【感想・ネタバレ】忌み地 屍 怪談社奇聞録のレビュー

あらすじ

そのマンションはトラブルが日常茶飯事で、飛びおり自殺や首吊り自殺は何度もあった。

「あれ、人間かな──」
次の瞬間、ばちんッ、と大きな音が響いて、あたりが真っ暗になった。

死を決意して訪れた樹海で体験した戦慄の一夜。
アウトローが出入りするマンションで押入れから聞こえる音の恐るべき正体。
ひとりでに路地を移動するスーツケースと実際の事件との奇妙な一致。
怪談社の糸柳寿昭と上間月貴が取材した怪異を、福澤徹三が書きおこす怪談実話シリーズ第4弾。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 怪談社の糸柳寿昭、上間月貴が取材で集めた怪談とその取材プロセス、現場状況を作家の福澤徹三が取りまとめた書き下ろし実話怪談集。今月刊行されたばかりの第4弾。
 
 今回はコロナ禍による各種措置の緩和を受けて取材方法が以前の形に戻ったことで、前巻で目に付いた“実話怪談に練り上げられる前段階の話”よりも、実際の怪異の体験談(の聞き書き)が主となっており、その意味ではオーソドックスな実話怪談本に仕上がっている印象。また前巻のように、怪異よりも取材過程で遭遇した生身の人間の方がよほどおっかない、みたいな話もない。……が、病死や不審死(自殺他)などに日々直面している人達が、それらが起因(と思しき)怪異もすんなり受け入れているような話がいくつかあったりで、それはそれで怖い。

 このシリーズを読んでいて思うのは、収録の半数ぐらいは取材先での初対面の人から聞き出した話で、よくまぁここまで集めたなぁ、と。当然空振りや、聞けたけれど本に載せるほどには使えないといった話も相当数あるはずだから、掲載されたよりもずっと多くの人々に取材を試みたのだろうし、その点でも、とにかく凄い。人見知りな自分にゃとても真似できぬ。

 と同時に、多くの人がそういった怪異なり恐怖なり、不可解な体験をしてるということでもあるのだなと。
 だから日々これだけ実話怪談本が出版されててもネタは尽きないのか!

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2023年08月30日

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