あらすじ
〈南境ノ乱〉で破壊された町の人々がやっとの思いで手に入れた平和は、カラマーハ帝軍の侵略、そして大旱魃で脆くも崩れ去った。今や頭領になったハマーヌは、人々を救うため禁断の術に手を染める。一方敵の陰謀を逆手に取り、帝家の玉座を乗っ取ったラクスミィだったが、国を潤す青河が涸れ始めていることに気づく。このままでは乳海が露わになり、丹の暴発が起きてしまう。それを回避するには、南境の民が命の糧とする砂漠の水を断たねばならない。それぞれの民の命と希望を背負った、ハマーヌとラクスミィの決断はいかに……。三部作完結。
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Posted by ブクログ
イシヌの臣がラクスミィを恨みながらも、敵がラクスミイに危害を及ぼそうとしてるのを見て、でてきた言葉が「ひめさま」だったの、なんだか良かったです。ラクスミィはカラマーハの帝だけど、ずっとイシヌの守りたいと思う姫様なんだよな。
Posted by ブクログ
3部作最終巻。あぁ終わっちゃった。もう至高の物語でした。前作の対となる式要らずハマーヌ視点で物語が始まる。またまた魅力的な少女達が登場。彼のまさかの復活。最後の落とし所はどんな風になるのかと自分でもいろいろ考えたけど、なかなかロマンチックな雰囲気に纏まりもうお腹いっぱい。世の中には長編シリーズが数多あれど、たった3冊だけで、これだけ広大な世界観を演出出来る事に、只々感服&感謝。読み友さんからコメントを頂いたりもして、この物語は私の中でも特別なものとなりました。さて次は竜の医師団の続編を心待ちに!
Posted by ブクログ
「真実は誰も救わない。ただそこに存在するだけ、全ては受け手次第だ。理解するだけの知がなければ、あるいは受け止められるほどに心が満ちていなければ、容易に欠け、ねじ曲がる。真実とは、時に暴力であり、万物において突き詰めるべきとも限らない。例えば、式要らずのハマーヌが、その精神の支柱において、真実を必要としないように。」
ラクスミィとハマーヌ。
前者は死者を死者として、後者は死者を生者として受け入れていく。
どっちが正しいか。
理屈上では某アニメのように「真実は一つ」…そして多分、この文面だと、ラクスミィの出した答えが合ってるんだろう。彼女は科学者だ。
でも世の中には、間違いを正さない、という選択肢もあるわけで。他人から見ると違うよ、それはおかしいよ、矛盾してるよと言いたくなるけど、心を破壊してまで否定するのが正義でもなし。
ひいては「正しい」行いでもないかもしれない。
そんなことを考えた。