【感想・ネタバレ】ポリティコン 下のレビュー

あらすじ

充たされぬ魂の行き先は、破滅か、新天地か?
芸術家たちの理想郷「唯腕村」を舞台に繰り広げられる、絶望郷のごとき愛憎劇!

唯腕村理事長の息子、高浪東一は、父の死をきっかけに、村の理事長となる。女を強烈に求め、利益を増やすことに執着する東一は、危険なビジネスに手を染め、マヤとも愛人契約を結ぶ。だが、心の渇きは癒されず、あるまじき手段で関係を断ち切ってしまう。十年の後、都会の片隅に沈んだマヤは、憎むべき東一の成功を知る。再会した二人を待ち受けるのは、破滅か、それとも――。性愛の暗部を容赦なく抉った衝撃作!

解説・原武史

※この電子書籍は2011年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版(下)を底本としています。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

本を読み進めるにつれ、あんなにも嫌悪していた東一だったのに
最後はマヤと同様、なぜか許してしまった。
きっと東一は純粋すぎるほど純粋で、まっすぐな人なんだと思う。
二人が新たに開く新しい村の行く末を見てみたい気がする。

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2014年04月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

うむう、やっぱ怖い。恐い。桐野夏生の小説は、なんでこう、こんなに怖いのだろうなあ、、、圧倒的です。原始的、というか、全てが剥き出し、というか、混沌の坩堝、というか、圧倒的なんですよね。なんの呵責も躊躇も容赦も無い、というか。とにかくまあ、怖い。

桐野夏生の小説世界の中に、もし自分が登場人物として存在したのならば、即座にケチョンケチョンに扱われてボロ布のように捨てられて死んでるんちゃうか?という気がします。自分みたいなヌルい甘ちゃんは、この世界では、絶対に生きてかれねえよ、食われる立場だよ、って気がするのですよね。

ただ、そんなおっとろしい世界が、圧倒的に魅力的でもあるんだよなあ、、、そこが、桐野夏生さんの、スッゲエなあ、、、って、尊敬しまくっちゃうところなのです。圧倒的に恐ろしく、それでいて堪らなく魅力的な小説を創り出す人。それが、自分にとっての、桐野夏生という人物の印象です。

この小説、下巻で、スッゲエなあ!って思ったのは、一瞬で時間が飛ぶんですよね。
第2部が始まって、いっきなり物語の主人公が、東一から真矢に変わったのにもビビったんですが、第一章「小さな灰色の蛇」から第二章「あたしは誰でもない」で、いっきなり10年経過するんですよ。月日が。いきなり。なんの説明もなく。面食らった。は?って思った。これまで、長いこと長いこと、上巻ほぼ全部と下巻途中まで、丁寧に丁寧に、唯腕村の現場の変化を、ゆっくりゆっくり書いてて、いきなり10年すっとばす。

なんじゃそら、と。その10年間も、真矢には色んな色んな人生の激動があっただろうに、容赦なく10年すっとばす。スゲえ。桐野さん、思い切り良すぎでしょ。何年も何年もかけて、丹精込めて育てた盆栽を、いっきなり半分切り落とす、くらいなイメージ?を、抱いちゃいました。桐野夏生、恐るべし。なんだかもう、ホンマに凄いと思ったんです。

で、まあ、なんだか得体の知れない色んな怖さは、最後まで解決されないことテンコ盛りのまま、この小説は終わるのですが、ドロドロのおっそろしさを抱えたまま、なんだかやけに爽やかな雰囲気で?終わるところも、やっぱ怖いなあ。桐野夏生という一人の、類い稀なる女傑の、圧倒的な創作意欲。それはもう、でえれえですね。おっかないです。圧倒的に。
そして、魅力的なんだよなあ。いやはや凄い。

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2018年02月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

下巻はマヤの話。唯腕村から脱出し東京に向かうも、10年後、北田の死により再び村を訪れる。
正直、えええええ、これで終わり!?という感じなのだけど、桐野夏生っぽいなあと言われればそれまで。上巻から続くこのモヤモヤ感。長い話の割に結論がない。
はたして唯腕村はユートピアだったのかディストピアだったのか。。何とも夢のない理想郷。現実ってこんなものか。

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2014年03月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

理想の農村を作った人の血を引く男と脱北者を援助し行方不明となった母親を持つ娘が主人公の話。全般的に重苦しい雰囲気だが、人生を生き抜く力のようなものを感じる。

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2020年06月15日

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