【感想・ネタバレ】螢坂 香菜里屋シリーズ3〈新装版〉のレビュー

あらすじ

ビールの苦みが、心に寄り添う夜がある――

何度でも味わいたい、極上のミステリー!


若き日の面影を探して街をさまよううち、
カメラマンの有坂祐二はビアバー《香菜里屋》に辿り着く。

十六年前に別れた恋人の名を耳にした男は、
料理上手で聞き上手のマスター工藤に心をほぐされ、
胸の奥底にしまっていた過去を語り始める。
そこには思いもよらぬ謎が――(表題作)。

連作短編ミステリーの傑作!

解説 藤田香織

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Posted by ブクログ

ネタバレ

今回は「待つ」がテーマのように感じた。特に「狐拳」の話は余韻が残る。シリーズ3となり、店主工藤の謎も垣間見えてきた。次作が楽しみだ。
解説から、1999年からシリーズが始まったそうだ。今でこそ美味しい小説は珍しくないが、その当時は美食と蘊蓄とミステリーが相まった小説は珍しかったとのこと。先駆けだったのかしら。

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2025年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

目次
・蛍坂
・猫に恩返し
・雪待人
・双貌
・孤拳

《香菜里屋》に集まる人は、皆それぞれに鬱屈を抱えながら、マスターの工藤に心をほぐしてもらって前に進む。
取り返しのつかない選択でさえ、工藤に話を聞いてもらって、美味しい料理とビールがあれば、なんとか前に進んでいける。

苦い後味の話もあるけれど、時系列と人称が複雑な割に最後に明るく終わる『双貌』が面白かったかな。

だけど『孤拳』が白眉。
5歳しか年の違わない叔父と姪。
幼なじみの恋人同士のような二人の日々。
見ようとしなかっただけで、最初から終わりが来ることはわかっていた。
だから互いに口にせず、大切にしてきた想い。
それは『孤拳』という、誰も聞いたことのない幻の焼酎、二人だけの秘密の味。
「前に進みなさい。でも忘れないで。」
あまりにも切ないメッセージに涙が。

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2023年05月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前作、前々作に続きおもしろかった。
それぞれの話が香菜里屋で提供される食べ物のようにいろんな種類、いろんな味わい方ができる。
後味もそれぞれ異なりほろ苦いものもある。
好きだったのは、ラスト2作。
『双貌』はミステリーとしておもしろく、そのトリックにドキドキしながら読んだ。
『孤拳』はストーリーが好きで切なさもあるが、事物が何かを思い出すトリガーとなるように願われているのがよかった。

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2022年03月11日

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