あらすじ
ひときれのパンを盗んだために,19年間もの監獄生活を送ることになったジャン・ヴァルジャンの物語.20世紀前半のフランス社会に生きる人々の群像を描く大パノラマ『レ・ミゼラブル』の少年少女版.
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Posted by ブクログ
貧困、善と悪、宗教について深く考えさせられた本。
お腹を満たすことのできない時代に、本人も望んでいなかったであろう犯罪に手を染めてしまう悲しみ。自分と家族を守りたいが為に、願ってもいない暗い人生へと転落していく姿。時代背景や取り巻く環境が与える影響の大きさに、個の無力さを感じてしまう。
はたまた、ミリエル司教の持つ善の心はあまりにも眩くて、全てをゆるすあの心の大きさったら。ジャン・バルジャンの心を大きく変える出来事の先は、マドレーヌ氏として市を盛り上げたことで多くの人々の生活を支え、命をつなぐ数々の場面へと繋がっていく。コゼットやマリユス、色々あったけどジャヴェール然り。1人の司教の教えが、数え切れないほど多くの人々の希望を生み出したりする。
信仰の重要性(精神を保つという意味で)に改めて興味が湧くなど。
個は時に無力だと感じるけれど、計り知れない力を持つ場合もあるんだね〜。
一気に読んで、ジャン・バルジャンの一生が終わる頃には大号泣、枕びしょびしょ。心が大きく揺さぶられたお話でした。
子供の頃に読んだかもしれないけれど、大人になった今だからこそ伝わってくる感情が多い気がして。読んでよかったーー。買おうかな。