あらすじ
そして、悲劇は舞い降りる。美波高校の『演劇部』に所属する舞原吐季と、『保健部』に所属する千桜緑葉。心を通い合わせた二人だったが、両家の忌まわしき因縁と暴いてしまった血の罪が、すべての愛を引き裂いていく。彼女に心を許してしまいさえしなければ、眩暈がするほどの絶望も、逃げられやしない孤独な永遠も、経験することなどなかったのに。琴弾麗羅の『告別』が、桜塚歩夢の『断罪』が、千桜緑葉の『愛情』が、舞原吐季の人生を『残酷』な未来へと導いていく。現代のロミオとジュリエット、絶望と永遠の最終幕。
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Posted by ブクログ
ノーブルシリーズ完結作 4作を一日で、夜更かししながら読み切ってしまった!!
正直言って、やられたっていうのが一番かな
最初は緑葉がとにかくうざくて、氷菓っぽいのがなーとかって思ってたけど、内容はもっとずっと重かったし、緑葉が予想以上に愛に強く生きてたし・・・
花鳥風月シリーズに出てきた人達がどんどん出てきて、相関図に加わっていく様子がもうなんとも・・・花鳥風月シリーズから書くの大変だったけど、書いてきて正解だったわ!
演劇部の先輩の会社とか、七虹の参加してたバンドメンバーとか・・・果てには蒼空で何気なくメモしてた神谷さんが出てきてビックリしたけど、もっとビックリしたのは恵夢の名前を発見した時 まさか1巻から名前だけでも千桜家系に繋がる人が出てたとはね しかも刑事さんまで既出・・・あの莉瑚さんでしたか (てか刑事さんだったの?)
花鳥風月とノーブルチルドレンシリーズ、合わせて大きな相関図書きたくなる位にいっぱいリンクしてた!
内容は・・・重く苦しい日々が続いて、読んでてもちょっと辛かった
雪蛍は亡くなっちゃうし、吐季はなかなか前に進まないし、七虹の落ち込んでた時期もあったしね
葵依と佳帆の二人は二人で好きなんだけど、雪蛍を知った今、なんとも複雑な気持ちで仕方ない
吐季もさ、ずっと(気付いてないだけだったとはいえ)一人で居てさ、よく生きてたなって思ってしまった 自分に愛情を教えてくれた雪蛍と七虹を守って幸せになるのを見届けたいってずっとそれを生きる理由にしてきたし、雪蛍っていう大切な妹を失って、命を捨てるなんて出来なかったかもしれないけど、それでも、文からは吐季が死を考えてる様子なんて全然なくて、それだけで、ある意味強かったなと思う
最後は緑葉と結ばれたし、ようやく、よーやく麗羅とも友達になれるみたいでよかったけど、緑葉以外、吐季も麗羅も歩夢も、それぞれ重い過去があって、償いとか復讐とか喪失感とかいろんなもの抱えながら生きてきたと思うんだけど、なんかどれも切ないよね
でも、これでようやく、舞原の家と頭首に人生というか幼少期を翻弄された子供達が幸せになれるってことだよね!
それにしても、うざいくらいだった緑葉の性格あってこそのラストだったな あんなにうざかったのに、吐季との対象具合を出すためとはいえ、あの強烈すぎる性格がこんな風に二人を結びつけることになるなんてね 二人とも、お互いじゃないと本当にダメだったんだね
まさかのロミオは幸せだったと思う?っていう台詞さえも、ある種の伏線だったなんてね あーほんと、やられたなー
ハッピーエンドなのに、なんか涙止まんないんだけど・・・
最初は買い揃えたの失敗したかも?なんて疑ってたのが嘘みたい
買って正解だったわ
ノーブルチルドレンの休日、ぜひ読みたいな
ぜひ有莉と吐季の距離が縮まった未来の兄弟のお話とかさ そこに雪蛍が居ないのがとっても悲しいけど
麗羅と吐季とか、歩夢のその後とかさ気になるなー
Posted by ブクログ
ハッピーエンドでした!!
