【感想・ネタバレ】我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たちのレビュー

あらすじ

我々ホモ・サピエンスの出現以前、地球には実に多様な「人類」がいた。教科書に載っているジャワ原人や北京原人だけではない。身長わずか110cmのフローレス原人、台湾の海底で見つかった澎湖人など、とくにアジアの「人類模様」は、目もくらむほどだった。しかし彼らはすべて滅び去り、いま人類は「我々」しかいない。なぜ我々は我々だけなのか? 答えを追い続けた著者が人類進化学の第一人者に導かれて出会った衝撃の仮説!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

著者が人類学者に聞いた内容をまとめた本でやや内容が薄い。
フローレス原人の起源に多くのページが割かれているのが特徴。

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2019年04月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昨今の興味にマッチした一冊。ツボにハマって楽しく読めた。

 『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』(森達也著)でも考察してる生命の起源、遠い将来の姿は答の得られない命題だし、宇宙の中で知的生命体は我々の他にいないのかは、まだまだ解明されない謎だ。
 一方、我々(ホモ・サピエンス)は、この地球上において我々だけなのか?という本書の問いは、完全な解答は得られていないまでも、どうやら「我々だけではない」という可能性が見出されてきた(「なぜ?」という問いの答としては不十分だが)。
 そう思えるだけで、非常に明るい未来の見える楽しい一冊だ。

 アジア各地における最新の発掘実績、最新科学的手法を用い、ヒトの進化にまつわる新たに導き出された仮説を、国立科学博物館の海部陽介教授とその関係者へのインタビューを交え科学ライターの著者が熱意を込めてまとめたものだ。
 前半のアジアの発掘現場でのフィールドワークも面白く、遺跡、化石にたいする地元民の理解不足から起こった当時のエピソード(報償ほしさに1個の化石を砕いてもちこんだケーニッヒスワルトと現地の人との話。化石1個につき、いくらという契約だったため起こった悲劇・笑)等、微笑ましい話も面白い。
 そして後半は現代の新たな発見事例や科博における研究などが紹介される。
 発見事例もさることながら、DNAによる検証ってスゴイ!と思わされる。

 「混血が何度かあったという証拠は、すでにDNAから得られている。」

 ネアンデルタール人は、ホモ・サピエンスによって滅ぼされた等々の説もこれまで見て来たけど、異種格闘による単に勢力争いによる淘汰だけではなかったようだ。

 人類の進化にまつわる発見は、過去、空白地域だったアジアで、今、進んでいる。
 今後の新たな発掘が、楽しみだ。

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2018年08月30日

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