あらすじ
大坂一番と江戸一番の商人が火花を散らす!
一夜が居候する駿河屋に銘品の焼き物が届いた。淡海屋七右衛門からであった。
大坂一の商人からの試し合いを受けて立った総衛門は、早速焼き物を手に老中・堀田加賀守の屋敷へ向かう。
その頃一夜は伊賀忍の素我部一新を呼び出し、柳生家を危うくする計略を耳打ちしていた。
素我部からの知らせを聞き、一夜に激怒する柳生藩主の宗矩。
三代将軍家光が寵愛する柳生友矩を巡り、奇策が交錯する中、一夜は秘かに上方への旅に備える。
そして上方では、信濃屋の長女・永和が一夜を心配しすぎるあまり、住み込みで手伝っていた淡海屋を飛び出そうと七右衛門と押し問答に……。
一夜の神算鬼謀に武士も商人も忍も女も振り回される、疾風怒濤の第六弾!
【主な登場人物】
一夜:大坂一といわれる唐物問屋淡海屋七右衛門の孫。柳生家の大名取り立てにともない、召し出される。
永和:上方で味噌と醤油を商う信濃屋幸衛門の長女。恋敵に妹の須乃と衣津、伊賀忍の佐夜がいる。
柳生但馬守宗矩:一夜の父。将軍家剣術指南役。息子に十兵衛三厳、左門友矩、主膳宗冬がいる。
堀田加賀守正盛:川越藩主にして老中。
総衛門:江戸城お出入り、御三家御用達駿河屋の主。材木や炭などを扱う。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
相変わらずの快作。武士に代表される「力」の世の終わりをどれだけ客観視できるかが、作中のお金に翻弄される時代の前夜にある武士階級の危機を脱するために必要なのだろうと思う。
現代に置き直せば、現代の時代の変化をいかにくみとって生き抜くかが問われるなあとしみじみと考える。
Posted by ブクログ
今回もあっちこっちで思惑、策略が飛び交う第六巻。戦がなくなると武士が要らなくなるという時代が始まる。そんな時代に一年先の武士と評された一夜。十兵衛という強ーい見方を得て読むほうも一安心だけど、実は永和と佐夜の扱いが一番難儀になりまへんかあ
Posted by ブクログ
相変わらず面白い商人の知恵を無尽蔵に使い
大名・老中相手に口ハ丁で懲らしめるロジカ
ル時代小説の六巻、相手が馬鹿ばかりなので
もう少し丁々発止互角に戦える強敵が欲しい