あらすじ
民俗学研究室に所属する橘樹雅は、指導教官の御子神伶二に研究テーマ・出雲について「殆ど理解できていない」と厳しく指摘される。傷つきながら現地へ旅立った雅は、出雲大社、佐太神社などを巡るうちに『古事記』や『日本書紀』の伝える出雲神話に疑問を持ちはじめる。神話に隠された「敗者の歴史」を描く歴史ミステリー。
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Posted by ブクログ
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くわばら、くわばら…!
表紙に騙されてはいけない。
高田崇史の出雲もの、ということで手にとってみたものの、これは文庫一冊で収まるものじゃないなぁ…一応殺人事件は起きるしそれも解決するんだけれど、これ一冊でシリーズのプロローグ、という感じ。なので消化不良感はすごい。
題材が古事記と出雲国風土記を通して出雲の謎に迫る、というところなのでまず予備知識が大量に必要で、しかもそれをライトに描こうとしているからなのか、いまいち鼻白む感じもある。そして文系のマスタってこんなもんでいいのか? という感じも。そもそも高田さんの軽いタッチがあんまり得意じゃない。もっとこう、読者置いてけぼりの学術書か小説かわからんようなのがいいとこ出ると思うんだけどな。
でもきっと全編を通して読めばひとつの歴史解釈としてしっかり読ませてくれるんだろうな、というところで、続刊が揃うまで保留しましょう。評価も保留で☆3。
このあと奥出雲、京都、奈良と旅は続くようなので、紀行文としても楽しめるやも。ノベルスで揃えたほうが早いか…? ふ~む!