あらすじ
日本人男性だった前世の記憶があるアンドリムは、自身が生きているのが乙女ゲームの世界であることに気づく。彼は前世の知識と現世で得た才を活かし、己の運命に打ち勝って騎士団長のヨルガと番になった。それから穏やかではない時を重ねてきた二人であったが、遂に運命の時が近づく。ある日、隠居生活を送っていた二人のもとに「アンドリムに隠し子がいる」との情報が舞い込んだ。その報せにきな臭いものを感じたアンドリムはヨルガと共に最後の旅に出る。「惡の華」が子供達に贈る最後の遺産(レガシー)とは――!? ※電子版は単行本をもとに編集しています
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完結した物語の先には
完結の二文字に動揺しつつ、それでも読まずにはいられなくてページをめくりました。麗しき悪の元宰相、最後の旅です。
旅立ちに際して『身分』が必要になり、アンドリムまさかの宰相復帰。モリノから懐中時計を手渡されたアンドリムのしてやられた感がたまりません。彼が鍛えてきた子供世代の成長ぶりが窺えます。
そして同行するのは伴侶のヨルガと孫のアルベール。まだ幼く愛らしいアルベールですが、その賢さは間違いなくアンドリムの血筋。婚約者のダンテとのラブラブな感じも可愛らしく微笑ましいです。
この2人も可愛いだけではなく、時に容赦のない一面を覗かせます。今後の成長が楽しみなような、恐ろしいような...。
キコエドへの道中、立ち寄り先でなぜか増えていく同行者。後継者争い真っ最中の小国の王子ユピテル、2巻に登場したシラユキも再登場。
キコエドへの表向きの訪問理由は『隠し子』疑惑のあるリンとの面会でしたが、その裏にある忌まわしい企みを暴いてほしいというリンからのSOSに応えたものでした。
そんなキコエド編も本作らしいダークな物語でした。年齢を重ねてもアンドリムの明晰な頭脳もヨルガの強さも健在。これで彼等の物語が終わってしまうのは本当に寂しい。
でも。
最後にサブタイトルの『木曜日生まれの子供達』の意味が明かされて、『ああ、そういうことか』と納得。
確かにアンドリムとヨルガは一緒に旅に出ていましたね。
そしてそれはまた別の物語なのでしょう。
いつかその物語にも出会えたらいいな...と思います。
またアンリとヨルガのお話が出たということで購入。今回はいっぱい家族が増えてそして皆お祖父様達を憧れをもつ素晴らしい子供達。メインはアルベールとダンテ。そして旅をする中増える仲間たち。最後はハラハラした展開でほんとドキドキが止まらない。