかし、それを「いじめ」という一言にまとめている大人も現実にはいるし、そういう人は悪気があって言っているわけではないことも残念だなと思った。
この作品を読んで、自分が将来親の立場になったときのことも考えさせられた。もし自分の子どもがこころのような状況になったとき、どのように接すればよいのか、どこまで寄り添い、どのように見守るべきなのかが分からなくなった。何気ない言葉が相手を追い詰めてしまう可能性がある一方で、何もできない無力さも感じ、とても難しい問題だと思った。
親子関係が悪いわけではなくても、自分のつらい状況を打ち明けることはとても難しいのだと感じた。むしろ関係が良好であるからこそ、心配をかけたくないという思いや、どう伝えればよいのか分からないという迷いがあり、言い出せなくなってしまうのだと思う。
ただ一つ確実なこととしては、その苦しさを「大したことではない」と軽く扱ってしまうことが、最もしてはならないことなのだとも感じた。本人にとっては深刻な問題であり、その重さを理解しようとする姿勢が何より大切なのだと思う。
全体を通して、本作は読んでいて楽しいだけの作品ではなく、心に重く残る場面も多かったが、それ以上に人とのつながりの大切さや、他者への理解について深く考えさせられる作品だった。下巻でどのように物語が展開していくのか、とても楽しみなので、これからすぐ読もうと思う。
Posted by ブクログ
もっと早く読んでおけばよかったと思うくらい面白かった!パラレルワールドに迷い込むようなファンタジーものは苦手意識があったけど上下巻あっという間だった。
孤城で過ごした彼らのかけがえのない記憶は友達を救うために無くなってしまった。
記憶が無くなって悲しい結末かと思いきや、現実世界で出会い、助け合えていたという結末には鳥肌がたった。
面白かった!
Posted by ブクログ
じんわりと温かさを感じる、自分に寄り添ってくれるような感じの物語です‼︎こころちゃんの学校に行けなくて罪悪感を感じてしまう描写や、それとは反対に城での生き生きとした姿がすごくリアルで感情移入してしまいます!同じ中学校に通う予定だった生徒達であるということが判明した今後の展開、そしてオオカミ様が何者なのかといったことについても下巻を楽しみに読みたいと思います‼︎
Posted by ブクログ
クラスの中心人物である女子に目をつけられ、中学校に行けなくなったこころ。ある日部屋にいると、鏡が光り始め、触ってみると中に入り込んでしまう。そこは現実とは違った城のような場所で、こころの他に6人の中学生が集められていた。彼らは、目の前に現れた「オオカミさま」に、見つけると願いが1つ叶う鍵が城に隠されていることを知らされるー。
序盤は、中学生という年齢だったり、鏡を通り抜けて城に行けるという設定から、児童文学的な感じがしていたが、こころを中心とした、学校に行けていない子供たちの心情やそこから来る言動など、リアルな描写が多く、読み進めるごとにそれらの変化や新たな展開もどんどん出てきて、気づいたら夢中になって読んでいた。
こころのような、直接的にわかるようなイジメを受けたわけではない子供に対する、親や先生の目線、それに対し心に傷を負った子供の目線。先生はあくまで仕事であり、みんなを平等に扱う必要があることも確かだが、嫌がらせを受けた身としてはその態度が不信感に繋がるなど、大人になった今だからこそ両方の立場がわかる気がして、考えさせられた。男子とは違う、女子同士の少しピリッとする雰囲気だったり、些細だがリアリティのある描写は、女性作家ならではだと感じた。
果たして鍵は見つかるのか、願いと引き換えに城の記憶を失うことを選ぶのか、そして彼らが同じ中学の生徒ということがどんな意味を持つのか、引き続き読み進めたい。
Posted by ブクログ
いじめを受け不登校の子どもたちが「かがみの孤城」で出会う。現実では居場所がなくなってしまったが、孤城ではだんだん仲良くなっていく様子にほっこりした。孤城で仲良くなった子たちと現実で会えばいいじゃん!って思った。
Posted by ブクログ
映画化もした本屋大賞受賞作ということで読んでみました。
上巻の時点では登場人物の説明含めた風呂敷を広げている段階なのであまり深い感想はなかったです。
中学生の不登校の悩み、人間関係がテーマになっていますが、子ども視点の語りが中心になるので、そういう意味ではあまり感情移入しきれませんでした。
終盤でみんなと会おうってなってるけど、たぶん時間軸がズレてるとかで会えないんだろうなという予感がします。これまでも微妙なすれ違いとかあったし。
それとこのかがみの孤城はいったい何のために作られた空間なんでしょうか。
そのあたりの話が下巻で明らかになると嬉しいですね。