あらすじ
ずっと、透明になってしまいたかった。 でも本当は「ここにいるよ」って言いたかった―― いじめに遭っている少女・耀子、居所のない思いを抱え過去の思い出の中にだけ生きている未亡人・照子、生い立ちゆえの重圧やいじめに苦しむ少年・立海。 三人の出会いが、それぞれの人生を少しずつ動かし始める。 言葉にならない祈りを掬い取る、温かく、強く、やさしい物語。
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Posted by ブクログ
シリーズ第1巻。先にシリーズものだと知らず最後の第4巻を読んでしまった。4を読んで1を読むのはどうかと思ったが先を知っているだけに耀子と立海の幼少期と周りの関係性がよくわかり、逆にとても面白く感じた。二人とも両親に恵まれていなかった事もあり育ってきた環境もいいとは言えずそれがお互い惹かれあう。2巻、3巻でどうなるのか。耀子は新しい自分をつくれているのだろうか。
Posted by ブクログ
青井が耀子に対しての最後の授業
「今を変える魔法の言葉」
どうして?って思いそうになったら、どうしたら?って言い換える。
勉強というものは、自分の武器を見つける手段。
バカだとかクズだとかの言葉は、何も生み出さない。人の心を砕くだけ。
響いた。自分を卑下したり自己肯定感を低くしている子どもたちにも伝えたい!
この本をすすめたい!
やらまいか。
がまだせ!
けっぱれ!
自立 かおをあげていきること
自律 うつくしくいきること
きっと、耀子は理不尽を乗り越えられる。
私も 自立 自律 心に留めて いきていきます!
Posted by ブクログ
伊吹有喜さんの本にシリーズ物があると知って手に取った1冊。
大人達の事情に翻弄される子供達。
それでも常夏荘で過ごす日々は宝物のようにキラキラ輝いて見えた。
常夏荘の優しい大人達に見守られて、少しずつ健全な心になっていく。
子供がいるせいか、間宮のお爺さんや照子の気持ちが痛いほど伝わってくる。
子どもたちはいつか全て忘れてしまう。こちらは全て覚えているのに。けれど
「そうでなけれはきっとーー子どもたちは母のもとから巣立てない。」
この言葉が私にはとても沁みた。
彼らが大きくなるにつれてどう成長していくのか楽しみ。続巻も読もうと思う。
Posted by ブクログ
2022年ラスト本!1980年浜松市にある遠藤家の別荘、常夏荘が舞台。父を亡くし二人暮らしだった母に突然捨てられた耀子(小4)は、祖父に引き取られる。燿子はいじめにあい目をつぶってやり過ごす。遠藤家の跡取息子の立海(小1)。彼もいじめに苦しむ。この二人が常夏荘で出会い、勉強を通して相手を労り、理解する。また、常夏荘での女性蔑視行動、家元の跡取婚姻問題、親戚同士の諍い、伊吹さんの本は簡単には終わらない。女性が社会的自立(堂々と生きる)と精神的自律(楽しく生きる)ためには「自覚」「教育」が必要だということ。⑤
Posted by ブクログ
透明になりたかった。なんて悲しい言葉。父を亡くし母に置いて行かれた燿子ヨウヨ。愛人の子で身体が弱い立海リユウカ。学校のかわりの青井先生の授業が素晴らしい。自立と自律。どうして、って思いそうになったらどうしたらと言い換える。反省は大事。謙虚であるのも良いこと。だけどその前に自分を信じてやらねば。グズとかのろまとかそんな言葉は心を壊すだけ。たとえ世界中のみんながあなたにそう言っても、自分だけは自分にそう言ってはいけない。温かいおあんさん、おじいちゃんにも支えられハム兄弟もいるし進んでいけるだろう。やらまいか!
Posted by ブクログ
常夏荘をとりまく人々、しきたり、地域の風習などが
あまりにも昔のもののように感じていたら、
1980年とそれほど前ではなかった。
前時代的な雰囲気と、
都会から持ち込まれる現代的なものとの違和感を感じた。
複雑な家庭の事情を持ち、
子どもたちからはいじめの対象となっている燿子と立海。
2人が出会い、
お互いの中に自分の安らげる居場所を見つけていくのが
ほっとすると同時に、
この状態がいつまでも続くとは思えないという気持ちで、
ずっとドキドキしながら読んだ。
突然の別れは、とても悲しくやりきれなかったが、
立海のたくましさに救われた。
次作もあるようだが、2人が再会できているといいなと思った。