あらすじ
神に成る――キュヴィエ症候群の研究施設〈EGG〉の閉鎖から数年後、太陽光を浴びることが死に直結する世界で、サーフらは地下に逃れたローカパーラの人々に出会う。彼らの協力を得て、セラを奪還すべく〈協会〉の本拠地を目指したエンブリオンのメンバーだったが、その眼前に思いもよらない人物が立ちはだかった。人間と悪魔が楽園を追い求めた闘いの行方とは……世界の崩壊と再生を描いた本格SF大作、悠久の完結篇。
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アバタールチューナー
一部ご紹介します。
・「失敗作だろうがなんだろうが、俺たちは生きてんだよ。生きてる以上、誰が何を考えて作ったかなんて知ったこっちゃねえ。
俺たちは俺たちで、できるかぎりのことを、精いっぱいやっていくだけさ」
・「データであろうと、物質であろうと、その本質に変わりはない。因果の転輪は回り続ける」
・「俺たちは無力でちっぽけな人間にすぎない。だが、これくらいは言わせてくれ。あんたたちと知り合えてよかった。
ただの兵器じゃないことを、思い知らせてくれてよかった。できればもっと別なとき、平和な時代に、あんたたちと知り合ってみたかった」
・「もし、そこにいるのなら、私と一緒に来る気はないか。私はこれから旅に出る。長く、遠い旅に。
道連れがあるというのも、いいものかもしれない。長い間あなたは孤独だった。それは、あなたが周囲を見ようとせず、心を開こうとしなかったからだ。私もかつてはそうだった。しかし、いまは違う」
「私はあなたに世界を見せたい。あなたの娘が守った世界を。彼女が愛した、人間を」
・水の上に咲く蓮花は美しい、だが、泥水の中に伸びたその茎と根は、水底で腐れた生き物の死骸に根を張り、なお美しく咲き誇っているのだ。
ここにおびただしい屍肉の山がある、その頂上で自分もまた腐っていく、しかしその自分の胸から、また新しい花が咲く。
なかば透き通った茎がぐんぐんと養分を吸い取り、水上へと運んでいく。
それに従って体はしなび、細くなり、やがて塵となって消える。
しかし花は咲く。この先も、繰り返し、繰り返し、花は咲き続ける。
・「存在を脱した者は最早因果にとらわれることなく、時と空間を超越し、あらゆる時間、あらゆる場所に、無限に現れ偏在する。
だから、調律者はどんな場所にも、どんなときにも姿を現すことができる。どんな形でも、姿でも、人でも、猫でも、悪魔でも」
ビーズ玉を貫く糸が、どの玉であろうと玉の中心を通っているように、
どの時間、どの場所にも、様々な形で常に彼らは存在した。必要なのは、ただ、選択だけだった。
「全てはここに始まり、ここに終わる。しかし終わりは、次の始まりでもある」
Posted by ブクログ
2011年お気に入り2位
三人→シヴァ・ヴィシュヌ・(ブラフマン)→光の王→ミトラ(弥勒)→56億7千万年後。ここの流れが美し過ぎる。4巻まででは話はゲーム版の方が優れてるかもしれないと思ったが、最終盤で一気に盛り返したよな~。
アートマに使われた神魔の選び方がとてもよかった。ゲーム版の〈ハリ=ハラ〉や〈アルダー〉もイメージには合ってるんだろうけど、如何せんマイナー過ぎる。小説はちゃんとメジャーどころを上手くストーリーに採り入れられてた。更にミトラとヴァルナが表裏一体の神だと知って、感動した。
眞だけはビミョーだったけど。エンブリオンが〈ASURA-AI〉なんだから、阿修羅退治ってことで〈インドラ〉の方がしっくりくるのでは?
Posted by ブクログ
ゲイルゲイルと叫び続けて読んできた全5巻。ついに終わってしまいました…。今はただただ寂しいです。
今までの4冊の積み重ねがこの1冊でまとまって、5巻は濃い~ぃ1冊でした。
エンジェルのところが印象的でした。そしてその後P260辺りからのフレッドの話がよかったなぁ。
(エンジェルのトコロはね、ドキドキしちゃって怖くて読み止めることができなくて2時間ほど夜ふかししちゃいました。次の日辛かったヨ…;)
エンディングも、納得というかアリアリ!な感じでした。穏やかで静かで柔らかで暖かなエンディングだったと思います。ゲイルとエンジェルのやり取りもっと見たかった…!メイン3人のやり取りも気になるし、エンブリオンメンバーはたまに集まったりしてるのかな~(それともあの後…?)。だったらいいなぁ~。