あらすじ
稼ぐ力を高め、投資家の期待に応えるための切り札!
ROIC(ロイック)を通じたコーポレートガバナンス改革を解説
いま、企業視点の指標である「投下資本利益率(ROIC)」が注目されている。事業資産からどれだけ効率的に本業の利益を生み出しているかを測定するROICは、企業の稼ぐ力を判断するには最適な指標だといえる。
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Posted by ブクログ
資本生産性の視点から、いかに企業価値を向上させるのかを、投資家目線寄りで解説してくれた本。
さまざまな発見があって、学びになった。
①ROEとROICの関係性
②IRと資本コストの関係(ESGやCGなど)
③調達資本・運用資本の視点から見た、ROICの特徴・そこから考えられる事
④投資家と経営者の視点の不一致
⑤企業の状況と、選択すべき方法論
などなど
是非とも活用していく中で、ブラッシュアップしていきたい。
Posted by ブクログ
・ROE/ROA/ROICといった資本生産性の計算方法の説明も含まれているが、
機関投資家が企業価値をどのように捉えていて、企業は自社の企業価値向上の
取り組みに関する説明力をどのように高めていけば良いかをテーマに
あずさ監査法人が説明している。
・資本生産性のロジック説明に関する本は、これまでも発売されていたが、
機関投資家の考える企業価値や資本生産性が論点になる背景などを
解説した本は、今まで読んだことがなかったので、
その意味で非常に参考になる書籍だった。
・理論の本では、本社側の目線だけで説明されているケースが多いと思うが、
この本は事業部門の目線とのギャップについて記載している点も
企業内部の経理部門(経企)の事情を意識して発刊されていると
思われ参考になった。
・事業部門経理の経験から言えば、ROICは営業利益÷投下資本で計算するが
連結事業部単位の調達サイドの投下資本の計算はなんとかできるが、
運用サイドの投下資本の計算は、社内システムの理由もあり、
連結ベースでは作成できなかった。
また事業部単位でROICを作成するのがやっとで、製品群単位では
工数の費用対効果を考えるととても手をつけることができる状態ではなかった。
本文にも記載があるが、ROICは経理だけで取り組むことができるものではなく、
会社全体で考えるテーマであるため、役職の方にも読んでほしい本だと思う。
・この本を読んで機関投資家の目線を理解するために資本コストや
株式市場の勉強をしなければと思った。
Posted by ブクログ
株主・債権者の期待リターン以上の収益を達成して初めて企業価値向上に寄与すること、この点が丁寧に説明為されている。株主・債権者の期待リターンに対する当社のPerformanceを定点観測するKPIとしてROIC並びにROIC Spread(Roic-Wacc)が有効であること、但しROICだけをKPI観測に使用してしまうと縮小均衡する可能性あるため他のKPI指標との併用が望ましいことや中期経営計画等の中長期スパンで観測する必要があることが説明されている。
自社の状況を振り返ると、ROICが営業部のKPIに組み込まれたものの、未だ部門の上層部含めて、PL Managementの考え方が支配的である。しかも単年度毎の測定が為されてしまう為、企業価値が毀損され得るDecisionが正当化されてしまうことがある。例えば、事業年度の後半にPATに余裕が見受けられた際、来期のPL向上を狙い、リース資産の買取権行使並びに同資産の売却用資産への振替による評価損が、事業通期におけるFCFの検証無くして営業部内で正当化される。企業価値向上に反するDecisionは確りNoと言うべきだし、会社全体(特に営業部)へ企業価値を踏まえたKPIの重要性を浸透させることも財務系のコーポレート部門に課された重大な責務であると認識させられる。
機関投資家との対話が会社のベータを下げ資本コスト低下による企業価値向上に起因するとの考え方は新鮮。機関投資家との対話を通じて株主資本コストを適正に保つことで、買収リスクの低減や企業価値相応の増資を図ることが出来る。IR機能の重要性を認識させられる。
案件Support時には、PL・CFの規模感だけに囚われず、ROIC等の効率性指標を意識し企業価値に資するProjectなのかとの意識を持つこと。デジタル化が進んでおり一部からは衰退が懸念されるCFO部門の期待役割は、株主・債権者との対話が重要になっている状況踏まえるとむしろ拡大しているものと推察。