あらすじ
複雑な関係を続けるFBI行動分析官・サム・ケネディとの3週間ぶりの再会が待ち遠しいジェイソン。そんな彼を悩ませているのは、幻のフェルメール作品を含むかつてナチスに奪われた美術品の調査。美術品横奪の容疑がかかる男が、絵の持ち出しはモニュメンツ・メン――第二次大戦中に美術品を守った多国籍部隊――に命じられて行ったと証言していたのだ。疑惑のモニュメンツ・メンこそ、ジェイソンの敬愛する祖父、エマーソン・ハーレイ。祖父の無実を証明するべく、ジェイソンは自らの進退をかけて捜査にのり出すが――!?
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Posted by ブクログ
総合評価:★5.0
殺しのアートシリーズ第四巻。
今回はこちらのシリーズにしてはページ数少なめでしたが、そんな不満を一切感じさせないほど読み応えのある内容で、最後の一文までしっかり楽しませていただきました。
今回は意外にもサムの出番は少なめで、ジェイソンが主体となって動く回でした。サムよりもJ・Jの出番の方が多かったんじゃないかな(笑)
これまでは連続殺人犯を追う話でしたが、今回のテーマは“幻のフェルメール作品を追え!”というジェイソンの専門分野にばっちり当て嵌まるお話だったので、過去三作品とはまた違った気色となっていて読んでいて楽しかったです。
ただ、そのジェイソンがなぁ…。FBIは身内が関係する事件の捜査には関われないと厳格なルールで決まっているのですが、ジェイソンはそのルールを破って捜査しているんですね…。理由は事件に今は亡きジェイソンの祖父が関わっているかもしれないから。
勿論、ジェイソンに不正を働く気など毛頭ありません。どんな結果になろうとも、事実として受け止める覚悟が彼にはあるのですが、規律の鬼であるサムがそれを許すはずもなく…。
サムが規則を読み上げてジェイソンの行いを非難するシーンは恐ろしくてこちらまで肝が冷えました。
更に激怒したサムに「信用ならない」と言われてショックを受け、逆上するジェイソン。まさに売り言葉に買い言葉、前半の甘々っぷりが嘘みたいに一気に険悪なムードに…。
まぁ、サムも大概勝手な男だからジェイソンが怒る気持ちも分かる。サムの態度や言い方も良くなかったと思う。
ただ、やっぱり今回は倫理規定を無視したジェイソンが圧倒的に悪い!法執行官が私情挟んじゃ駄目、絶対!(でもジェイソンのそういう青臭い所も好きよ笑)
結局、ジェイソンの祖父は悪い事してなかったし(おそらく)、今回もジェイソンが危険を顧みず猪突猛進したおかげでフェルメールの絵も発見され、事件も無事に解決、結果的にはジェイソンの大手柄になった訳ですが、何と言うか…ジェイソンに振り回されるサムとJ・Jがちょっと可哀想だなと(笑)
最後、サムがジェイソンの自宅まで謝りに来たのですが、その時のサムも過去一弱々しくて、余計に可哀想になってしまいました(笑)
まぁ、最後の最後で別れる事にならなくて良かったです(^^;)
今回はサムの元セフレが登場したり、J・Jが大活躍したり、ジェイソンとサムが急転直下でまたもや破局の危機を迎えたりと色んな見所がある巻で凄く面白かったです。
ジェイソンを狙うストーカーもいよいよ本格的に動き出しそうで次の巻でどうなるのか凄く楽しみです!どうか二人とも無事でいてくれ〜!!(>人<)