あらすじ
【2020年10月2日(金)映画公開!】
W主演佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)&橋本環奈
佐藤流司 柴田杏花 莉子 坂口涼太郎
山本未來 片岡愛之助 和久井映見
小説を、物語を愛して止まない読者のために、小説を愛し続けた著者たちが綴る、物語への愛に満ちた『小説の神様』アンソロジー。
「小説は、好きですか?」わたしたちはなぜ物語を求めるのか。
新作を書けずに苦しむ作家、作家に憧れる投稿者、物語に救われた読者、作品を産み出すために闘う編集者、それを届けてくれる書店員……わたしたちは、きっとみんなそれぞれの「小説の神様」を信じている。だから物語は、永遠だ。
当代一流の作家陣が綴る、涙と感動、そして「小説への愛」に溢れた珠玉のアンソロジー。
<収録作品>
降田 天「イカロス」
櫻いいよ「掌のいとしい他人たち」
芹沢政信「モモちゃん」
手名町紗帆「神様への扉」
野村美月「僕と”文学少女”な訪問者と三つの伏線」
斜線堂有紀「神の両目は地べたで溶けてる」
相沢沙呼「神様の探索」
紅玉いづき「『小説の神様』の作り方ーーあるいは、小説家Aと小説家Bについて」
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Posted by ブクログ
読後にまず思ったのは「小説の神様」であって「小説家の神様」じゃないんだ、ということ。小説に関わる人――書く人、読む人、売る人、評する人――すべての人の神様なんですね。だから、小説家以外の人達にも「小説の神様」と関わる物語があって、それぞれの人たちが小説と真摯に向き合って……というお話が生まれ、小説好きな私はそうしたところで本作が気にいったんだろうな、と思いました。
個別の作品で言えば、収録作群の中では異色に映りますが「モモちゃん」が一番気に入りました。ラノベテイストに最初は違和感を覚えましたが、自作の世界に入り込んで自分の描写力の無さや知識の浅さを身をもって痛感するところなど、それこそ宮沢賢治の童話のよう。ファンタスティックな要素ゼロの剣と魔法のファンタジーなどより、はるかにファンタジーしてて素敵でした。
あと、最初の作品がプロット担当と執筆担当の2人組の降田天のものというのが上手いですね。どう考えても帆舞こまにに重なるわけで「小説の神様」好きからしたらたまりません。その作品の方は、ラストシーン「ありがとう」「うー……しほりー」のところでうるっと来てしまいましたよ。花実はほんとにいい子だし、しほりも嫌なところあったけど同情するところも多かったので。
ほかにも「神の両目~」の伏線回収を「神様の詮索」で行うところや、実話?もしかして実話?と気になる仕方ない「『小説の神様の作り方』」など、どの作品にもツボにはまるポイントがあって好印象でした。また違う作家たちによる「小説の神様」を読んでみたいです。