【感想・ネタバレ】源氏物語 巻十のレビュー

あらすじ

宇治の山荘を訪ねた匂宮は、薫を装い浮舟と契る。2人の男の間で揺れ迷う浮舟は、苦悩の末に死を決意。入水を図るも果せず、助けた横川の僧都により受戒、出家する。生存を知った薫は便りを寄せるが、浮舟は拒絶し会おうとしない。大長編小説「源氏物語」54帖、圧巻の完結篇。第1巻は、浮舟、蜻蛉、手習、夢浮橋を収録。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

え!!!!!十巻も待たせたのに、こんな終わり方?!日本に誇る有名文学作品の終わりがこうだったとは。長い源氏物語の中で一番の衝撃がここにある。

歴史の授業を聞いていると、平安時代はとっても昔で、文明が未発達というイメージがあった。しかし、源氏物語の登場人物に触れて、現代に住む私たちと心はほとんど変わらないということがよく分かった。

源氏の栄華が語られる前半、そして宇治に舞台が移る後半。どちらも個性溢れる登場人物の心理が巧みに語られ、昼ドラさながらどんどん惹きこまれていく。特に宇治が舞台の後半は、頁をめくる手が止まらず、どこで休憩しようか迷った程だった。

寂聴氏は「男はせいぜいこの程度よ、という紫式部の声が聞こえてくる」と解説で書いているが、私には「あるよね~、そういうこと」という女房達の声が聞こえてきた。

そんな昔の物語を、こんなに生き生きとした文章で読むことができることに感謝しなければならない。他の訳本が進まなかった私にとって、寂聴氏の源氏物語は、抜きんでた名訳であった。話も面白いし、読みやすいし、是非色々な人に手にとって欲しい本である。

0
2013年01月16日

「小説」ランキング