あらすじ
日記の内容について久遠を問い詰めた静良井は、すべてをリセットしようとした彼に池に突き落とされた。それから数週間、静良井は車椅子生活ながらも、久遠の元で穏やかに暮らしていた。そこへ、ひどい別れ方をして以来静良井のことを気にかけていたらしい中上が様子を伺いに現れる。日記の恋人『M』が誰であったかを知らないまま、再び顔を合わせた二人だが……? ひたむきな愛が胸を打つ、感動の完結篇!!
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Posted by ブクログ
いよいよ最終巻。長い話なのに毎月続きが読めたから、最後までどっぷり物語の世界に入り込めたのが何と言っても良かったところです。
2巻で二人の過去の関係が判明し、再び話は久遠に池に突き落とされた時点へ。
…これは、もしや救いようのない結末になるのでは?と読み始めで思わず不安になってしまいました。
誰がMなのか?というサスペンス的要素を追いながら読みつつ、でもBL的に(おい)間違いなく中上だよね~と思ってしまうんだけど、記憶をなくしてしまう静良井は自身にとってもリングノートで確認した実態のつかめない恋愛で。
彼はどうするのかなと思いました。
だけど、このリングノートがその後の展開に関わっていて、ものすごく重要な役割を担っているのです。
また涙腺崩壊してしまいました。
中上の気持ちを考えるともう、胸が潰れそうになりました。互いの過去について何も語らなかった中上だけど、心の中では静良井に対する深い想いがずっとずっと続いていたのだなと涙なしには読めなかったです。
そして、静良井も記憶をなくしても心の深いところで忘れないでいる何かがあるのです。
しかし、静良井のために中上は自分の人生の全てを捧げているよね…
大学も中退、飲めなかったくせに今では夢のコーヒーショップのマスター、そしていつまでも愛する人を待っている泣かせる男だった…!
静良井もこれ以上彼の人生を自分のせいで台無しにしたくないと思い詰めるレベルで、でもそんな彼を一生支えられる人間になりたいと決意させられるレベルで。
そして、過酷な運命を背負っていてなお、明日に向かって一日一日を二人で幸せに生きていこうとする姿勢が、美しすぎでした。
なので、もちろんエロ的にもすごく萌えました。センセの描くHシーンはいつもすごくツボにはまるのですが、今回も苦悩と幸せのはざまのHは胸にくるものがあってたまらなかったです。そして、Hシーンがかなりてんこ盛り。
二人なら何度でも間違いなく恋に落ちるだろうなと確信できます。美味しいコーヒー飲みたくなりました!
匿名
お互いを想う気持ちが強くなりすぎて、衛はいつまでも想い続けて探して見つけてを繰り返そうとしてるし、真文は身を引こうとするし・・・ホントに色々と切なくて泣けました。
この先どんなことがあっても、きっと二人はまた巡り逢ってお互いを大切に思うんだろうな、そうであってほしいなと思います。
あと、やっぱりどうしても久遠は受け入れがたかったな・・・。
とは言え、久遠にも幸せがやってくるといいなと思います。
記憶とは。
心で覚えている事、身体が覚えている事、五感で覚えている事、それぞれはきっと独立して存在するのだろう。辛い記憶に振り回される事なく、幸せに生きて欲しい。
記憶を失う怖さ
記憶を失うことを始めから知っていて生活していかなくてはいけない運命を背負った静良川。彼には恋人がいたけれど、彼のことも記憶にはない。だから二人にとてもつらい月日が待っていたけれど、この巻で無事に落ち着きます。恋人に存在を忘れられる中上と、恋人を忘れることを恐れる静良川。中上は、離れている間に、記憶がなくなるという特異な病気を持つ静良川への想いをとても強めているし、それに、もう10代のように、失っても待つだけという態度でもなくっているような気がして、これからの二人の生活、たとえ、4年後にまた静良川がすべての記憶を失っても、彼を探し、彼との関係を作り出していくことをしていくんだろうな、と信じられると思いまいた。
Posted by ブクログ
「M」で衛と静良井さんと久遠さんが絡み合って、解けてまた結ばれました。じんわり来た…。静良井さんの書いた記事のラスト一文の余韻がすごい!久遠さんも静良井さんのことすごく好きだったんだよね、彼にも幸せになってほしいです。
全サ応募必須。
最後の受けちゃんの「カナリー」の記事が凄く良かったです。ずいぶんの彷徨を経てようやくあるべき場所におさまったお二人がずっとずっと幸せにいられます様に願って願っずっと願い続けます。