あらすじ
夫、武田泰淳と過ごした富士山麓での十三年間を、澄明な目と無垢な心で克明にとらえ、天衣無縫の文体で映し出す日記文学の白眉。田村俊子賞受賞作。巻末に関連エッセイ、大岡昇平の「山の隣人」と、武田泰淳の「山麓のお正月」を収録する。
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Posted by ブクログ
富士山麓に別荘を建てた作家一家の、山での暮らしを綴った日記。買い物リストやご飯の献立、その日その日に行ったところや会った人の記録がたんたんと書かれている。
エッセイ的な記述はほとんどないのだが、日常のちょっとしたやりとりなんかから自由奔放な夫泰淳、気が強くて口が悪い妻百合子、ちょっと内気な娘花子の性格が見えてくるのだ。当時(昭和39~41年)の物価の安さに驚いたり、近所の人やお店、職人の人々との食べ物のやり取りの多さには時代というか文化の違いを感じさせられた。お客様が来たらとりあえずお酒出してて、飲酒運転も当たり前にしてるみたいですごいなあ…。車の事故や不調の話題がかなり多くて、煙が出てるような状態で運転してたりするから怖い(笑)。
いつか読もう読もうと思っていてやっと読めたけど、正直面白いという感じはあんまりない。でもとりあえず中巻と下巻も読んでみようと思う。