感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
大枠は架見崎という異世界で繰り広げられる能力バトルもの、サバイバルの話しだが本作の主人公香屋は戦いの能力は一切もたない。
代わりに架見崎について、運営に1月(1ループ)に1度質問をできる能力を獲得した。
極端に臆病な性格の香屋が、その情報と頭脳で戦わずにサバイバルしていく姿はとても面白いです。
今後も戦わずにどうやって生き残っていくのか、架見崎とはなんなのか明らかになっていくのを楽しみにしています。
Posted by ブクログ
人から薦められた本。タイトルを見てひとまず読み始めて、どうも今ひとつ肌に合わないような気がしてどうしようかと思っていたのだが、プロローグを超えて本編に入ると俄然おもしろくなった。世界観そのものを物語に組み込んでいるという設定がおもしろいし、主人公がある意味「メタ」な存在として自分の存在価値を作っていく発想や過程もおもしろい。単純に平行世界における闘争物語として読んでもなかなか楽しい作品である。
ただ強いて文句を言うなら、世界の作り方が物語にとって(あるいは作者のとって)都合が良いように組み立てられすぎているというか、作者が恣意的に作った世界構造であることがあからさますぎるような期がちょっとだけする。そのこと自体が、小説内の設定のメタファになっていくのもわかるのだけれど。最後の20ページほどの展開にはちょっとびっくりしたけれど、説得力については後回しになっているようにも思う。シリーズとして続いていくようだからそれを前提にしているのだろうと思うけれど、設定がトリッキーなだけに1冊でひとまず納得のできる完結をした上で先に進めてほしかったような気がする。
マイナーなアニメが見たくなった。
Posted by ブクログ
架見崎シリーズの第一編とあるように設定が細かく描かれたり伏線をたくさん張っていたりと、これからの導入という側面が強いような印象を受けた。最後まで謎が明かされない異世界の場所や仕組みなど、階段島シリーズと似た舞台設定の印象がした。
頭脳によって決められたルールの外側をいこうとする主人公香屋歩は最近流行りの異世界転生ものの主人公像そのまんまだと思った。個人的にルールの穴を突くタイプの話は最初に設定が練られているかどうかで面白さが決まると思うが、その点で言うと階段島のよく練られた設定が思い起こされるため安心して読み進められた。
作中の主軸となっている『ウォーター&ビスケットの冒険』の中で語られている「とにかく生きろ」という言葉は陳腐で薄っぺらい印象だ。しかしその話に付随して出てくる「死んではならない理由がわかるまでは生きろ」という言葉には納得がいった。
キドがキネマ倶楽部に執着して、命を投げ出そうとする考えに対して香屋が腹を立てる気持ちは共感する。架見崎で死ぬということが現実の生とどう関係しているのかがこの物語の軸となっているのだと思う。
カエルたちの目的やウォーター派、ビスケット派の意味、香屋たちの生死の問題など回収されない伏線が多く、悪い意味ではモヤモヤし、良い意味では続きが早く読みたくなった。