【感想・ネタバレ】すいません、ほぼ日の経営。のレビュー

あらすじ

ほぼ日の経営について、
まるごと糸井さんに聞いてきました--。

糸井さんは、もともとフリーのコピーライターで、組織に身を置いたことはほとんどない。
それなのに、活動の幅を広げる過程で事務所を立ち上げ、100人以上が勤める企業をつくりあげた。
一方の私は、大学卒業後に伊藤忠商事の事業会社のひとつである
伊藤忠ファッションシステムに入社して35年目。
転職をしたこともなければ、フリーとして活動した経験もない。
根っからの組織人であり、よくも悪くも日本企業の価値観が、骨の髄(ずい)までしみこんでいる。
そんな私が、糸井さんにほぼ日という会社の目指す先を聞いていった。
インタビューは、驚きと発見の連続だった。
事業、人、組織、上場、社長--。企業の根幹を支える部分について、
なにを考え、どのように向き合っているのか。
糸井さんが語ってくれた話の数々は、長年の会社員生活を通じて、
私の中にインプットされた常識をくつがえす内容ばかりだった。--まえがきより

ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の創刊から20周年。
ジャーナリストの川島蓉子さんが、ほぼ日を率いる糸井重里さんに、「ほぼ日の経営」について、まるごと聞いてきました。
ほぼ日の「これまで」と「今」。
なぜほぼ日では、魅力的なコンテンツ、サービス、商品が、次々に誕生しているのでしょうか。
糸井さんとほぼ日にとって、事業とは、働くとは、そして会社とは--。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読み進めるのに時間がかかってしまったけど、証券会社で働いていた自分が読むと、面白い視点が多かった。
「上場を、企業が強くなるためのエクササイズのようなものだととらえることができないか」という糸井さんにびっくり。テストなら「まず解ける問題60点を先に解答してから、残りの問題を解く」というやり方ではなく、誰にも解けない1%の難問に突っ込んでく姿勢とか。
『できるかどうかはわかりませんが、「幸福」を基準とした資本主義のようなことができないか』という糸井さんの言葉にグッと来たし、それをほぼ日の皆さんの世界でコツコツ実践されてるんだなーと感じて面白かった。

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2024年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ほぼ日の手帳は自分も使っていて、そのページ下の今日の一言が面白く、ずっと、コラムは昔の女性の古典作品だと思っていた(いといじゅりだと勘違い)。

アイデアの質や発想を大事にしつつ、組織のなかで話し合い、より良いものへ高めていく。
みんなでやろうと判断したら着実に実行する。
社員同士が互いに学び、感謝しあう信頼関係を作ろうとしている。のがほぼ日の経営らしい。
すごい!
大きな利益を確保することやプロセスの効率化で生産性を上げることが目的になりがちで、買い手や社員の論理と離れることを疑問視しているのに、あえて株主からの要求に縛られる上場を選んだり、と行動規準がわからず、何だか密談を覗き見している気分で読んだ。
社員一人一人にレベルの高い当たり前が求められるが、それは数値にできない誠実さと貢献力。
完璧な基準がない、と、上場しても明確な指標を作らない姿勢にすごくやりがいと信頼が産まれそうな会社だな、と感動した。
自分の基準や情熱はどこにあるか、すごく考えた。

□すごいと思ったポイント
・企画書やマーケティングはやらない
→ターゲット層を明確にしないが、自分が本当に喜べるものか本気で考える
→自分が嬉しいこと、それは何故か、どこが好きかを自問自答して、自分なりの解答を見つける
→大企業が安くて似てるものを出しても、それは「心」の問題が抜けている。顧客と直に繋がれている貴重な財産がほぼ日にはある。

・手帳のLIFEの考え方
後から読み返すと自叙伝や伝記というBOOKになる。そこで振り返った時間のうち、「良い時間」はどれくらいだったかと振り返れる。その手帳と接する時間を「いい時間」となるようにしたい
→手帳は自分が使って完成する未完成品。あなたは何もしなくていいという商品ばかりが売れるなか、使う人を信頼して委ねている。それが相手への敬意になり、大事にされているという感覚を得られるのでは。

・ほぼ日の働き方改革
集中して生産性を高めようと説明する会社が多い、残業を減らして給料を下げる会社が多い→何をもって集中と言うのかわからない。他の会社や行政が出す案が本当にほぼ日にあっているのか考えていた。漫然と過ごしている時間がもったいない。
→1日7時間勤務+一人で作業するインディペンデントデーの作成
→社員が「自分だったらこうする」を考えさせて、他のメンバーの案をあてにしないようにする
→社風は「何がカッコいいか」で決まる。
消極的でいた方がうまくいく風土を無くすために動く

・のびのび働くとは(これが一番衝撃だった)
きちんと時間を守って遅刻をしない人が、だらしない人を非難しないように注意する
→会社に身を捧げられる、という人が偉くなってはダメ
→ハンディを背負う人に意地悪にならない
→じぶんが支えられる側になるかわからないし、支えられる人が支える
→平等は求めない。完全な平等は無理だとわかっているので。一緒に働きたい基準は、その時々であると理解して、そこを大事にする。

・誠実と貢献
貢献は、成果という具体的なことをみんなに見せられるかどうかということ。目指し、実現するために責任と期限も含めて行動できているかも示す。
誠実は信頼とセットになっている。意図的には手に入れられないもの。自分にも相手にも誠実でいることは、地道な努力が必要。

・やさしく、つよく、おもしろく
人体模型のような組織図
→部長や取締役は便宜上つけているが、だいたいがやりたくない人にやってもらっている
→どれが欠けてもいい、とは言えない
ピラミッド型の組織は、上から下へ命令伝達されると思い込んでいるが、上がどんどん聞いてくれるようになった時に本気度が試される。
→面白い案を引っ張りあげることのできない先輩は相談されなくなる。

・子供の自由からの脱却
上場へのきっかけは、実績が増えてきた中で、自分達の成長速度が遅くなっていることに気づいたこと。小さいサイズの狭い認識でいる自分と、それに合ったところで楽しくやっている社員、というバランスで落ち着いてしまっていた。
今を生きる会社でないと、やっていく資格がない。社会から見られていることを意識して、試される場に身を置く。

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2019年11月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

糸井さんは、「♯ていねいな暮らし」というイメージがあります。
それは、心からいいなーという人もいれば、揶揄する人もいるイメージです。しかし、おそらく周りにそう見られていることも知りながら、そのスタイルを守り続けていることは、やはりすごいことだと思います。
私も憧れる一方で、そんな風にはできないよ、という嫉妬もあります。

私は経営者ではありませんが、この本が経営のノウハウを語っている本ではないことは分かります。もっとボンヤリした(失礼)、ふわふわとした理念を語った本です。
ふわふわしながらも、そこがブレません。
「ほぼ日」で働いてみたいなあ、と思いました。

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2020年04月12日

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