あらすじ
「見事に咲いた花ならば、心おきなく散り候らえ――」最愛の妹・響と決別した八郎。伊賀と甲賀を率いる若き棟梁達は、もう二度と相見えないはずだった。しかし、一度は退いたはずの異形の忍者集団・成尋衆が徳川二代将軍の死をきっかけに再び現世に現れた。動く城「叢雲」の五層に待ち受ける化物たちを斃し、この世に平穏を取り戻すため、甲賀五宝連と伊賀五花撰は死地へ挑む。
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Posted by ブクログ
「甲賀忍法帖」の正統なる続編の下巻。「甲賀忍法帖」の続編として読むには内容が「うーん」という感じ。敵キャラの成尋衆の忍法が時代に沿っておらず時代劇というよりはSFという感じ。それでも忍者同士の対決シーンは良かったし、救いのあるラストで良かったと思う。その点は評価。「話をオマージュした別物」と考えて読んだ方が楽しめるかなあ。主人公たちにあまりスポットが当たっていなかった点も残念。感想はこんなところです。
Posted by ブクログ
面白かった、面白くなかったで言えばべらぼうに面白かった。しかし、期待させていた路線が(ミスリード意図かもしれないけど)雲散霧消したり、ロジックが逆転したりする所があったりとで兎に角混乱した。ラスト付近の壮大すぎるオチには少々理解がおっつかない所があったものの、まぁなんとか飲み込めた。
しかし本作があえて山田風太郎忍法帖、あるいはそれを原作とする漫画作品を下敷きとしたことについては少々疑問。まぁ、死んだ20忍のことをものすごく湿っぽく扱ってる部分については『バジリスク』の系譜ともいえるかもしれませんが…
面白かった部分については、恐らく主軸であろう「忍法合戦」のくだりで、忍法帖シリーズを愛読している私でも「忍法」と呼ぶことが憚られるような荒唐無稽な忍法(他のはともかく、「魔獣召喚」が本当に魔獣召喚なのには噴いた)が相手なものの、最終章で数でも数えるかのようにバタバタ畳みかけるように死んでいく様はまさしく"忍法帖"的な展開であったかと。忍法や忍者のネーミング(「魔獣召喚」以外)、キャラ付けもそれっぽくて良いですね。
あのラストは、上巻から筆を尽くして語られていたように「強大なエネルギーのぶつかりあい」からの「その時不思議なことが起こった」的な現象で、ある意味ベタともいえるものですが、「瞳術同士の対決」「神との闘い(神をも倒す手段)」、あとついでに「徳川家へのカウンター」といったあたりにも決着をつけるもんだったのでしょうなぁ。