あらすじ
星明学園戦、9回表――。清峰が放つ豪速球と共に減っていく、ゲームセットまでのカウントダウンは止まらない!! 為す術もなく窮地に追い込まれた星明学園は一矢報いるため、2年・高須に全てを託す。誰よりも野球と仲間に情熱を注いだ男は球場で奇跡を起こす――!?
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取り戻せ、記憶と情熱! 圧倒的ハイスピード記憶喪失野球コメディ!
怒涛のギャグ爆笑の第一巻に油断した私、巻を追うごとに何度も熱いものがこみ上げるようになりました。
そんな本作の主人公は、天才バッテリーのキャッチャー「要 圭(かなめ けい)」。中学シニアで無双した有望選手でしたが、なんと記憶喪失に! 野球なんて知らん、と都立高校(※野球部なし)に進学します。そこには、「野球なんて二度としねえ」と覚悟した実力者がちらほらいて…。
誰にでも才能はある、そりゃそうだけど、それでも自分の上位互換はいくらでもいます。そんな残酷なスポーツの原則を突き付けながら、真の天才に打ちのめされた人間の再起が生々しく描かれます。運動部で常に弱かった私は、読みながら何度も目頭を押さえ、そして数ページ後には声をあげて笑ってしまいました。文字通り笑って泣けるマンガです。
天才がネットでいくらでも見つかる現代、今こそ読んでほしい才能と情熱の物語です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
星明学園戦にピリオドを打ち、その後日譚と次戦に向けた前日譚が描かれた8巻である。
敵味方の試合前の日常が普通に描かれているだけなのに、お互い死亡フラグを積み重ねているように見えるのはなんとも凄い。
次巻くらいで誰か死ぬんじゃないか、くらい不穏な平和である。
後半で描かれた「名門校に挑む無名校」=「絶対正義の前のヒール役」といった描写は、個人的にはスラムダンクの山王戦を彷彿としてしまう。
まさに王道の描写だろう。
ただ、王道であればこそ、普通なら「無名校の頑張り」が描かれるはずだが、みかわさんの作風を思うとそこには疑義が挟まるだろう。
どうなっていくのか次巻が楽しみな、実に楽しい不穏な一巻だった。
合間の巻であればこそ、星四つ半相当と評価しているが、次巻以降の激戦を期待させる内容だったのは間違いないところである。