【感想・ネタバレ】忘却バッテリー 3のレビュー

あらすじ

帝徳高校との試合に敗れ気持ちを新たに打倒帝徳を目指す小手指野球部。そんな中、藤堂がイップスであることを告白。過去のトラウマにより発症し、プロですら治るか分からない見えない傷――。遊撃手(ショート)のポジションを代えてほしいと頼む藤堂に要の放った一言が彼の気持ちと決意を一転させる!!

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取り戻せ、記憶と情熱! 圧倒的ハイスピード記憶喪失野球コメディ!  
怒涛のギャグ爆笑の第一巻に油断した私、巻を追うごとに何度も熱いものがこみ上げるようになりました。
そんな本作の主人公は、天才バッテリーのキャッチャー「要 圭(かなめ けい)」。中学シニアで無双した有望選手でしたが、なんと記憶喪失に! 野球なんて知らん、と都立高校(※野球部なし)に進学します。そこには、「野球なんて二度としねえ」と覚悟した実力者がちらほらいて…。
誰にでも才能はある、そりゃそうだけど、それでも自分の上位互換はいくらでもいます。そんな残酷なスポーツの原則を突き付けながら、真の天才に打ちのめされた人間の再起が生々しく描かれます。運動部で常に弱かった私は、読みながら何度も目頭を押さえ、そして数ページ後には声をあげて笑ってしまいました。文字通り笑って泣けるマンガです。
天才がネットでいくらでも見つかる現代、今こそ読んでほしい才能と情熱の物語です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 ショートの不良系強打者・藤堂葵にスポットを当てた3巻である。
 本筋としての動きは少なく、彼の中学での経験から来るイップスがメインとなっている。あとは快速オタク系センターの土屋和季の登場も大きなところだろう。

 スポーツ系の漫画としてはあくまで試合と試合の合間のような位置づけになりそうな巻だ。
 だが、おそらく、こここそがこの物語の中心になるのだろう。それだけ濃密に、中学球児・高校球児たちの現実を容赦なく抉り抜く展開はお見事である。
 正直、藤堂のあまりにありふれているだろう過酷な体験と、あまりに出来過ぎなバッティングセンターでの再会に、二度泣かされた。

 文句なしに星五つで評価したい巻である。
 はみ出し者たちが都立で一旗揚げるという、実は物凄く正統派なスポーツ物語の構成を採っているこの作品だが、そこで描くドラマの質、描写の質は極めて高い。
 それでいてパイ毛ギャグに関するぶっちゃけトークなども実に楽しいもので、笑いと感動の落差の酷さもまた、この作品の優れたポイントだろう。旦那を晒し者にするのはやめてあげてください。(笑)

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2019年09月09日

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