【感想・ネタバレ】いとみち 三の糸(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

濃い津軽弁と小柄な体がトレードマークのドジッ娘(こ)メイド、相馬いとも高校3年生。三味線の腕前は相変わらず抜群、バイト先のメイドカフェではたるんだ後輩に鬼の指導(?)、一つ年下の鯉太郎への恋心も奥手なりに加速中。成長著しいいとの前に、「受験」という名の過酷な試練が待ち受けていた。そしてついにやってきた、旅立ちの時――。まぶしすぎる青春物語、笑顔と感涙の卒業編!

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ネタバレ

相馬いと
青森県北津軽郡板柳町に住む高校三年生。地元でも「は?」と聞き返されるほどの濃厚な津軽弁を話す。列車で一時間もかかる青森市のメイドカフェでアルバイトをしている。祖母譲りの津軽弁を話す。

福士智美
幸子曰く、「青森一のバカ」。店の看板を描いた。本物の二十二歳。フクシサトルのペンネームで月刊青年誌の奨励賞を獲った。漫画家志望。合浦の実家からスクーターで通勤している。いと曰く「心にオヤジば飼っでる」。月刊コミックラプターで大賞を獲り、メイドを辞めて東京へ行った。

工藤優一郎
津軽メイド珈琲店の店長。外ヶ浜町蟹田の出身。東京のカフェで働いていた。オーナーの成田に声をかけられ、「津軽メイド珈琲店」の店長となる。逮捕直前の成田から店を譲られる。

工藤幸子
メイド長。いとの第一印象は「おっかね」。三十あたりに見えた顔がメイクで二十歳そこそこまで若返る。客の前では年齢を五歳サバ読みして、二十二歳のフリーターとして通している。小学生の娘がいる。幸子が焼くアップルパイは「津軽メイド珈琲店」の看板メニュー。店長と結婚した。

赤平凛
店の常連客。「津軽メイド珈琲店」近くの信販会社に勤めている。週末のみの勤務形態でメイドとして働き始めた。信販会社が青森から撤退するため、津軽メイド店で働くことになる。

鳴海佳奈子
店の常連客。「津軽メイド珈琲店」近くの信販会社に勤めている。週末のみの勤務形態でメイドとして働き始めた。信販会社が青森から撤退するため、津軽メイド店で働くことになる。

成田太郎
「津軽メイド珈琲店」の創業者。元オーナー。鯵ヶ沢出身。工藤がいとを面接で落とそうとしたが、成田が採用を決めた。いとを「わぁの秘蔵っ子」と呼ぶ。ビーチ・ボーイズの曲を愛聴している。自身の会社の有限会社ナリタエンタープライズでの活動が薬事法違反で検挙される。逮捕前に「津軽メイド珈琲店」の権利を工藤に譲り、店の存続を託す。

福士智晴
チハル。智美の妹。高校生。「津軽メイド珈琲店」でアルバイトを始める。バイト中の態度が悪く、いとに叱られる。

石郷鯉太郎
二年生。大鰐西中相撲部出身。写真同好会に入る。店長の工藤とは従兄弟。

相馬耕一
いとの父。弘前市内にある大学に勤めている。教え子の学生達を自邸に招いたり、いとの友人達を車で送って行ったりする世話好きな性格。

相馬ハツヱ
いとの祖母。七十九歳。津軽三味線の名手。ヴァン・ヘイレンをこよなく愛している。純粋で古典的な津軽弁の話し手。二十歳で津軽半島西部の小泊から相馬家に嫁いできて以来、半世紀あまりを平野の中のりんご産地で暮らしてきた。

相馬小織
耕一の妻でいとの母親。故人。十二年前、乳癌によりわずか三十二歳で他界した。弘前市で生まれ、弘前育ち。地元の大学に進み、八つ上の研究員と知り合った。その研究員の板柳の家に遊びに行き津軽三味線のうまい婆さんと出会う。その三味線の音に惚れ込み、弟子を取らない主義の婆さんを口説き通いの弟子になる。二十五歳のときにその研究員と結婚して、いとを産んだ。

対馬美咲
いとのクラスメイト。早苗の親友。いとが早苗に話しかけたことがきっかけで仲良くなる。南津軽郡藤崎町在住。

三上絵里
いとのクラスメイト。早苗の親友。いとが早苗に話しかけたことがきっかけで仲良くなる。南津軽郡藤崎町在住。

伊丸岡早苗
いとのクラスメイト。いとが住む板柳から三駅先の五所川原に住んでいる。いとが意を決して五能線の車内で最初に声を掛けた同級生。いとほどではないが津軽訛りが濃い。写真同好会を創設した。部に昇格させる実績作りをし、新入生八人も引っぱり込んだ。

