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Posted by ブクログ
最終巻。
思えば、〈修羅〉(戦闘神)と呼ばれていた存在がその語源である〈ASURA〉(サンスクリットで「asu」が「命」、「ra」が「与える」)となる所に、その意図が刻まれていたのかもしれない。
崩壊する世界の只中にあって、〈ASURA〉も人もそれぞれの生きることを問う。〈ASURA〉達は自らが兵器――人を喰らう存在であることを認めた上で、人との関わりを通して人の生きることも学ぶ。
存在する己を問い、それを認識する事で己を再び獲得する、弁証法の通過儀礼を行っていた。
己が存在する喜びと、存在を維持するために飢えを覚えること。
生への執念から他者を傷つける人間と、それでも他者に手を差し伸べる人間。
〈ASURA〉達が多くの経験を通して獲得した、生きることの祝福と呪いの言葉を〈神〉も人も獲得する。
巻を重ねる毎に内容が深く充実していたのではないだろうか。ライトノベル風からSF小説へ。冲方丁氏が1巻の帯を書いていたことに納得。
アバタールチューナー
一部ご紹介します。
・「失敗作だろうがなんだろうが、俺たちは生きてんだよ。生きてる以上、誰が何を考えて作ったかなんて知ったこっちゃねえ。
俺たちは俺たちで、できるかぎりのことを、精いっぱいやっていくだけさ」
・「データであろうと、物質であろうと、その本質に変わりはない。因果の転輪は回り続ける」
・「俺たちは無力でちっぽけな人間にすぎない。だが、これくらいは言わせてくれ。あんたたちと知り合えてよかった。
ただの兵器じゃないことを、思い知らせてくれてよかった。できればもっと別なとき、平和な時代に、あんたたちと知り合ってみたかった」
・「もし、そこにいるのなら、私と一緒に来る気はないか。私はこれから旅に出る。長く、遠い旅に。
道連れがあるというのも、いいものかもしれない。長い間あなたは孤独だった。それは、あなたが周囲を見ようとせず、心を開こうとしなかったからだ。私もかつてはそうだった。しかし、いまは違う」
「私はあなたに世界を見せたい。あなたの娘が守った世界を。彼女が愛した、人間を」
・水の上に咲く蓮花は美しい、だが、泥水の中に伸びたその茎と根は、水底で腐れた生き物の死骸に根を張り、なお美しく咲き誇っているのだ。
ここにおびただしい屍肉の山がある、その頂上で自分もまた腐っていく、しかしその自分の胸から、また新しい花が咲く。
なかば透き通った茎がぐんぐんと養分を吸い取り、水上へと運んでいく。
それに従って体はしなび、細くなり、やがて塵となって消える。
しかし花は咲く。この先も、繰り返し、繰り返し、花は咲き続ける。
・「存在を脱した者は最早因果にとらわれることなく、時と空間を超越し、あらゆる時間、あらゆる場所に、無限に現れ偏在する。
だから、調律者はどんな場所にも、どんなときにも姿を現すことができる。どんな形でも、姿でも、人でも、猫でも、悪魔でも」
ビーズ玉を貫く糸が、どの玉であろうと玉の中心を通っているように、
どの時間、どの場所にも、様々な形で常に彼らは存在した。必要なのは、ただ、選択だけだった。
「全てはここに始まり、ここに終わる。しかし終わりは、次の始まりでもある」
Posted by ブクログ
2011年お気に入り2位
三人→シヴァ・ヴィシュヌ・(ブラフマン)→光の王→ミトラ(弥勒)→56億7千万年後。ここの流れが美し過ぎる。4巻まででは話はゲーム版の方が優れてるかもしれないと思ったが、最終盤で一気に盛り返したよな~。
アートマに使われた神魔の選び方がとてもよかった。ゲーム版の〈ハリ=ハラ〉や〈アルダー〉もイメージには合ってるんだろうけど、如何せんマイナー過ぎる。小説はちゃんとメジャーどころを上手くストーリーに採り入れられてた。更にミトラとヴァルナが表裏一体の神だと知って、感動した。
眞だけはビミョーだったけど。エンブリオンが〈ASURA-AI〉なんだから、阿修羅退治ってことで〈インドラ〉の方がしっくりくるのでは?
Posted by ブクログ
ゲイルゲイルと叫び続けて読んできた全5巻。ついに終わってしまいました…。今はただただ寂しいです。
今までの4冊の積み重ねがこの1冊でまとまって、5巻は濃い~ぃ1冊でした。
エンジェルのところが印象的でした。そしてその後P260辺りからのフレッドの話がよかったなぁ。
(エンジェルのトコロはね、ドキドキしちゃって怖くて読み止めることができなくて2時間ほど夜ふかししちゃいました。次の日辛かったヨ…;)
エンディングも、納得というかアリアリ!な感じでした。穏やかで静かで柔らかで暖かなエンディングだったと思います。ゲイルとエンジェルのやり取りもっと見たかった…!メイン3人のやり取りも気になるし、エンブリオンメンバーはたまに集まったりしてるのかな~(それともあの後…?)。だったらいいなぁ~。
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