あらすじ
失踪していたエミリーがとうとう姿を現した。そんなとき、日増しに衰弱していたドーラが、とうとうあの世へ旅立った。エミリーから託されたハムへの手紙を持ってヤーマスへ向かったデイヴィッドであったが、折しも嵐が襲いかかり、怒号する大海原に難破船が浮かんでいるとの話を耳にする…。(全5冊完結)
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Posted by ブクログ
遂に完結! 最後の5巻はすべての伏線を回収して,基本的に良い人には幸せが,悪人にはそれ相応の報いが訪れる(例外もあるが).そうか,謎のキャラクターのミコーバー氏の役割はそういうことか.
ディケンズのお話の常で,やや主人公のキャラクターが薄く,基本的に周りの出来事に翻弄されることによってストーリーが進んでいくのだが,今回の場合には「ほぼ自伝」とされているので,つまり自分の感情を書き込んでいないのは,やむを得ないでしょう.
ご都合主義とも言われることが多いディケンズの小説の中では,おしまいにきちんと着地を果たした感じで,とても良くストーリーが練られて書かれているように感じた.かなりの数の小説は,そのルーツをたどると,このデイヴィッド・コパフィールドに源流が行き着くのではないか?