あらすじ
姫を救出せんとする近衛兵と剛力たち。地下に張り巡らされた暗渠に棲む孤児集団の力を借り、廓筋との全面抗争に突入する。一方、剛力衆の中に、まともに喋れない鳥飼の男がいた。男は一行から離れ、カラスを供に単独行動を始めが……。果たして姫君の奪還はなるか? 裏切りの売国奴は誰なのか? 傑作再臨!
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Posted by ブクログ
人が人を騙し陥れようとするなかで、剛力衆や近衛兵・鼠たちの、決して仲間を見捨てない姿に胸が熱くなった。何よりも嬉しかったのが、カロイの存在。かつて仲間を裏切り、肉親と右腕を失った彼は、今回多くの人を助けてきた。そしてかつての仲間たちとの繋がりも失われず、子供たちに希望を与えるような存在になっていたことに胸を打たれた。皮肉まじりのマツリカも相変わらずで、また会えて嬉しい。
これからも続くであろう一ノ谷、アルデシュ、二ザマの激変を見届けたい。
Posted by ブクログ
やっぱり好きだなー。
正直、よくわからなくて飛ばし読みのところもあったけれど、マツリカとハルカゼの登場したところからは一気だった。マツリカファンとしてはたまらない…
本を読むときは、なんとなくえいぞうが浮かんで映画を見ている感覚に陥ることが多いのだけど、この本は何か舞台を見ている感覚だった。
また、彼らに会いたい。
Posted by ブクログ
遂に!最後の最後で出てきましたマツリカ様!最後で謎の全てを見聞きしただけで紐解いてしまう。安定のマツリカだ。また今作も前作に負けず劣らずの傑作だった。何故読み終わりたくないと思ってしまうのだろうか。この作品はまるで生きているもののよう。これほどまでに他作品と一線を画しているのは何故なのか。それは内容の期間が短いからなのだと思う。他の作品でも同じ領域まで達しているものもあると思うが、それらの多くが主人公の一生であったり、長い時間を描いているから満足してしまうのだと考えた。こんなに、驚きと感動を、与える作品に出会いたいし、生み出したいとも思うようになれる。
Posted by ブクログ
あれだけ期待値を上げまくって読んだにも関わらず、全く期待を裏切られなかった……面白かった……読み終わってからしばらく余韻に浸ってしまった……!(感涙)
一切隙のない伏線回収に、綿密に造り込まれた舞台設定、精緻で美しい描写や文章に、胸を打つ名台詞の数々。本の世界にどっぷり入り込むこの感覚は、いくつになっても、何物にも代えがたい快楽ですね。
剛力、近衛、鼠、どの面々もそれぞれの特技や得意な舞台を活かして大立ち回りを演じてくれるこの下巻。疾走感あふれる力強い展開には胸がすきますし、何より皆が仁に厚く、仲間思いで、誰かのピンチに他の誰かが駆け付けるたびに頼もしく感じられます。みんな大好きだ……!
そして途中から合流する高い塔の面々! ヴァーシャの正体が分かる前から予感されていたとはいえ、再登場に思わずガッツポーズ。断片的な情報から全容を見通し、テンポよく話をまとめていく、変わらぬマツリカ節に圧倒されました。
私のイチオシ、キリヒトは、今作では結局名前しか登場しませんでしたが……これは、これはきっと、続編が来るはず……いや来てくれ!(切実)
前作からのたった六冊で、一気に「私のお気に入りの作家さん」ランキングの上位に躍り込んできたこの方の次作を、首を長くしてわくわく待っている所存です。
Posted by ブクログ
とうとうマツリカ登場!
ワカンとマツリカの掛け合いがおもしろかった笑
鼠たちと剛力の流儀を曲げない真っ直ぐさが眩しい。
前作を読んだのがかなり昔だったのでもう一度読み直したいなぁと思いました。しかしあの分厚さ、ちょっと覚悟がいる…
地の文の言い回しが難しいところも。はぁ、すごいなぁと思いながら読みました。
キリヒトが名前だけしか登場しなかったのは残念。次回に期待です!
Posted by ブクログ
やっとマツリカ様が出てきた。
ワカンが頼もしく、どんどん株を上げていく。
エゴンも素晴らしい。
仲間や二ザマのその後が気になるので、続編を出して欲しいな。
Posted by ブクログ
ほーらやっぱり面白かった!
説明が長くて読み進めるのが大変だった上巻に比べると、物語が大きく動き、懐かしい面々も登場する下巻。あっという間に読み終わってしまった。
マツリカ登場の安心感。全ての謎が解き明かされていく爽快感。全て読み終えると、次はキリヒトの話が来るに違いないと確信できる。三作品目も楽しみだ。
それから、今作はエゴンという障がいを持つ鳥飼の存在が、言葉や文字に関わるキーパーソンだった。なかでも、ひらがなと漢字の識字についての考察にはハッとさせられた。言語について深く知ることができるのが、このシリーズの魅力であると改めて感じされられた。