【感想・ネタバレ】スタープレイヤーのレビュー

あらすじ

路上のくじ引きで一等賞を当て、異世界に飛ばされた斉藤夕月(34歳・無職)。そこで10の願いが叶えられる
「スタープレイヤー」に選ばれ、使途を考えるうち、夕月は自らの暗い欲望や、人の抱える祈りの深さや業を目の当たりにする。
折しも、マキオと名乗るスタープレイヤーの男が訪ねてきて、国家民族間の思惑や争いに否応なく巻き込まれていく。
光と闇、生と死、善と悪、美と醜――無敵の力を手に、比類なき冒険が幕を開ける!
鬼才・恒川光太郎がRPG的興奮と神話世界を融合させ、異世界ファンタジーの地図を塗り替える、未曾有の創世記!

※本作品は 2017年4月4日まで販売しておりました単行本電子版『スタープレイヤー』の文庫電子版となります。 本編内容は単行本電子版と同じとなります。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

約400ページと読み応えのある長編ファンタジー。ただ、人間の話なので政治のあり方とか歴史の流れみたいな根本的な部分は現実世界とあまり変わらない。
「自分はいま小説を読んでいる!」と思える作品感で、10代の頃に読んだ「ブレイブ・ストーリー」を思い出した。

主人公が最初は自分のために願いを使っていたのが、マキオたちとの交流を経てもっと視野を広くした壮大な願いをするようになったのが、人間的成長を感じられて良かった。草原に爽やかな風が吹いているような、自由を感じられる読後感もいい。

「夢は己の力で叶えるもの。世界は人々が知恵と勇気で切り開くもの。」
スタープレイヤーではないからこそ重みのある、ラナログの言葉が印象に残った。

今ある国も文明も、長い時間をかけて人間の叡智と行動によって生まれたもの。全てのものには、大なり小なり誰かの「願い」が込められている。「願い」があるから人は行動し、それを叶えようと思考を巡らせ、行動に移して実現してきた。そんな当たり前のことに、改めてハッと気付かされる。

死んでしまったら、「願い」があってもどうしようもできない。そう考えると、「生きること」とは「願いを叶えていくこと」なのかもしれない。

終盤で、主人公は胸に宿った新たな「願い」を叶えるべく、慣れ親しんだ場所からひっそりと旅立つ計画を立てる。やりたいことをやるために生きているのだから、と。それは魔法ではなく、己の行動で実現させる「願い」だ。

もしいま何か「願い」を秘めたまま日々を過ごしているなら、小さなことでもいいからそれを叶えるための行動をしてみてほしい。死者を甦らせる、不治の病を治癒するといった人智を超えたもの以外であれば、それを実現させる知恵や行動力を我々は備えているはずだから。

そんな希望に満ちたメッセージを感じさせる作品だった。

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2025年06月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ある日、くじ引きで一等賞を当てた主人公。異世界に飛ばされて10の願いを叶えられるスタープレイヤーとして生きていくことが描かれたファンタジー小説。

すごく読みやすくて読む手が止まりませんでした!
世界観もとっても好きでした☺︎

主人公がスターの使い道について悩む姿が描かれていて、いざ10の願いを叶えるとなると難しいなと思った

スタープレイヤーは地球に帰ることを願うとどうなるんだろうか、すでに地球にはもう1人の自分がいるから今の自分が消えてしまうのではないか、と言う疑問はどうなったんだろう…?もっと広がった世界について知りたいなと思った

でも、続編があるみたいだから、この世界がもっと詳しく描かれていると思うと楽しみ!!

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2025年02月17日

ネタバレ 購入済み

とても面白かった!

大好きな恒川先生の本!すっごく面白く、最後までノンストップでした。
夕月の、外見を美しくするという願いは絶対自分もやっちゃうと思います(^^)宝石だらけのキラキラ庭園も!異世界トリップものは、異世界に行ったら外見が絶世の美男美女に変わっていた話が多い気がしますが、自分でやっちゃうと親近感がわきますね。しかしその後、スタープレイヤーなら外見をいじれると知っているマキオと出会って気まずい思いをしたり、宝石だらけの庭園を人に見られたらやばいと思い立ったり、ラナログに外見からスタープレイヤーであろうと推察され怖い思いをしたり、後々軽はずみに叶えた願いが緊張を呼ぶ展開が、なんかリアルでした!
スタープレイヤーであるため優位に立っている筈の夕月が、スタープレイヤーではない人達により危機にさらされる展開もあり、人の能力というのは本当に様々なんだということが、この本を読むと分かります。スタープレイヤーであろうなかろうと、狡猾で容赦のない人が一番怖いと思いました。
ラスト、夕月が旅立ちを夢見るシーンがありますが、その旅をぜひ読んでみたいなぁと思いました。

#ドキドキハラハラ

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2022年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

異世界転生の「新しい形」を見た。

路上で、全身真っ白な男から提示されたクジを引き、1等の「???」を引き当てた主人公・斉藤夕月(34歳・無職)。眩い光に包まれて目が覚めると、見知らぬ異世界に飛ばされていたという、なんとも脈絡のないスタートを切る。

異世界ものにありがちな「目の前にメニュー画面が開く」といったシステムはあるものの、ここで与えられるのは戦闘スキルなどではなく、「制約はあるが、何でも10個の願いを叶えられる権利」だった。

