【感想・ネタバレ】新装版 最後の伊賀者のレビュー

あらすじ

驚異的技術と凄まじい職業意識を持つ怪人たち、伊賀忍者はいかにしてつくられどのように生きたか。城取り、後方撹乱、探索密偵等、戦国の武器として使いちらされた危険な傭兵、詐略と非情の上に成り立つ苛酷な働きが、歴史の動きに影響を与えた不思議な人間たちを、自在に描く短編等、魅力溢れる7編を収録。

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天明の絵師

・「お前の絵については、わしが認めている。
あるいは器用貧乏で終わるのかもしれないが、一つ間違えば、ひょっとすると画壇の大宝になるかもしれない」
「思いもよらぬことでございます。元来があさはかでございますから。
いっそ、自分の器用を捨てればよろしゅうございましょうか?」
「捨てる?…若いのだな。世に浅いとでも言うか。
つまり、自分を含め、人間というものがわかっていないから、そのように、
わかったような、田舎寺の和尚のようなことを言うのだ。
人間、持って生まれたものを捨てられるはずもなく、また捨てる必要もない。
死ぬまで持ち越して行くものさ」
「先生…」
「旅に出るかね?10年、旅に出るがよいだろう。本来、芸術とは漂泊者のものではないか。
心が刃物のように研げてくる。旅に出れば、自分の心の奥にある、あったとも思えぬ、意外な琴が、意外に鳴り出すこともある。
その琴の音を聴く。聴くことが旅というものだ。その音だけが自分を高めてくれる」

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2022年09月30日

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