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Posted by ブクログ 2021年03月11日
考古学の成果を元に殷王朝までの先史時代が扱われている。予備知識がほぼ無かったので読むのは大変だったが、出土品の分布や農耕の伝播などから歴史時代につながる文化の発展を明らかにする過程が面白かった。
Posted by ブクログ 2020年11月18日
これは入門書ではない。
ある程度、考古学に知見がある人、東アジアの旧石器時代に知見がある人向けだと思う。
農耕の開始から夏、殷の起こりまでの流れは興味深いけれども。
Posted by ブクログ 2020年11月07日
最新の考古学を踏まえて、綿密に考証を進めていくところが、素人にもおぼろげながらわかる。ただし、中国の地名が十分に頭に入っていない者には、掲載された図版では足りず脇に地図を置きながら確かめつつ読む必要がある。地名だけでなく、発掘された文物の名称の読み方も難しく、ふりがなは振られていても、数ページ進むと...続きを読む忘れてしまう。そうすると、適宜ふりがなを再び振ってくれているのがありがたい。
とにかく、壮大な古代中国が気候により複雑な発展と交流を進めてきたことが、なるほどと理解できる。
Posted by ブクログ 2022年06月05日
好評を博した中国史研究のシリーズ「中国の歴史」の文庫化第1弾。巻頭に掲げられている編集委員代表の提言によれば本シリーズは、「大きな中国」の歴史に常に内包されていた「小さな中国」に焦点を当てて執筆されたとある。第1巻となる本書も、一元的な中原中心主義からの記述ではなく、先史時代におけるローカルな地域...続きを読む文化を多元的に眺めることに主眼を置いている。従ってやむを得ないことではあるが、古代中国史に特に親しんで来なかった僕のような者にとっては初見の地域文明、文化、遺跡が列挙されることとなり、正直読むのに骨が折れる。しかし、伝説的な夏王朝に比定される古代地域文明が、その後の「中華」成立に単純に繋がるような王権国家を確立していたわけではないことは理解できた。
Posted by ブクログ 2022年06月04日
【神話と考古学】
夏王朝 二里頭文化
『史記』 先立って記述される「五本帝紀」
↑松丸道雄 戦国時代以降につくられた五行説
P.30 蚩尤 三苗
洪水伝説
三皇本紀とい司馬貞の補筆
『三五歴記』『山海経』
【中国発掘物語】
濱田耕作
文物考古研究所
共同調査
【農耕の出現】
アフリカの典型オル...続きを読むドワン文化と中国南部の類似性
→東アジアに拡散?
マンモスの祖先≒アフリカゾウ
P.86 ムスティエ文化
農耕と定住が一体?
土器が古い段階に出現
→植物資源利用、魚介類への依存の対応
アワ・キビ
猪→家猪?野猪?
稲作はいつから?どこで?
プラントオパール分析→長江の中・下流域から波紋状に
ヤンガー・ドリアス期
冬の冷温化・夏の温暖化による季節変化とモンスーン→温暖湿潤期
3形態
・華北→アワ・キビ
・華中→イネ
・極東・華南→採集
【地域文化の展開】☆
P.124
ヒプシサーマル期
【社会の組織化と階層化】
P.156 外科手術
【非農耕地帯と農耕の拡散】
開始時期は非の方が生産性が高い可能性があった
温暖化→農耕のため北へ
彩陶→おくれて台湾の円山文化
水平的社会区分である極北と赤道地帯に見られる狩猟採集民、中緯度地帯を中心に広がる農耕民という色分けが、この新石器時代から始まっている
【牧畜型農耕社会の出現】
P.247 地域別の動物の骨の種類と量比
鬲社会と非
【地域間交流と社会の統合】
玉器
竪穴住居は極東から華北に分布し、日本ももちろん北方系文化の伝統にある
陶寺遺跡=堯?説の根拠と妥当性
【犠牲と宗教祭祀】
女性全体像は極東から遼西・ 河の特色
埋葬→社会的階級の反映
家系単位で決まっていた?
依り代
動物犠牲→農耕祭祀 ヒト犠牲→社会的祭祀
礼楽 楽器と身分の結びつき
祭儀・儀礼→夏・殷文化
【初期国家への曙光】
二里頭文化
二里岡文化
副埋葬品の階級差
【おわりに】
P.416
【補足】
Posted by ブクログ 2022年05月16日
自分が新石器時代の知識があまりないこともあって、内容はやや難しいと感じた。特に知らない知名や遺跡の名前、読めない漢字も多く、歴史地図帳を開いて地図と照らし合わせながら読む事で理解が助けられた。今も中国は北部は「面」が主食で南部は米が主食というように食文化が異なるが、過去の自然環境の違いで穀類の野生種...続きを読むの生息も異なっていたことに由来があるとか、初期国家と言えるのはどの段階からであるのか、青銅器起源、卜骨のはじまりはどの地方からなのかなど、この後の時代を理解するための土台が得られたという意味ではここから読み進めてよかったなと思う。最後の「おわりに」が全体のまとめになっているので、全体感わ先に掴むためにはおわりにから読んでもよかったかも。