【感想・ネタバレ】火の鳥 手塚治虫文庫全集(4)のレビュー

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Posted by ブクログ

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『火の鳥 鳳凰篇』
我王と茜丸、何もかも対照的な二人の主人公。
「鳳凰篇」が極めて人気が高いのも、この徹底的なコントラストをなす二人が、後に宿命的なライバルとして相まみえる所にあると思います。

我王は、容貌も心根も醜く、世の中を恨み、強盗・殺戮を繰り返しました。
ですが、速魚や良弁僧正との出逢いを通して、人間の心と生きる意味を取り戻してゆきます。
才能を開化させ、聖者の風貌を具えますが、悪に対する怒りは失いませんでした。

一方の茜丸は、容姿端麗・清廉潔白な青年です。
純粋な心と、ひたむきに没頭する資質とで、絶望さえも克服してゆきます。
愛する女性とも出逢い、理想的な人物となるはずでした。
そんな彼も哀れ、権力の渦中で自己を見失ってゆくのです。

このように『火の鳥 鳳凰篇』では人間の善と悪も、二つの典型を通して描かれています。

この二人が仏師として彫刻に生涯を捧げるという、一つの接点を持つに至ります。
そして、東大寺大仏殿の鬼瓦造りで、互いの技量を競うことになるのです。

物語中、茜丸と我王それぞれに「火の鳥」は現れ、彼らの心に働きかけます。
人間の業、輪廻転生、永遠の生命······。
あまりにも壮大なテーマが、対照的な二つの生涯、二つの結末を通して展開されてゆくのです。

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2024年04月03日

Posted by ブクログ

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時は奈良時代。2人の仏師「我王」と「茜丸」が鬼瓦造りの腕を競う。我王の鬼瓦には、世の中の無情、権力闘争、生きることの苦しみといった「怒」が込められ、見る者を驚嘆とさせるが……。平城京の都を舞台にした『火の鳥』「鳳凰編」を収録。

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2011年11月16日

Posted by ブクログ

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「鳳凰編」
因果応報の考え方が薄れてきて、現代のモラルの低下を招いているのではないか。何か分からぬものへの怖れがあってこそ、人は善く生きることができるのではないか。ふと改めて、そう思い起こすことができた。
試練に耐えて得た力は、誰にも奪われない。自身を磨く努力を心掛けたい。

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2013年01月19日

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