吐季の姿がとても切なくてどうなるのかと
思いましたが、さすが緑葉!強くて美しい緑葉大好きです。
次の綾崎さんの作品が楽しみ。
Posted by ブクログ
ページをめくった初めから
裏表紙を閉じるその時まで
そこにはただ、愛だけが詰まっていた……
ジュリエットを失ったロミオに訪れる死はなにも
肉体だけに依るものではない
絶望、絶望、絶望ばかりが積み重なって
確かに彼は死んだだろう
何故そんなにも彼を追いつめるのかと唇を噛み締めた
もういっそのこと、結末を見てしまいたいという気持ちを
必死に抑えてページを繰った
作中の彼と等しく時間感覚を失い
気づけば吐季も30の半ばで
抱いた胸の内の想いもまた、彼と同調する
終わるのかな
それともまだ……
変わらないことは罪であり
変わらないことは誇りだ
相容れないようでいて、それこそが真理で
そんな強く脆い世界の中を
どうか真っ直ぐ、生きてくれたらと思う
だいぶ抽象的なことを書いたけれど
要するに
ヤッタネ\(^o^)/!!!
最後の最後まで
まさかとは思いつつも麗羅てめぇよくも緑葉を!!
なんて展開もあったけれど
本当に良かったと思う
緑葉が帰国してるのを知ったなら
探し出してでも会いに行けよ吐季!とも思ったけど
その女々しい感じが彼らしくもあり(笑
あとラスト付近でせっかく救うと決めた夕莉をあっさり捨てようとしたのにも
ちょっとなと思ったりしたけども
とにかく良かった
個人的には葵依さんが『吐息雪色』から好きだったので
出番があって嬉しかったのと
彼が、
「社会では代替可能だからこそ人は結婚とかをするのかも知れない」
と言ったのには
自分も同じように交換可能性について過去に考えていたので
とても共感できた
誰かにとっての「代替不可能」
これが恋の究極系なんだなぁ
最後に1つ
大人になった歩夢の姿を見せてくれなかったのだけが
恨めしい←
Posted by ブクログ
シリーズ本編最終巻。歩夢の過去の告白から始まり、緑葉と吐季の別れ、吐季の生活の堕落・再生と話は進んでいく。ジェットコースターみたいな展開に一時はどうなるかと思ったが、やや強引な形ではあるものの吐季と緑葉が結ばれるハッピーエンドで締める形は良かった。しかしまあ、各キャラとんでもない人生を送る人たちが多すぎるなと思いつつも、吐季と緑葉の恋の行方を楽しむことができた。後は短編集。こちらも読んでいきたいと思う。
Posted by ブクログ
ノーブルチルドレンシリーズ第4弾・最終巻。
長谷見の断罪を行なった歩夢は、罪を認めたものの姿を消してしまう。
必死に探す緑葉。やっと見つけた先は、吐季と告別したはずの麗羅の自宅。
麗羅と共に歩夢の元へ緑葉は赴き、次に吐季と再会したのは空港。
絶対に自首しないという歩夢は国外逃亡するといい、緑葉も一緒に行くと言う。そして吐季に別れを告げる。
緑葉がいなくなり、大きな喪失感を抱える吐季。やがて高校を退学し、舞原家から勘当される。そして引きこもりへ。その期間10年。
社会復帰を果たすのは、最愛の妹・雪蛍の死がきっかけ。彼女の分まで生きようとし、舞原の後継の資質を発揮する。
正式に後継者指名を受けていた弟・夕莉はコミュニケーション能力が足りず、その資質が一族内でも疑問視されていた。彼の孤独を痛感した吐季は、弟のために後継者となる決意を。
そして別れから20年後、緑葉と再会を果たす。。。
緑葉の強引さ、まっすぐさ、有言実行の性格。これくらいのタイプでないと、人生を諦めてる吐季の心を開かせることは無理だったのだなぁと全巻読んで納得。緑葉の傲慢さに最後は慣れてしまった。
親に愛されず不幸な境遇の吐季だったけど、妹弟を慈しむ心があってよかった。それがなかったらきっと立ち上がれなかっただろうな。
吐季も緑葉も麗羅も歩夢も、みんな幸せに★