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Posted by ブクログ
ヨルン・リーエル・ホルストの初読。
ヴィスティング警部の未解決事件シリーズ第一弾。
静かな物語だった。
派手な事件が起きるわけでもなく。外連味があるわけでもない。だけどとんでもなく面白い。
24年前にカタリーナという女性が数字の羅列を残して消えた。ヴィスティング警部はカタリーナの夫マッティン・ハウゼンと、被害者の親族と捜査官を超え、ある種親友のような付き合い方をしている。
一方、26年前の大学生行方不明事件に新たな証拠が出る。その証拠から、カタリーナの夫が容疑者として浮かび上がり。。。
北欧の小説によく見られる、重く暗く残酷な感じは一切せず。ヴィスティング警部らが地道に、コツコツと捜査を重ねて真実を特定する、静かな作品。アン・クリーヴスのような。
途中の場面でもあるが、波一つ立っていない湖面に向かってボートを漕いでいく、オールで水をかく音しか聞こえない、そんな静けさと寂しさが感じられる作品だった。
Posted by ブクログ
北欧・ノルウェーのハードボイルドな刑事が事件を追うミステリー。ヴィスティング警部が24年前に失踪したカタリーナという女性の捜査資料を定期的に見返す。彼は失踪日には彼女の夫マッティンと会い、事件を見返す。そこに国家犯罪捜査局の捜査官スティレルが現れ、26年前のナディア・クローグ事件を捜査し、捜査線上にマッティンが浮上。ヴィスティングはマッティンを友人として、容疑者として裏で捜査する。カタリーナが残した数字の羅列暗号によりナディア・クローグ事件が一気に重なる!ヴィスティングとマッティンの心理戦が見どころ!!⑤
Posted by ブクログ
数十年も前の未解決に終わった女性失踪事件に取りつかれ、書類を家に持ち帰り事件の細部を日夜見直す警部ヴィスティング。
流れゆく歳月の中で、被害者の夫であるハウゲンとは交友を深め毎年事件のあった日には言わずもがな集い、想いを馳せる習慣すら生まれている。
だが、今年に限ってハウゲンを訪れると不在。
そんなとき、また別の未解決事件の新たな証拠が見つかりその容疑者として浮上したのがハウゲンだった。
クリポス(国家犯罪捜査局)からの協力要請を受け、ハウゲンに探りを入れることに半ば強引に同意させられたヴィスティングだが、肝心のハウゲンは所在不明。
容疑者不在の真相を追いかけるのかと思いきやあっけなく帰還。ヴィスティングとハウゲンの交友は実は疑いを礎に築かれていたと知らされるワンシーン。序盤から中々の引き込みっぷり。
容疑を裏付ける事実が徐々に固まり、自白を引き出そうとするヴィスティングとハウゲンの間の緊張感の高まりも読みどころ。
Posted by ブクログ
読み終えてからじわじわと来た。地味で、最初からその方向でしたよね?ともやもやしたが、最終盤の急展開に、人間とはわからないものなのだなぁという感慨深いと言ってよい読後感が残り、忘れ難いものとなった。