この世界では、別の世界からやってきてこの権利を持つ者を「スタープレイヤー」と呼び、願いの残数を「スターが10個残っている」と表現する。

この「願い(スター)の制約」が、解釈の仕方次第でかなり汎用性が高くて面白い。

例えば、ただ「車が欲しい」と願えば車が1台現れるだけだが、「車も船も含めた庭付きの豪邸が欲しい」と願えば、同じ「願いの消費1回」でも得られる成果のスケールがまるで違う。

この「制約の範囲内であれば何でもできる(=言葉の定義次第で可能性が広がる)」というルールは、どこか『デスノート』のルールを連想させる。

異世界に飛ばされはしたものの、魔王のような明確な敵がいるわけでもなく、旅の目的があるわけでもない。何をしてもいいし、何もしなくてもいいという圧倒的な「自由」こそが、他の異世界転生ものとの決定的な違いだった。

実際、夕月はスターを2つ使って自分の容姿を「絶世の美女」にカスタムし、自分の実家をベースに増築した家を起点に、正門まで5キロもあるような、現実では絶対に不可能な大楽園を作り上げて過ごしている。

一方で、この世界が一体何なのか、なぜクジを引いたら飛ばされたのか、あの白い男は何者なのか、といった根本的な謎は最後まで明かされない。

パーティを組むわけでも、ダンジョン攻略や魔物退治があるわけでも、レベル上げがあるわけでもない。そうした「ファンタジーあるある」を一切排除した、これまでにない斬新な異世界転生小説として、非常に面白かった。

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2026年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大好きな恒川光太郎の長編。読んでみたかったけど前まで長編が苦手だったからずっと読めずにいたのを、とうとう読んだ!最後の願い何にするのかなって思ってたら、「願いをとっておくこと」だったのが、すごく良い!!しかもそれって自分で叶えられることだから、スターを消費しない願いの叶え方でもある。夕月は、今後の人生で実際にスターを消費せずに終わっても別に構わないとも最後には思っていて、それがなんというか、あんた強くなったね…!って言いたくなった。笑 願う→叶えるの段階から、また一段階自由になった感じの解放感があって、願い続けながら生きることの素晴らしさもあるなって思えた。しかもちょうど夕月と同じ年齢のこのタイミングで読めたこともなんか嬉しいな。(そして国の名前が「麗和」だったのはびびる…令和になる前に出た作品だったはず…)ヘブンメイカーも引き続き読もうと思う!

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2025年11月17日

匿名

ネタバレ 購入済み

発行年が…

「夜市」を読み、面白かったので、他の作品も読んでみたいと思い、評価の高いこちらを読みました。
異世界転生モノを読んだことがないので、相場と比較出来ませんが、
読みやすく、楽しめました。
最後に平成29年発行ということを知って、鳥肌が立ちました。

#ドキドキハラハラ

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2025年01月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自然にスムーズにファンタジー世界に入っていけた
面白いシステムやハラハラする殺戮のシーンもあるが、一番は三十代、不倫離婚歴あり、復讐しきることもできず……の主人公の成長ぶりだろう
続編に期待

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2026年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初は主人公がどんな願いを叶えるのかわくわくしながら見ていましたが、自分の足を痛めつけた犯人に復讐しようとしたり、だんだんと戦争の話になってしまって、最後のほうはあまり楽しめなくなってしまいました。

結局、足を痛めつけた犯人も犯行理由は分からないし、彼とのやり取りのシーンが必要だったのかもよく分からなかったです。

でも夕月さんが死者を蘇らせた時はこの後争いが起こるだろうなってヒヤヒヤしたり、スターボードを取られた時はどうなるんだろうってドキドキして、そういうシーンは読んでいておもしろかったです。

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2025年01月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ちょっと、詰め込めすぎかと。
異世界これた自由と自分の復讐劇から国家戦争につながるけど、それがあれよあれよという間に、ではなく、別の話みたいになってるのが残念。
復讐したい犯人に意外性はないし、その後そいつが呼ばれたりもしない。ミステリー作家なのに色々繋がらないでぷつぷつ途切れてる。
あと、実はできることは「コピー」と「削除」の2つだけっていう設定かと思って、この世界ならプログラムできそうだなぁって感心して読んでたのに、「透明化」とかでてきて解せん…。それがありなら最後にもっとおもろい願いしてよ主人公。この世界のこともめちゃ謎のまま終わる。
ファンタジーが苦手なだけ……?
ヘブンメイカーも読まないだろうなあ、

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2024年11月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

さくっと読める爽快ファンタジー!

現実世界で変わり映えのない日々を過ごしていた女性がある日突然異世界に飛ばされる。
そこではどんな願いでも叶う夢みたいな世界✨

ストーリーの始めはそれでも現実味があって、わざわざ恨んでいた人を懲らしめるのに2スターも使うなんて、読み終わった今考えてみると勿体無いなあって思うし、スタープレイヤー初心者だったなあと。

そこからだんだん話が壮大になっていくのが面白くて、どんな原始社会でも起こり得る戦争や国政波乱を描きながら、ラストには建国まで行き着いて…!
そうやって徐々にファンタジー世界が広がって、主人公の夕月姫の人間的な成長や自問自答も垣間見えたのがストーリー展開として読みやすかった。

自分が主人公になったらどう使うかな…
確かに、10個も自分のために使うには多すぎるなと思う。そこに社会ができている以上、ある責任を持って人々と生きていくならば、世のため人のためにスターを使えたらそんなに素晴らしくて楽しいことはないのかな。そこまで割り切るには相当の時間と体験がかかりそうだけれど。
でも本当に考え方が人によるものだと思うので、もっと色んな主人公の物語を見てみたい。

スッキリする読み応えなので、また続編も読みたいなあ〜!

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2024年09月25日

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