あらすじ
金も行き場もない男・北は、自殺を図るが、どうしてもあと一歩が踏み出せずにいた。ある日、テレビのグルメ番組を観て、「人生最後の日は北海道で蟹を食べたい」と思い立ち、強盗を決意する。高級住宅に押し入り、人妻に金を要求するが、彼女の行動は、全く予期せぬものだった――。
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タイトルを見た瞬間、頭に「?」がいっぱい浮かびました。
『雪女と蟹を食う』ですよ!?
一体どんな内容なの!?って気になりませんか?気になりますよね?
ジャケ買いならぬ、タイトル買いです。
はて、グルメマンガかな?
と、読み始めてまた吃驚です。
1人の男が自宅のアパートと思われる一室で首つり自殺を図ろうとする所から物語はスタートします。
(全然グルメマンガじゃなかった―――!!)
死のうとするも中々思いきれない男は、死ぬ前に有り金を使い切ろうと思い至ります。
さて、何に使うか。
人妻デリヘルを呼ぶか…しかし…
そういえば、27年生きてきて一度も「蟹」食ったことない。
蟹食わないまま死ぬのか……
そう、男は人生最後の日に、人妻よりも北海道で蟹を食べる事に決めたのです。
しかし北海道に行くには手持ちが足りない。
そこで、見かけたセレブ妻の後をつけ強盗を企てますが、まさかの体狙いと勘違いされ…
何故か人妻と北海道まで蟹を食べに行く旅がスタートするのです。
目的はただ「北海道に蟹を食べに行く」というだけなのですが、
妙に抒情的なのです。
まるで純文学を読んでいるような感覚になります。
それでいて、画面から湿度や温度を感じられ、艶めかしく思えます。
何故「蟹」なのか?何かのメタファーなのか!?
ワケアリそうな人妻の謎の部分も気になるし、主人公の男も過去にワケアリそうで、気になる事づくめの1巻。
じっくりと読める、注目の新作です。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
不思議と面白い
人生辞めたいと思った主人公は命を投げ出そうとする。
しかし、踏ん切りがつかないでいた。
そんな時ふと目に飛び込んできたテレビで蟹の食レポ。最後に女を抱くではなく蟹を食すために動き出す。
後に出会う雪女を匂わすような人妻と出会う。
2人はどのように巡り蟹を食すのか…
と、不思議と面白いコメディでもなく純愛でもなく擦り切れた2人の行方が気になる1冊でした
女性にとても惹かれていきます
美しい女性だけではなく、その女性から放たれる仄暗さがなんともたまらない
正直、この女性が男性とあい、旅に出るまでの流れはいろいろとシュールであるがその辺りはどうでも良いことなのだろう
幻想ですよ
三十路の女に貞操なんて
ましてや人妻
くうう〜!あと二週間早くこのセリフを知りたかった・・・
そーだよね!そーだよ!人妻らしく下半身に漬け込んで好きな男をモノにしてればよかったんだよ!
はあー
自分の発想でこんなセリフ言えるくらい老成したい。
そんなことを思いました・・・
アヤメの希死念慮、とてもよくわかる
恵まれているのにね
なんででしょうね〜
きっかけがちょっとアレですが
正直、自殺志願のきっかけが痴漢冤罪はどうかと思う部分もありますが、何か作品の雰囲気を気に入ったのでしょうね。最初はマガジンポケットで何となく読み始め、割と気に入り、BookWalkerで単行本は揃えています。
BookLiveでも期間限定無償提供版があったので、備忘録的にレビューをしています。
まだ序盤なので、旅に出かける始めたばかりですからお2人もそんなに親しくはないんですよね。ただ、自殺しようとしていた北さんの秘密も徐々に見えてきますので、作品自体は結構、好きですよ。
TVドラマも一応、見ていましたが、うーん、今の民放地上波ではやはり限界は多いのでしょうね。率直にそう思いました。