あらすじ
国土を不法占拠する「元国民」=地縛霊を立ち退かせる幽冥推進課の職員として働く夕霞。今回、出張先の気仙沼で出会ったのは、東日本大震災による津波で引き裂かれた親子が抱え続ける悲痛な想いだった。被災地の傷の深さと問題の大きさに怖気づく夕霞だが……。一方、秋田にある夕霞の実家では思わぬ事件が発生して!? 個性的な妹&母親も登場する、笑えて泣けるあやかし公務員小説第5弾!
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Posted by ブクログ
これまでの物語とは異なり今回は現実の出来事、東日本大震災を題材にしたお話だった。
これは切なく苦しいお話だよなあ。
こういう現実の出来事を題材にするのは色々な意味でちょっと勇気がいると思うのだけど、それでもこの題材で書こうと決意した作者には敬意を表したい。
想いのこもった良い話だった。
思わず涙ぐんでしまった。
後半は夕霞の夏休みと言うこともあって、母親や妹、おばあさんら身内とのやりとりもあり、仕事モードではない柔らかさを感じた。
こう言う家族のお話も良いもんだね。
それにしても妹は只者じゃないな^^
そして幽冥課の行く末についてはなかなか引っ張るなあ。
次巻では進展あるのかな?
まあ、夕霞にはいつも通り体当たりでぶつかっていってもらえればいいかなと思う。
Posted by ブクログ
シリーズ第5弾
夏季休暇の日程で悩んでいた夕霞に新しい依頼が・・・
一章 いつまでも心配しなくていいんだよ。
二章 夕霞の里帰り。
三章 夕霞の里帰り 延長戦。
幕間 寝たふりをしていた火車が夕霞の妹に姉のことを頼まれた。
けれどそれは・・・
東日本大震災を題材にした話はキツイです。
映像で流れた場所にネッ友さんがいる!連絡がつかない。
その時の恐怖がフラッシュバックする。
現地の人達はそれどころじゃなかったと思うけれど。
だからこその話に涙腺崩壊でした。
他2作は、夕霞の実家でのお話。
Posted by ブクログ
サバイバーズ・ギルト:大災害を体験して生き残った者たちは、紙一重の状況下で亡くなった人々に対して罪悪感を抱くことが多い。被災した方たちと接し、支援していこうとする者にも生じやすい感情とも言われている。
朧車:夜中にきしむ音を立て疾走する牛車の妖怪。
ツーマンセル
Posted by ブクログ
国土省の幽冥推進課の臨時職員の夕霞は、東日本大震災で津波の被害を受けた気仙沼に、出張することになる。地縛霊となった夫婦と残された息子の再邂逅が痛ましいが、夕霞もその息子も前に進むしかないのだ。この後、実家に久しぶりに帰った夕霞だが、死んだ祖母、母、妹が登場し、そこでも相変わらず夕霞は奮闘する。心が温かくなる結果になり、よかった。夕霞の家族は、みんななかなかユニークで、いきいきと描かれている。最後に、幽冥課の廃止の話が出てきて、先行きが不安になる。
Posted by ブクログ
1話目は東日本大震災の被災地を扱ったお話。言葉は悪いですが、こんなエピソードはそれこそいくらでもあるんでしょう。さらに言えば、こんな救いが得られない別れも山のようにあるんだろう。