山本駿介
店の常連客。「ゴールドのポイントカードを持つメイドカフェ廃人」のひとり。千葉県出身。いとが高校の社会科見学で訪れていた三内丸山遺跡で、自身の教え子達を引率していたところと鉢合わせしてしまう。高校教師。今年度より青森市の青森総合高校から転任し、いとの担任となる。英語担当。写真部の顧問。

由紀子
鯉太郎の母。

坂下
仙台の大学生。都市環境工学科。

五十嵐
仙台の大学生。都市環境工学科。新庄出身。


仙台の大学生。都市環境工学科。富山出身。

ジョン
鯉太郎家のビーグル犬。


鯉太郎の父。元相撲取り。十二枚目。

鯉一
鯉太郎の兄。

青木大
店の常連客。いとが倒れざまにバックハンドエルボーを叩きつけた相手。「メイドカフェ廃人」のひとり。つがる銀行新町支店法人営業部部長席付。チハルがエレベーターホールのモップ掛けをしているところを目撃し褒める。

樹里杏
幸子の娘。

一戸こま
四月から高校生。「津軽メイド珈琲店」のバイトに応募。三味線のジュニアの部で優勝経験がある。

栗原
店の常連の大学生。就職のため青森を離れる。

藤沢
店の常連の大学生。就職のため青森を離れる。

田中
津軽メイド珈琲店を担当するつがる銀行の法人営業部。


0
2025年11月11日

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ネタバレ

2022/8/3
シリーズ完結。
なんだけどもうちょっと読みたいよ。
いとちゃんはどんな大人になるんよ。
3年ぶりのねぷたのニュースを見て、いとちゃんたちも見てるのかしら鯉ちゃんと見てるのかしらとか思ったり。
三味線ばあちゃんの話はいかにもありそうで笑った。
大人になったいとちゃんたちのその後の話、期待してます。

0
2022年08月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いとみち三部作完結編、じつは「二の糸」からの一気読み。

前作では、店長とメイド長幸子さんが結婚したり、メイドチーフの智美さんが上京したりと「3作目どうすんの?」と思ったが、本作は2作目以上に物語が動く。前作のレビューで「ちょいとひびを入れる」と書いたのだが、本作はひびはさらに大きく…、どころか、ヒビから皮向いてツルンツルンのゆで卵にしてしまう的展開。

1作目からすれば、いとちゃんの成長はすごいもので、そのあたりさすが青春三部作小説なんやけど、成長するのが、主人公だけじゃない、いやもうほぼ全員成長して進化して、まだまだ未来へ向かって進もうという意欲にあふれ切った展開をラストまで維持してくれる。

物語はいとちゃんの高校卒業後の進路がどうなるのか?を中心に展開していくのだが、前半からいとちゃんの成長した姿、成長していく姿が生き生きと描かれていて、元気もらえるわ、涙は出るわ、ハラハラするわ、いじらしいわ…、そら智美さんは抱っこしたがるのも無理ないわ…と。

どうしようもなく停滞しきった日本に、諦念と失望しかない若者よ。われら老人は申し訳なく思うしかないのだが、我らの反省をどやこやするより、この3部作、特にこの「三の糸」を読んで欲しい。未来はまだまだ切り開けるし、希望は捨てずに進んで欲しい。

他人事じゃない、俺だって若さはなくても、今日より明日は進化してみせる。ハツヱばあちゃんのように!

…そうそう、この本では今まで以上にハツヱばあちゃんが大活躍するぞ。

0
2022年04月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

高校三年生になった「いと」。
受験・進路のこと、家族のこと、
バイト先のこと、そして恋の行方と・・・
なかなかたくさん詰まった1冊でした。
しかしいとがここまで具体的に
将来のことを考え伝えられるようになったのは
いとが作中で言ってたように何かがきっかけで
急になったのではなく、バイト先の人達や
校の友達や後輩、父やばあちゃんなど
色んな要素が加わり、いとの中でゆっくりと
成長していったのだと思うと人と人の
つながりって凄く素敵なことで大切なことだと
改めて思いました。登場人物は基本的に
素敵な人だらけで心が温まる。

そしていとのスペシャル有名になった
ハツヱばあちゃんの三味線・・・
一度聞いてみたい。

映画化になると聞いてどんな感じに
なるか少し楽しみです。

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2021年02月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いとが目標を見つけ、「津軽メイド珈琲店」の従業員たちもそれぞれの道を進み、「ジャンピング・ニー」で将来どうなってしまうのかという不安を見せた智美もどうにか連載にこぎつけて皆がハッピーエンドになる展開は良かった。いとのおばあさんとヴァン・ヘイレンのギタリストがセッションする部分は余りの展開に大笑いしてしまった。3巻を通じていとの成長する姿に一喜一憂してシリーズを楽しむことが出来た。願わくば後釜メイドのこまちゃんのシリーズもやらないかなと密かな期待をしてみたり。ない物ねだりかな。感想はこんなところです。

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2017年12月31日

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