あらすじ
源氏の道ならぬ恋慕に悩む玉鬘は、意想外の求婚者・鬚黒の大将の手に落ちる。夕霧は長い試練の果てに雲居の雁と結ばれ、明石の姫君は東宮への入内を機に、後見役となった生母・明石の君と再会。四十の賀を控え准太上天皇の地位に上がった源氏の半生は大団円を迎える。第5巻は、蛍・常夏・篝火・野分・行幸・藤袴・真木柱・梅枝・藤裏葉を収録。
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Posted by ブクログ
この時代の女たちは男に言い寄られ、部屋に押し入られたが最後、もうどうすることもできなかった。源氏に言い寄られ髭黒の大将にも言い寄られ玉鬘は相当気持ち悪かっただろうな…。五巻は玉鬘の結婚と、夕霧が遂に雲居の雁の君と結婚するところが大イベント。一見一途に姫を思い続けたように見える夕霧だけどやっぱり源氏の子。一度は姉と慕った玉鬘に言い寄ってみたり、他の女を慰みものにしようとしたりと彼の恋路にも波乱の予感を感じる。
Posted by ブクログ
源氏30代後半の物語。平安時代の30代後半は、もうかなり落ち着いている頃だと思われるのに、源氏はまだまだ男盛り。引きとった娘という触れ込みの玉蔓を自分の妻の一人(花散里)に育てさせる一方、自分は玉蔓に恋心を寄せている。困った困った。
お香に興味がある私としては、薫物の調合が行なわれる「梅枝」の帖が興味深かった。明石の姫君の入内の際に持たせるという。読んでいて、その香りを嗅いでみたくなった。
文学論や書道論が語られるこの巻、栄華を極めた源氏の暮らしぶりが垣間見れる。